山梨県・八幡地区に位置し、日本の里100選にも選ばれるほど自然豊かな地に佇む宿「HOTEL 菊嶋邸」。約150年前に建てられた日本家屋は、歴史ある風情を至るところで感じられます。今回は、そんな「HOTEL 菊嶋邸」に一休コンシェルジュ編集部が取材を実施。古民家宿での滞在の様子をお届けします。
目 次
1日1組限定の古民家宿でプライベートステイを満喫


蔵や渡り廊下など、1,200坪の広大な敷地内の一部が国の登録有形文化財にも選出されている「HOTEL 菊嶋邸」。前身は5代続く医者の屋敷だったそう。JR中央本線「山梨市」駅から車で約10分とアクセスも良好です。


玄関から一歩足を踏み入れると、昔ながらの暮らしを思わせる階段や梁などがあり、歴史を感じました。


室内には、明治37年(1904年)の菊嶋邸周辺の図面なども置かれています。キッチンの真上にある神棚や欅の大黒柱などは、素材面や技術面から現代では製作できない希少なものなのだとか。
当時の趣を残す日本家屋で、ゆったりと過ごすひととき


信玄餅ゼリーとお茶をいただきながらゆったりチェックイン。信玄餅ゼリーが盛り付けられた器は、もともと屋敷にあったお椀のふたを裏返して使用しているものだそう。

玄関から入って右側には、和室が三間続く開放的な空間が広がります。この三間続きの造りや天井、襖や障子なども建築当時のまま維持しているとのこと。


玄関に一番近い空間は、キッチンを備えたダイニングと和室がつながった造り。「Yogibo」やプロジェクターもあり、落ち着いた雰囲気と快適さを兼ね備えています。


キッチンにある長いテーブルは、蔵にあった廃材を使用しているのだとか。黒のシンクや「BALMUDA」の電気ケトルも、落ち着いた和の設えになじんでいます。


カウンターには、富士山ブレンドのコーヒー、クロモジ茶、ハーブティー「灯火」のほか、お菓子が用意されていました。冷蔵庫の中には、ミネラルウォーターとビールが。すべて無料でいただけますよ。


2つ目の空間には、桐箪笥とクッションが配されています。この箪笥も、もともと使用したいたものを受け継いでおり、神棚や大黒柱と同様に現代では希少なものなのだそう。


タンスの1段目には、室内着が。SサイズとMサイズが2セットずつ、さらに2段目にはXLサイズも収納されていました。3段目には昔懐かしいボードゲームなどが用意されています。


3つ目の空間には、重厚感あふれる当時のレコードプレーヤーが配されています。その隣には、実際に使用できるレコードプレーヤーと「Taguchi」のスピーカーが。

約150年前から残り続けている襖は、すべて閉めたときに圧巻の迫力です。

続いて、明治時代に盛んだった“養蚕”の道具がたくさん残っていたという2階へ。

2階は開放的な空間に、マットレスが備えられているほか、リラックスして腰掛けられるチェアが配されていました。

寝具に使われているのは「甲州羽毛布団」。こちらは天然水で磨かれた羽毛を使って、熟練の職人が一枚ずつ丁寧に仕上げたものなのだそう。ほかにもプレミアムコットンを使用した布団カバーや、ホテル仕様の羽根枕など、こだわりの寝具が快適な睡眠をサポートしてくれます。

赤い椅子がインテリアのアクセントになっている三面鏡タイプのドレッサーは、宿の落ち着いた雰囲気にぴったり。日中は大きな窓から日差しが入る、明るい空間で身支度できますよ。

続いてはバスルームをチェック。シックな黒でまとめられた洗面台は、ダブルシンクのため朝も快適に身支度できそう。

奥には伊賀檜の内湯が設えられており、ふわっと香る檜の香りに癒されます。窓の障子は開け、中庭を眺めながらゆったり湯浴みを満喫するのもおすすめです。


シャンプーやボディソープなどアメニティ類はすべて「THREE」のもので統一されていました。クレンジングや洗顔などスキンケア一式が揃っているため手ぶらでも滞在できるのがうれしいですね。


洗面台の下には歯ブラシやヘアコームなども。ドライヤーは「KINUJO」のものが用意されていました。
蔵を改装した浴場で内風呂やサウナに癒される


五葉松が目を惹く中庭には、クッションが配さており、晴れた日には座って寛ぐこともできます。そんな中庭をはさんで母屋の向かい側にある浴場は、もともと火縄銃や鉄砲など武器が収納されていた蔵だったのだそう。入口にある木の扉も昔ながらの風情を感じます。


中に入ると、脱衣スペースと2つの湯船、サウナが備えられていました。十和田石の湯船は大人が複数人入っても、足をのばせるほどの大きさです。歴史を感じる天井の梁を眺め、鳥や虫の鳴き声に耳を澄ましながらゆったりと湯浴みを堪能しました。


サウナは木の香りに癒される、開放的な空間。温度と湿度を確認できるほか、温度を1度ずつ調節もできるため、本格的にサウナを楽しみたい方にもぴったりです。


さらに、外気浴の際に体温調整がしやすいサウナポンチョや、セルフロウリュをより楽しめるアロマオイルなど、サウナを満喫するためのグッズも複数用意されています。湯船の1つは水風呂となっているため、サウナ後に冷水浴もできますよ。浴場内のチェアや中庭にあるチェアで“ととのう”時間を過ごすのもいいですね。
“蔵ダイニング”で地元食材を使った逸品を堪能


食事処の「蔵ダイニング」へは、部屋から渡り廊下を通って、直接向かうことができます。国の登録有形文化財に選出されている渡り廊下は、木のきしむ音さえも風情を感じられるでしょう。

「蔵ダイニング」の扉の前にある前室は、昭和初期のサロンのような雰囲気。ゆがみのあるガラス窓や、クラシカルなインテリアに加え、ジャズミュージックが流れる空間は、まるで時代を遡ったかのよう。こちらでは食後にお酒を楽しむこともできるのだそう。


「蔵ダイニング」に入ると、スタッフの方がすでに夕食を並べてくださっていました。スタッフの方はお料理の説明をした後退室されるため、蔵の雰囲気を楽しみながら食事と会話をゆっくり満喫できます。


山梨の郷土料理「せいだのたまじ」や「“富士の介サーモン”と“ほうとう”のカルパッチョ」など、この地ならではの料理を味わえるのは、旅の醍醐味ともいえるでしょう。「夏野菜のテリーヌ」は、そのまま食べた後に、トマトの冷製スープをかけてゼラチンを溶かしながら2度楽しめます。上に乗った醬油麹が良いアクセントになっていました。


メインでいただいたのは「甲州ワインビーフと山梨県産馬肉のすき焼き」。お肉は季節によって異なり、その時期に一番美味しいお肉を使用しているのだそう。割下は白ワインをベースにしているため、煮込んでいる間も香りが漂います。

すき焼きのつけダレは、山梨県産の生卵に、桜とヒッコリーのチップで燻した燻製の生卵、そして水切りヨーグルトに卵黄をあわせた3種類。どれも風味が異なり、3種類の味わいを贅沢に堪能できました。

デザートは「季節のフルーツのカッサータ」。取材時は桃が使用されており、さっぱりとしていて食後にぴったり。

ダイニング内の冷蔵庫には、山梨のワインやスパークリングジュース、巨峰サイダーなど様々な種類のドリンクが。好きなドリンクを選んで、QRコード決済で購入するスタイルです。

朝食は、小鉢に高野豆腐の煮物や山梨県産のお漬物、ミニトマトとブロッコリーのサラダが盛り付けられていました。前日の夕食でカルパッチョとしていただいた「富士の介サーモン」を焼いたものや、甲州みそを使った味噌汁などもいただきました。

さらに、出来立てのお豆腐も。薬味は米麹に玉ねぎとショウガを混ぜたものと、ヒマラヤ岩塩の2種類。まろやかな味わいは、食べた後にほっこりとした気持ちになります。

身体が目覚める季節のフルーツを使った甘酒スムージー。取材当日は「夢みずき」という品種の桃が使われており、ほどよい甘さは格別でした。
明治時代より歴史を紡いできた菊嶋邸。長い年月をかけて育んできた建物に残る風情は、どこか懐かしい気持ちにさせてくれました。お風呂や料理を堪能しつつ、希少な建材や調度品に囲まれた空間で過ごす「HOTEL 菊嶋邸」での時間は、まさに非日常。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
HOTEL 菊嶋邸
山梨県/山梨市












