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半世紀を駆け抜けたバーテンダーが紡ぎだす、至福のカクテル
インタビュー

半世紀を駆け抜けたバーテンダーが紡ぎだす、至福のカクテル 東京ステーションホテル(東京都/東京駅丸の内南口直結)

2012年に大改装し、リニューアルオープンをした「東京ステーションホテル」。
ヨーロピアンクラシックを基調としたバー「オーク」の名物マスターバーテンダーである杉本壽氏に、ご自身のバーテンダー人生を振り返りながら、魅力溢れるカクテル作りの秘訣をお伺いしました。

バーテンダーになったきっかけ

―「東京ステーションホテル」には、どのような経緯で入社されたのでしょうか。

御殿場線沿線の生まれだったので、周囲の人はほとんどが国鉄マンでした。
そんな時に箱根の「富士屋ホテル」で働いていたお隣の方が「東京ステーションホテル」に行くことになり、ぜひ一緒にと誘われたんです。食事付きで、夏は暑くない、冬は寒くない!これは理想的な職場と思ってお世話になることを決めました。

入社当初はコーヒーショップにカウンターボーイとして配属され、パフェやフルーツポンチ、プリンアラモードを作ったり、ビールやソフトドリンクを出したりしていました。
しばらくしてバーにいたバーテンダーが退職することになったタイミングで「やってみないか」と声を掛けられ、入社の翌年からバーテンダーに配属となりました。

―1964年ニューヨーク万博のワールドフェア参加のため1年間ニューヨークに滞在された時の印象深い思い出はありますか。

ニューヨークのバーはバーテンダーが“街の顔”のような存在で、みんな60歳以上でした。
同じ飲食業の中でもバーテンダーが一番力を持って堂々としているのを見て、自分もこういう風な存在にならなくてはいけないと思いました。

ニューヨークのお客様からは、とにかくマティーニをドライに作ってくれと言われました。ジンの味はこうだ、水を入れたような薄い味のマティーニを作るなと。
通常のマティーニはステアで作るショートスタイルのカクテルでしたが、求められた際にはシェイクでも作りました。
最初は戸惑いましたが、基本的に材料があればお客様の注文に応えてどんなお酒でも作りました。

帰国してから特に意識したのは、お客様に楽しんでもらえるよう努める事。
そのためには、自分が楽しんで仕事をしていないと、お客様を楽しませる事はできないですから。またお客様が楽しんでくだされば自分も楽しくなりますから、今も楽しく仕事をさせてもらっています。

―お客様からはどのようなお酒のオーダーが多いのでしょうか。

ウイスキーでもカクテルでも、自分の好きなお酒が決まっている方が多いです。
何度か来ていただけるとその方の好みも覚えられるので、座ってすぐにお酒を出して差し上げると、よく分かっているなと思っていただけます。

重厚感溢れる雰囲気を楽しむバー「オーク」の楽しみ方

―バー「オーク」の魅力を教えてください。

JR東京駅直結というアクセスの良さがありつつ、隠れ家のような設えなので、ゆっくりとお酒を味わっていただけます。

駅舎の保存エリアでもあるので、創建当時の赤レンガを一部そのままむき出しにしている箇所もあります。
赤レンガには配管や漆喰の跡が残っていて、一つ一つ顔色の違う模様になっているので、じっくり見てみてください。カウンターなどにはオークの木材を使い、調和を持たせています。

場所柄、“旅”をテーマにした内装を施してあるので、テーブル席にはヨーロッパから取り寄せたスーツケース型のテーブルを使っており、引き出しの中には旅にまつわる書籍が収められています。

ホテルのバーはビルの上層階に位置している事が多いですが、バー「オーク」は丸の内の街並みを横からゆったりと眺めることができます。開店直後にお越しいただければ、夕焼けが夜景に変わっていくのを見ながらお酒を飲む事ができます。

定期的に様々なウイスキーのプロモーションや飲み比べの企画を催しており、趣向を凝らしたものになっているので併せて楽しんでいただきたいです。
これからの季節に合わせて、現在ハイボールのプロモーションを開催中です。

富士山を模したグラスなども用意しており、ロックスタイルでお酒を楽しんでもらうと綺麗に見えます。日本のお客様はもちろん海外のお客様からも人気があります。

東京ステーションホテルならではのカクテル

―ホテルのシグネチャーカクテル「東京駅」の味の特徴を教えてください。

「東京駅」は最も人気の高いオリジナルカクテル

シグネチャーカクテル「東京駅」は、東京駅開業75周年を記念して創作したカクテル
です。「Tanqueray」というジンと「Suze」というハーブのリキュールとグレナデンシロップをシェイクして作るショートスタイルのカクテルで、Tanquerayの「T(Tokyo)」とSuzeの「S(Station)」とで東京駅という意味合いを持っています。

内装の赤レンガ色と同じ穏やかな暖色、爽やかなジンの味わいに対して、グレナデンシロップの甘酸っぱさとハーブリキュールの苦味のバランスが魅力です。甘すぎず苦すぎず、飲み終わりまで腰の砕けない上品な味を楽しめる。
半分くらいまで飲んだら、フレッシュライムを絞ってみてください。
ライムのみずみずしい香りで、清涼感とシャープさが増します。電車の上り下りのように、フレッシュライムを使ってカクテルの旅の行きと帰りをそれぞれに楽しんでもらいたいです。

―杉本様のマティーニの味の特徴を教えてください。

ジンは「Tanqueray」、ベルモットは「NOILLY PRAT」をステアして作ります。「Tanqueray」自体はどちらかと言えば軽やかで飲みやすいジンですが、マティーニはどっしりと重く、水下に沈み込んでくるような味わいに仕上げます。

―プライベートでバーに行かれた時は、どんな楽しみ方をされますか。

最初はジントニックから飲み始めて、それからマティーニやウイスキーを頼んでいくことが多いです。

街の中にあるカウンターが中心のバーや、知り合いのバーによく行きます。どちらかと言えば、こぢんまりとしたカウンターのあるバーが好みです。お酒はあまり強くないですが、お酒を嗜むのは個人的にも好きです。
何軒も回らずに一軒でゆっくり過ごす事が多いです。

「語るようなことは特にないですよ」と笑いながら仰っていたのですが、質問を向けると経験されてきた事や感じてきた事を一つ一つ丁寧に話してくださいました。

バーの情報が少なかった昭和の時代から、足で情報を集め、先輩の振る舞いから学び、半世紀以上に渡って獲得してきた接客や技術の妙は体に深く刻み込まれており、杉本氏ご自身の体が自然に淀みなく動かれている様に感銘を受けました。
お話を聞いていると時おり、少年のような笑顔がこぼれるのが印象的でした。

「自分は楽しんで仕事をさせてもらっているんです」という杉本氏。
休みの日にはバーに赴き、お酒とパイプを嗜み、休暇中には海外旅行にも精力的に行かれると伺い、そのバイタリティーに驚かされます。

“よく働き、よく遊ぶ”ということをまさに体現している杉本氏のお酒と会話を楽しむのは本当に至福の時間で、これがバー「オーク」の魅力なのだなと改めて感じました。

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杉本壽
1940年生まれ。
1958年東京ステーションホテルへ入社後、翌年、東京ステーションホテル「バー」(後のバー「カメリア」)に配属。
以来47年以上バー「 カメリア」でバーテンダーとして多くのお客様と接する。
東京ステーションホテル休館後は、グループホテルの「ホテルメトロポリタン丸の内」のバーカウンターに。多くのお客様の要望を受け、2012年10月にふたたび東京ステーションホテルのバーカウンターに戻り(バー「オーク」)、現在に至る。
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東京ステーションホテル

東京ステーションホテル

東京都/東京駅丸の内南口直結

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