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【取材】滋賀・近江八幡に佇む1日2組限定のおこもり宿で、日本文化と美食に浸る
クローズアップ

【取材】滋賀・近江八幡に佇む1日2組限定のおこもり宿で、日本文化と美食に浸る 旅籠 八...(滋賀県/近江八幡市)

近江商人発祥の地として知られる、滋賀県近江八幡市。2020年10月、190年続いた商家を改修した1日2組限定の宿「旅籠 八…」がオープンしました。今回は一休コンシェルジュ編集部が「旅籠 八…」を取材。和の趣を随所に感じつつ、スタイリッシュにリノベーションした宿の様子を、詳しくご紹介します。

“近江商人発祥の地”に開業した、1日2組のおこもり宿

近江八幡市は、安土桃山時代に豊臣秀次が居城である八幡山城をかまえた城下町。現在、重要文化的景観に選定されている八幡堀は、城下町が栄える基礎となった町の一大動脈として機能し、地域の発展に大きな約割を果たしました。

そのほとり沿いに佇む「旅籠 八…」は、1日2組限定の宿として2020年にオープン。

八幡堀沿いにある入り口にはしめ縄が張られており、足を踏み入れた瞬間、神秘的な雰囲気が漂います。

190年ほど前に、近江商人の畳屋として建てられた「旧喜多邸」のお屋敷をリノベーションした「旅籠 八…」。日本人がかつて大事にしてきた自然への敬意や、動物的な感覚を呼び覚まし「心を空っぽにする」ような特別な滞在が叶う宿でありたいという、オーナーの吉田氏の想いが随所に詰まっています。

母屋と離れの間には、北山台杉と山石によって構成された庭園が。ちょうど紅葉の時期で木々が赤く色づいていました。

当時の梁や土壁をそのままデザインに昇華し、自然と一体化する「石の間

まずは主屋として建てられた「石の間」をご紹介します。
希少な京都の鞍馬石をくり抜いた岩風呂が存在感を放ち、思わず感嘆の声をあげてしまいました。こちらのお部屋は、古代の日本人の無骨さをイメージして作られたそう。

窓を挟んでお湯が庭へと流れ、外と室内の境界線には苔が生えています。岩風呂に包まれるように浸かれば、窓越しに外と中の自然の世界が繋がるような一体感を体験できることでしょう。

レインシャワー付の洗い場の壁は、かつて使用されていた瓦が使われています。

バスアメニティは国内のオーガニックプロダクト「SOMALI」と京都発ウェルネスビューティーケアブランド「sunao」のもの。

続いて客間へ。むき出しの古い梁や、土壁を残した武骨さ、柔らかい色の壁紙と自然の陽光が合わさって、不思議と落ち着く空間です。

くりぬかれた壁には、様々な石やオブジェがディスプレイされていて、ギャラリーのような雰囲気。

ソファに腰かけると、目線の先には岩風呂が美術品のように佇んでいます。赤茶色の鞍馬石は、ガラス窓越しでも重厚さが伝わってきますね!

寝室は白を基調とした柔和なお部屋で、キングサイズの特注マットレスのベッドが備わります。

クローゼットの中には、神奈川県逗子市のアパレルブランド「&her」とコラボしたオリジナルの散策着とルームウェアが。シックなカラーリングが素敵ですね。

古き良き日本の伝統文化を今に伝える「木の間」

もう一つの客室は、喜多邸の離れとして使われていた一棟貸切の「木の間」。和の情緒に溢れ、京都の数寄屋大工によって施された数寄屋造りのお部屋です。

玄関から入ると、大きな窓の向こうに八幡堀の自然が広がります。ゆったりとした時間を過ごしてほしいからと、敢えて部屋の一部を一段低くしています。待合の間として利用し、チェックインはこちらで行います。

目線が下がることで、より風景に奥行きが感じられました。

この宿には、テレビがありません。備え付けのタブレットはありますが、この景色を愛でていると、デジタルのものを目にしたくなくなります。

リビングスペースにはオリジナルの座椅子が備わり、もともとあった調度品と洗練されたインテリアが違和感なく馴染みます。庭も近江八幡の自然らしさを感じられるように、作庭後の手入れは最小限にされているそう。

続いてバスルームへ。高野槙を用いた大きな桶風呂は、今では数少なくなってしまった大阪の醤油樽を手がける職人に発注したもの!大きな円形の桶風呂に浸かれば、障子越しに中庭を眺めながらの湯浴みが楽しめます。

パウダールームは間接照明でシックな印象。タオルもオリジナルで、ふわふわの感触が心地よかったです。

2階への階段は、宿泊時には鍵が掛かっています。鍵が開くのは、翌日朝食を食べる時間になってから。

2階にあがると、八幡山を見渡せる素晴らしい景色が眼前に広がります。このとっておきの景色を眺めながら朝食を食べていただきたいという、オーナーの計らいを感じますね。

襖絵は江戸時代後期に活躍した四条派の松村景文によるもの。布団箪笥や調度品などはこの家に元々あったもので、立派なお屋敷であったことが推察できます。

近江ならではの食を通し、素朴の中に贅沢を見出す

夕食は、土蔵を改装したレストラン「溜ル(たまる)」にて。江戸時代当時の梁や土壁をデザインの一部に取り入れた、スタイリッシュな空間が広がります。

極限まで照明を抑えた空間の中、カウンターに座ると少し厳かな気持ちに。

最初に一杯の水が供されます。滋賀県と岐阜県の県境にある、伊吹山から流れる湖国の水を飲むことで心身を整え「これから始まるお食事に向き合う準備をする」という意味があるとのこと。

その後、自ら田植えする炊き立ての「丸子米」をいただきます。湯気や香りと共に、つややかな白米の甘みをじっくり味わえば、何気なく食べていた米の美味しさに気づくことでしょう。

徐々に照明が明るくなり、お食事がスタートします。無農薬栽培の野菜、鯖街道を通った魚介、近江牛など、地元・滋賀を中心とする旬の食材で組み立てられた料理は、どれも洗練された美味しさ。

翌日の朝食にもこだわりが。「木の間」に宿泊のゲストは2階のお部屋にて「石の間」に宿泊のゲストは主屋の2階にある特別なプライベート空間にていただきます。

お茶と梅干しで体を目覚めさせてから、おばんざいの小鉢、焼き魚、土鍋炊きご飯など、近江の温もりが感じられる料理がずらり。一つひとつの食材が素朴ながら上品な味わいで、ほっこりと幸せな気持ちになれることでしょう。

周辺散策の合間におすすめなのが、宿の中にある茶房「氵(サンズイ)」。一枚板のカウンターとおしゃれなオブジェが目を引きます。宿泊者以外も利用でき、和菓子や自家製生チョコレート、ここだけの特製茶葉を使った煎茶・抹茶やコーヒーなどがいただけます。滞在中にぜひ利用してみては。

野趣溢れる古式サウナで、自然の力に癒される

隣接する「別邸 九.」は、土蔵をギャラリーとサウナにリノベートしたスペースとなりました。

ギャラリーに足を踏み入れると、外からは想像できない高感度な空間に驚きます。少しオリエンタルな雰囲気は、シルクロードのように人と自然と街が交差し、豊かさを実現させる場所として利用してもらいからなのだとか。

オリジナルアメニティやルームウェア・器や茶を取り扱っていて、アート作品は定期的に入れかえられるそうです。

その隣にあるサウナは着替え用のスペースとなる2階と、螺旋階段を降りた先にある、洞窟風呂のようなサウナスペースからなります。
発酵にインスピレーションを受けた蒸し風呂風の「醸し風呂」。中は土壁で囲われ、低温で体の芯をゆっくりと温めます。

敷き詰められた藁に寝そべり、薬草の香に包まれれば、体の中から自然の力をじんわりと感じることでしょう。

外気浴ができるスペースもあり、都会でのサウナとは一味違う整い体験が叶います。

和の風情を感じる近江八幡で、江戸時代の重厚な歴史と現代的な感性が共存し、滞在することで心身が癒される「旅籠  八…」。大切な人とのおこもり旅に、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

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旅籠 八…

滋賀県/近江八幡市

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