京都府と境を接する滋賀県甲賀市は、古くは聖武天皇が「紫香楽宮(しがらきのみや)」を築くなど、古くから歴史を刻んできたエリア。また、甲賀忍者の里としてや「日本六古窯」のひとつ「信楽焼」の地としても知られています。
今回は、その信楽の里に2022年8月に開業したばかりの宿「欅の宿 縁」をご紹介しましょう。
目 次
1日1組限定。個人宅を改装して開業

「欅の宿 縁」は、1棟を貸切で利用できる1日1組限定の宿。2台のクイーンベッドを置いた主寝室に加え、布団を敷いて休む2つの和室も備えてあって、最大15人までの宿泊が可能です。

大阪からは車で1時間ほど。駐車場は12台分あり、そのうち4台はインナーガレージへ駐車できます。充電器付のガレージなので、EV車も安心。ゲストの愛車への配慮も怠りません。

さて、数寄屋門をくぐって玄関へ。美しく編まれた網代天井といい、艶々に磨かれた幅広の床板といい、すでにそのエントランスから和建築の美しさに魅了されてしまいます。

実はこの建物は、もともと宮大工によって建てられた個人邸だったとか。そのあまりの素晴らしさに惚れ込んだオーナーを始め、京都の建築家と信楽の造園家、そして懐石料理の店を営んできた料理人など、多くの職人さんたちが自身の技を結集させて1軒の宿に。そして「縁」の1字を刻む宿が、誕生することとなりました。
圧巻の「囲炉裏の間」とそこから眺める枯山水


圧巻なのは、驚くほどの大空間が広がる「囲炉裏の間」。欅の大黒柱、高い天井、モダンな薪ストーブにテーブル式の囲炉裏。それらが大きなソファセットと共にゆったりとレイアウトされ、開放感たっぷり。

しかもここからは、地元の「小西造園」が手掛けた枯山水の庭が眺められます。

現代の楽しみを加えることも忘れてはいません。伝統の母屋に対して新たに造られたのが、浴室と蔵を改装したサウナ。いずれも1日1組のゲストのためだけに用意された施設とは思えないほどの豪華版!

特に「蔵サウナ」の落ち着いた設えが素晴らしく、何度も出たり入ったりしたくなります。すぐ隣には水風呂を置いた中庭もあるので、クールダウンも可能です。
“懐石割烹”をベースにした信楽の旬が感じられる料理

建物同様、力が入っているのが食事。腕を振るうのは、京都の著名なホテルやミシュラン一つ星の「京都岡崎 いく田」で店主を務めた料理人・生田一雄氏。料理人歴約50年の大ベテランです。

生田氏が作る料理は、一汁三菜の伝統的な懐石料理と気軽な割烹、双方の良さを活かした“懐石割烹”。信楽の旬もたっぷり加味した“縁”流の料理が楽しめます。メニューに何品かのおばんざいが含まれているのも、とてもユニーク。オーベルジュならではの妙味に期待が高まります。


ちなみに囲炉裏で魚を焼いで出る煙は、腰屋根を通して外に出される仕組みなので、室内が魚臭くなることはありません。器はもちろん、信楽焼。今では珍しい穴窯を使用している「白道窯」を始め、信楽のさまざまな工房の器が選ばれています。

朝食も和食。竈で炊いたご飯や地鶏の卵で作る出汁巻き、鮭やアジ、キンメダイなどの焼き立ての魚、出汁をふんわりと利かせた汁物、発酵食の漬物など、本当に美味しいものばかりが並びます。

日本の伝統建築と手入れの行き届いた枯山水、高い調理技術に裏打ちされた美食の三位一体の宿「欅の宿 縁」。一棟貸切だから、使い方は自由自在。プライベート感を重視する、本物を知る大人にこそ訪れて欲しい宿の誕生です。
欅の宿 縁
滋賀県/甲賀市












