若狭の海産物を京都や大阪へ運んだ「九里半街道」の宿場町として栄えた今津。その今津でも1番の店構えを誇ったという築140年以上の旅籠「福田屋」が、数々の改修を経て、2020年に“令和の新旅籠”として蘇りました。
立地するのは、琵琶湖の際の際。本当は湖ではなく、海なのではないかと疑ってしまうほど広大な湖面に、手を伸ばせば触れられそうな場所です。
目 次
改修により、1日1組限定の一棟貸しの宿へ

蘇った宿の名は、前と同様「福田屋」。ただし以前とは形態を変え、広さ約130平米の建物をまるごと利用できる一棟貸しの宿となりました。

特筆すべきは、昔も今も変わらない、ロケーションの良さでしょう。昔で言えば、九里半街道と琵琶湖の湖上交通を結ぶ要所として、今で言えば、琵琶湖を眺めて過ごす特等席として。だから当然、館内のどこからでも琵琶湖を一望。陽に照らされたり、風に波打ったり、湖と空が混ざり合ったり。次々と姿を変える湖の風景を常に感じながら、豊かな時間が過ごせます。
館内のどこからでも琵琶湖を一望

玄関の引き戸を開けると見えてくる、釜戸と囲炉裏の間。小屋組を現しにした高い天井が風情満点で、一気に時代を遡ったような気分にさせられます。

この囲炉裏、単なる飾りではなく、実際に調理にも利用されており、料理を作る人とそれをいただく人双方が、火をはさんで交流できる場となっています。


同じく1階には、レイクビューが楽しめるダイニングもあります。大きなテーブルを中央に据えただけのシンプルな造りですが、だからこそ、湖の眺めが一幅の絵のように引き立つから不思議。それは湖側を一面のガラスとした浴室も2階の寝室も同様で、どこにいてもすぐそばに琵琶湖が!特に目覚めと共に眺める朝の琵琶湖は、鳥の声やさざなみと混ざり合って、格別な幸福感をもたらしてくれます。
ゲストの好みに合わせた「湖水料理」

食事も魅力。1日1組限定の宿だからこそ、ゲストの好みやリクエストに合わせて料理を作ってくれるのだとか。
メインとなるのは、宿のご主人が地元の農家や漁師から仕入れた新鮮な野菜や近江牛、琵琶湖で獲れた湖水魚などを用いた和食ベースのコース料理です。


たとえば春なら、山菜や筍。初夏なら、旬の鮎。清々しい香りを放つ鮎を、先ほどご紹介した囲炉裏で塩焼きにしてもらえます。パリッと焼けた香ばしい皮やふっくらとした身の甘さに、きっと虜になってしまいますよ。


秋は新米、きのこ、猪や天然うなぎ。10〜3月に提供している真鴨もぜひ試してもらいたい近江の味。天然の真鴨も囲炉裏にかけた鍋と炭火焼で味わえます。

朝ごはんは、滋味豊かな和食。ぷるぷるふわふわの卵焼きにはファンも多いと聞きます。
積み重なった歴史と琵琶湖の魅力を再認識

旧街道を行き来する旅人たちの休息場所として賑わった旅籠は、長い時を経て、そこを訪ねること自体が旅の目的になる新旅籠へ。1日1組限定の宿だからこそ、何をして過ごしても、あるいは何もせず過ごしても、すぐそこに琵琶湖があるというだけで贅沢な時を満喫することができるでしょう。

最寄駅はJR近江今津駅。宿場町の歴史と琵琶湖の大きな存在感を肌で感じられる新旅籠へ、ぜひ出かけてみませんか。
福田屋
滋賀県/高島市












