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【滞在記】伊豆・湯ヶ島の文人墨客が愛した由緒ある温泉宿で、美食を楽しむオールインクルーシブステイ
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【滞在記】伊豆・湯ヶ島の文人墨客が愛した由緒ある温泉宿で、美食を楽しむオールインクルーシブステイ おちあいろう(静岡県/伊豆・天城湯ヶ島)

伊豆・天城湯ヶ島温泉に佇む「おちあいろう」は、明治7年に創業した登録有形文化財に登録されている温泉宿。名だたる文豪に愛された歴史を持ち、現在はオールインクルーシブを楽しめる宿として人気を集めています。今回、一休コンシェルジュ編集部が「おちあいろう」を取材。オールインクルーシブな滞在の様子をたっぷりご紹介します。

伝統的な建築美と現代的なモダンさを感じる空間

旧幕臣の山岡鉄舟により、2本の川が合流する畔にあることから名づけられた老舗旅館「おちあいろう」。明治7年に創業し、田山花袋を始め、島崎藤村、梶井基次郎、川端康成、北原白秋といった文人墨客に愛された歴史ある宿です。

堂々たる瓦葺の屋根と印象的な玄関。4,000坪ある敷地には、この玄関を含む7棟が国の登録有形文化財として登録されています。

玄関の正面には家紋の桔梗。どこからか落ち着いたお香の香りが漂い、旅館ならではの風情を感じます。

待合室には藤の絵が描かれ、火鉢の中でお香が焚かれていました。

ゆがみのある窓ガラスや組子細工を施した窓枠など、昔の職人達の確かな手技と歴史に感心しながら、ラウンジへ。

チェックインからチェックアウトまでゆったりと寛げるラウンジ

「おちあいろう」は食事やラウンジなど、滞在中にいただける飲み物類が宿泊費に含まれている、オールインクルーシブの宿です。

暖炉の灯火がゆらめくラウンジは、天井が高く洋風の造り。シックなデザインの木工家具が並び、宿泊客がくつろげるような空間になっています。

チェックイン時には渋みが抑えられた「ぐり茶」をいただきました。

ジュースや挽きたてのコーヒーの他に、ワインなどのアルコールも用意されています。ビールが入った冷蔵庫にはグラスも冷やされていて、ついつい一杯いただきたくなりますね。

おつまみやアイスもありました。

夜は一層ムーディーな雰囲気で、湯上りや食後に訪れ、談笑するゲストを見かけました。

意匠が異なる14室の客間で、歴史が紡ぐ趣を感じる快適な滞在

客室はお庭や川に面しており 、季節ごとに表情を変える様子を楽しめるのも宿の魅力の一つです。私が宿泊したのは本館2階にある「<山吹> 和室二間(お布団タイプ) 源泉かけ流し内湯」のお部屋。居間と寝室で2間に分かれていて、いずれも和室となっています。室内のあちこちに職人技を感じます。

柔らかな光が差し込む広縁には、花びらが舞っているような椅子が。昔からあったかのように馴染んでいて、景色を眺めてくつろいだり、お茶を飲んだりと心が落ち着くスペースでした。

居心地の良いお部屋には、おこもりしたくなるような飲み物や食べ物も用意されています。冷蔵庫の飲み物は全て無料で、アルコールの他にもリフレッシュドリンクやジュースなども用意されていました。ぐり茶やコーヒーなど温かい飲み物もいただけます。

バターの入ったどら焼き やおかきもあり、滞在中に美味しくいただきました。

掛け軸のかかった寝室には、最初から布団が敷かれていました。

オリジナルの布団は寝心地が抜群。布団に入ってすぐに眠りに落ちてしまったほど、良い睡眠を取ることができました。普段はなかなか寝付けないことが多いので、本当に驚き。

浴衣はオリジナルの柄で、2本の川がおちあう様子をモチーフにしています。滞在中は浴衣姿でレストランやラウンジを利用しても大丈夫。

外出用の巾着も用意されています。

ナイトウェアはセパレートタイプになっています。さわり心地が良く、リラックスすることができました。

木の香りに癒される内風呂は、肌なじみが良く、とろんとしていて好きなお湯です。24時間いつでも入れるので、ちょっとした空き時間に湯浴みを楽しみました。

バスアメニティはナチュラルビューティブランド「yayoi」のもの。

「KAGURE」というスキンケアコスメが置いてあり、植物の香りが爽やかでした。タオルは今治タオルのもので、歯ブラシなどは木でできているなど、サステナビリティにもこだわりを感じます。

眠雲亭の1階にある「<浮舟> 和洋室(ベッドタイプ)露天風呂付」も見学しました。

昼間は木々の緑を眺めながら、ゆったりとした時間を過ごせます。

お庭との距離が近く、庭園が好きな方にはぜひおすすめしたいお部屋です。

ベッドルームは洋室になっていて、上品な色合いのステンドグラスがレトロで素敵。

廊下は和風で、和洋折衷のお部屋になっています。

専用の掛け流し露天風呂が付いていて、人目を気にせずプライベートな温泉を楽しめると人気のお部屋。

ヘッドシャワー付の広々としたシャワーブースが別で用意されていて、ダブルベイシンのパウダールームもあり、ワンランク上の滞在をしたい方向けの造りになっていました。

伊豆の自然に囲まれた温泉とサウナで、日頃の疲れを癒やす

「おちあいろう」のお湯は天城湯ケ島温泉で、泉質はカルシウム・ナトリウム―硫酸塩泉。pH8.1のアルカリ性で、保湿効果が高く「美肌の湯」と名付けられています。
「月の湯」「天狗の湯」は時間帯による男女入替制。まずはサウナブームの仕掛け人・ととのえ親方として知られる松尾大氏監修の「茶室サウナ」がある「月の湯」へ。

木漏れ日がさすゆったりとした空間の内風呂は、広々としていて、開放感があります。

外に出ると、個性的な形のサウナに目を見張ることでしょう。

茶室をモチーフにした風情のある造りで“サウナシュラン”にもランクインしています。ガラス張りになっているので、目の前の自然を楽しみつつ、サウナの熱にじんわりと温まっていくのを感じられます。

サウナは水風呂・外気浴を併せて行うことが推奨されています。こちらの水風呂は川の水を含んでいるため、かなり温度が低いそう。

外気浴スペースに、サウナの指南書やミネラルウォーターも用意されています。

洞窟のような露天風呂が備わる「天狗の湯」では、野趣あふれる雰囲気の中で湯けむりに包まれながら温泉を楽しめます。

「天狗サウナ」は温泉が流れ込む造りになっています。狩野川の眺めや壁一面に敷き詰められたヒノキの香りを感じながらのサウナは非日常感たっぷり。

「月の湯」「天狗の湯」の入り口には湯上り処が用意されていて、生ビールや牛乳などをいただけます。

さらに体を整えたいなら完全予約制の「テントサウナ」を利用してみては。

狩野川の畔に立つ「テントサウナ」は75分間の貸切(17時~/翌日9時の2組限定)。テントサウナ用のセルフロウリュセットを始め、ヴィヒタ、アロマオイル、マッサージストーンも備わっていて、野趣あふれるサウナ浴を体験できます。

身体が火照った後は目の前の川に入ることもできるそうですが、他にも水風呂とお風呂、シャワーがあるので、何セットか繰り返すことができます。「おちあいろう」のサウナを目的に、宿を予約する方も多いそう。

貸切風呂の「星の湯」は、チェックイン後に予約が可能。

自然に抱かれた露天風呂では、渓流の音に耳を傾けながら、50分間のプライベートなひとときを過ごせます。

四季折々の旬の食材をプライベートな空間で満喫

温泉に入り、身体を緩めたところで夕食へ。食事は、個室・半個室の食事処でいただきます。

半個室は両側が壁で仕切られていて、周りの人の目を気にせずに食事ができるスペースになっています。

扉付の個室はよりプライベート感があり、家族連れやグループでの旅行でも安心。

今回は半個室にて食事をいただきました。食前酒として日本酒がふるまわれます。飲み物はワインボトルなど一部有料のものを除き、自由にいただくことができます。

素材本来の旨味を活かし丁寧に作り上げる料理は、季節の移ろいによって変わります。「手長海老 浜名湖海苔ジュレ」はプリプリとした手長海老の食感と海苔の風味が合わさり、格別の味。

お造りや天ぷらなど、苦みや香りから季節を感じる食材をいただいたのちに「高知産唐墨そば」を食します。黄金に輝く唐墨がコシのあるそばに絡まり、お酒のお供にぴったりの一品。

「金目鯛 鱗焼き」は、鱗のカリッとした食感と身の柔らかさが絶妙。

「静岡産牛フィレ 炭火焼き」。新鮮な山葵と塩でいただきました。

炊きたてが嬉しい「土鍋ごはん」。数々のご馳走をいただいた後でも、何杯も食べられる美味しさです。

まずは鰹節に山葵を載せ、お醤油を垂らして。

お代わりは桜海老の天ぷらをふりかけ、お茶漬け風に。さらっとしていてお腹も大満足!

食事処には「ステーキハウス」も併設されています。東京に2号店を構える鉄板焼きレストラン(曜日限定)では、地産地消にこだわった厳選高級食材を目の前の鉄板で華麗に焼き上げます。

伊豆の新鮮な野菜やブランド牛が持つ、食材そのものの美味しさを引き出した料理を焼きたてでいただけるのは、何とも贅沢ですね。

鳥のさえずりに目が覚めたところで、朝食をいただきます。
「旬野菜のお浸し」や「修善寺老舗豆腐やのがんもどき」、「沼津産釜揚げしらす」など地元の食材を贅沢に使用した朝ごはん。丁寧にお出汁が引かれている味で、身体にすっと馴染みます。お味噌汁の中には季節野菜がたっぷり入っていて、ボリューム満点。

「金目鯛の干物」と「青のりたたみいわし炙り」、「平飼い卵の出汁巻き」。干物は身がふっくらしていて、ご飯が進む味です。

古の職人技に魅了される「文化財ツアー」

チェックアウトは11時。ラウンジやお部屋でくつろぐのも良いですが、時間があればぜひ「文化財ツアー」に参加してみましょう。材料も入手困難となり、技術的にも再現が難しい有形文化財の職人技を巡る約30分のツアーで、10時と17時に開催されています。

「紫檀の間」の名前の由来となった床柱には紫檀という木が用いられています。とても大きく立派な床柱で、近づいてみると年輪がなく、模様は飾りで彫ってあるそう。柱一つとっても、贅を尽くした旅館であったことが分かることでしょう。

良質な建材をふんだんに使った贅沢な造りの建物に実際に泊まり、昭和初期のモダニズムの雰囲気を体験できる「おちあいろう」。美味しいお食事と心癒される温泉・サウナ、そして自由な時間を楽しみたい方におすすめしたい、日本文化の美しさが詰まった貴重な宿です。

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おちあいろう

静岡県/伊豆・天城湯ヶ島

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