静岡・伊豆熱川の「奈良偲の里 玉翠」は、3,000坪の庭園を持つ全13室の温泉宿。中でも、湯守りが管理する自家源泉掛け流しの湯が自慢です。今回は、一休コンシェルジュ編集部が宿を取材。趣がそれぞれ異なる客室と、温泉に対するこだわりについてご紹介します。
目 次
奥熱川に佇む、人里離れた13室の温泉宿

伊豆熱川駅から、車で約8分の場所に位置する「奈良偲の里 玉翠」。湯守りが日夜気温や気候、泉質などの状態を管理しているほど、温泉にひときわこだわりを持つ宿です。暖簾をくぐると、約3,000坪の庭園に茂る色とりどりの樹木が、四季の移ろいを感じさせてくれます。

宿に入ると、高級感がありながらも落ち着いた和の風情にほっとします。

チェックインやチェックアウトを行う広々としたロビー。抹茶と伊豆の銘菓をいただきながら、一息つきましょう。

ロビーの一角には売店があり、地元にちなんだ銘品を販売しています。

ぜひチェックしてほしいのが宿オリジナルのブランド「Yumoribito|ゆもりびと」。旅先だけでなく、日常でも温泉を身近に感じてもらうために作られたもので、宿内のアメニティとして使われています。バスアメニティやスキンケアコスメもあり、特に「ゆもりびと温泉ミスト」は100%奥熱川の自家源泉からの温泉で作られている、まさに“天然の化粧水”。

売店の一角では、女性用の色浴衣の貸出を無料で行っています。半幅帯も取り揃えており、浴衣と帯の組み合わせに迷ってしまいますね。無料で着付けもしていただけるそうです。

ラウンジの外には「水鏡(みかがみ)テラス」があります。水盤に映る庭園がまるで鏡のように煌めき、幻想的な光景を演出。水鏡テラスの水盤の中心には、樹齢200年~300年の檜の木の根が鎮座しています。「自性院」という地域の寺院が改修する際に、伐採した木の根を譲り受けたもの。夜には、木やテラスのライトアップを行っていて、よりロマンチックな雰囲気に。滞在の折に、ほっと一息つける空間です。
2024年にリニューアルされた客室で、プライベートな足湯とテラスに寛ぐ

広い敷地に、客室は全13室。さまざまなタイプがありますが、まずは2024年7月にリニューアルされた「令和6年改装【1階和洋特別室 足湯樹テラス】庭園一望 内風呂」をご紹介しましょう。

和風庭園の紅葉の木がテラス内からも楽しめるユニークなお部屋です。“自然を眺めるだけでなく、その身を中に”という宿のコンセプトを体現しているそう。約25平米のデッキテラスでは、木の真下でプライベートな森林浴もでき、スウィングチェアを設置。

デッキテラスにある足湯は源泉掛け流し。庭園を眺めながら足湯に浸かり、寛ぎの時間が過ごせます。


10畳の和室からは、テラス越しに庭園の自然を感じられ、開放的な風景を楽しめます。ソファー付きの広縁もあり、ゆったりとした空間。

寝室はツインベッド仕様になっており、いつでもごろんと横になれます。


ベッドサイドには富士山麓の檜から採りだしたスプレー式の「檜源水」や、アロマランプが置いてあり、睡眠時にリラックスする環境への配慮を感じます。

室内着は、作務衣や浴衣が用意されています。女性の方は、色浴衣の貸し出しも利用されてみてはいかがでしょうか。


お風呂は伊豆石を使った内風呂。「Yumoribito|ゆもりびと」のバスアメニティが用意されていました。
「温泉櫓(やぐら)」と「湯冷まし回廊」を客室で堪能

「奈良偲の里 玉翠」ならではの魅力が、複数の客室に「温泉櫓」と「湯冷まし回廊」が付いた浴室が備わっていること。

2023年に熱川温泉の湯守り文化が「世界ジオパーク」の無形文化遺産に登録されたことと、宿の創業110周年を記念して造られたもの。「温泉櫓」とは、熱川の温泉を管理するための建造物。本物は高さ20m、地下400mに配管が配されており、そのミニチュアサイズを湯船の上に設置しています。中でも「【和風庭園一望 2階和洋室 テラス付】源泉掛流し半露天風呂」の客室にあるのは、約100cmのサイズの「温泉櫓」でインパクトも十分。

落差と「温泉櫓」に付随する回廊により、温泉の温度を段階的に冷ませるよう、宿の湯守りが試行錯誤の末に設計したそうです。滑らかなお湯は適温に保たれ、質の高い源泉掛け流しを独り占めできます。ぜひ温泉好きの方に試してもらいたいものですね。

お風呂からテラスに出られるので、庭園を眺めながら湯冷ましするのも乙なもの。
山肌の四季を眺める露天風呂付大浴場で、源泉掛け流しの湯を満喫

自家源泉から湧出する、豊富な湯量が自慢の宿に泊まるなら、大浴場も見逃せません。今回は、男性専用大浴場「懐風」を見学させてもらいました。屋内大浴場は、伊豆青石を使用し、高級感があります。奥には寝湯が用意され、ついつい長居してしまいそう。

泉質はナトリウム-塩化物・硫酸塩温泉(低張性・弱アルカリ性・高温泉)。pH7.7でメタケイ酸の含有量が1キログラムあたり226.5ミリグラムと多く、美肌の湯といえるでしょう。内風呂ながら周辺の里山の四季折々の風景を楽しめる造りで、ゆったりと湯浴みを楽しみたいですね。


露天風呂は2種類あり、野趣に富んだ大岩露天風呂は開放的な雰囲気。風に吹かれる木々の音や、自然の匂いを間近に感じることができます。奥には檜の露天風呂があり、晴れた夜には、満天の星に出会えることも。

湯上りには100%伊豆産の「大木乳業」が作る「みるく屋の珈琲ミルク」を自由にいただけます。濃厚でリッチな味わいにコーヒーのほろ苦さが混ざり合い、とても美味しかったです。

また、庭園内にある貸切露天風呂「月ヶ瀬」「帯解」は、1部屋につき50分間無料で利用可能(チェックイン時に予約)。

竹林に囲まれた露天風呂は広々としていて、まるで大浴場のよう。夜はライトアップされ、幻想的な表情に変化します。
2つの異なる庭園を散策し、自然を愛でる豊かな滞在を

宿には2つの趣が異なる庭園があり、滞在中に散策してみたいもの。和風庭園「葉ごろも(はごろも)」は、木々や花々、苔に至るまで数多くの植物が植えられています。季節によって風景を変えるため、いつ訪れても新鮮な景色に心が癒されることでしょう。

竹の原生林やケヤキなど大樹の森の中に佇む竹林庭園「光だまり(ひだまり)」は、紫陽花、紅葉などの植物が根付いています。庭園の中にある「こもれびテラス」では、竹林の奥に流れる川のせせらぎと大樹の木漏れ日を感じる休憩スペース。

約200メートルの竹林の小径には、七福神が点在しているので、七福神巡りをしてみるのも良いですね。夜には竹林庭園がライトアップされ、昼とは異なる華やかさに包まれます。

庭園の先には「温泉神社」が建立されています。稲荷大明神を祀っており、庭園の散策時にお参りしてみてはいかがでしょうか。
伊豆ならではの山海の美味に舌鼓

お食事は、館内の個室料亭「佳頁楽」にていただきます。テーブルと椅子が備わる個室風お食事処は柔らかな暖色の照明で、落ち着いた雰囲気。開業時から料理長兼「玉翠」が運営する複数の施設の総料理長を務める三川三郎氏は“目と舌で楽しめる料理”の探求に勤しみ、一期一会の華やかな味覚を提供します。

宿の名物は前菜の「噴湯盛り~紡~」。料理の中でも温泉地らしさを感じられるよう「噴湯盛り」の提供を始めたのだとか。溢れ出る湯けむりは、温泉文化を継承するという気持ちの表れ。見た目の斬新さもあり、ゲストにも好評です。

「馳走の極み会席」では、メイン料理として「金目鯛のしゃぶしゃぶ」または「国産牛の溶岩焼き」のどちらかを選択可能。新鮮な海の幸や、伊豆の旬の食材を思う存分味わえる、洗練された美味の数々を心ゆくまで堪能してみては。
伊豆熱川の地で、日本ならではの伝統文化である温泉を心の底から満喫できる「奈良偲の里 玉翠」。湯量豊富だからこそ可能な自家源泉掛流しの湯に浸かれば、日頃の疲れもいつしか癒されることでしょう。13室の小宿だからこそ叶う、心を潤す滞在をしてみませんか。
奥熱川 庭園と竹の湯宿 奈良偲の里 玉翠
静岡県/伊豆・熱川温泉












