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ルレ・エ・シャトーの「豊かな食」と「おもてなし」の魅力
インタビュー

ルレ・エ・シャトーの「豊かな食」と「おもてなし」の魅力

世界62ヶ国、約560軒の高級ホテルや一流レストランが加盟する「ルレ・エ・シャトー」。厳しい審査をクリアした施設のみの協会として有名です。今回、ルレ・エ・シャトー 日本・韓国地区 ディレクターの神谷由紀子様に、厳選された食や宿の魅力についてお伺いしました。(インタビュー会場はルレ・エ・シャトー加盟レストランである「ドミニク・ブシェ トーキョー」様を利用させていただきました。)

『ルレ・エ・シャトー』の魅力

– まずは「ルレ・エ・シャトー」についてご紹介いただけますでしょうか。

「ルレ」はバトンのリレー、「シャトー」はお城・お屋敷・お宿等という意味で、最初はフランスで8軒のオーナーから始まった組織でした。 1軒ではできない事を皆で協力・共有をし合えるパートナーシップを結び、1954年に創設した「レ・ルレ・ド・カンパーニュ(田舎の宿)」からスタート。現在は世界560軒の厳格な審査をクリアしたオーナーが集まり、同じ悩みや喜びを持つ同士の意見交換を通じ、「食とおもてなし」のリーダーとして新たなチャレンジをしています。

– ルレ・エ・シャトーの「こだわり」を信頼して訪れる方も多いと伺っています。

私たちは「設え」が良いだけでなく「食」が美味しくないと入れない組織。食に関してはお客様から一番信頼を得ています。
食材には地元食材を積極的に採用し、地元生産者と共に成長し、食の将来の為、またお客様へもそこにしかない味・食材を楽しんでいただけるよう日本も含む、世界中の加盟メンバーで取り組んでおります。
同時に「本物であること」。お客様は旅をされているプロでいらっしゃり、建物や設え以外の無形のもの: サービス、雰囲気づくりなどにもお客様に添えられるよう推奨しております。
よく加盟メンバーが「豪華ホテル」「豪華旅館」とされがちですが、豪華・ラグジュアリーの意味が普通の意味とは異なり、「そこでしか体験できないこと」がラグジュアリーだと捉えています。その違いも楽しんでほしいですね。

国内の「ルレ・エ・シャトー」の魅力

– 現在日本に11の宿泊施設、9のレストランがございますね。

やはり「個性」が魅力。日本の加盟メンバーはそれぞれストーリーがあって、オーナーの息吹が強く感じられます。匠の技術が至る所で垣間見れたり、日本建築の素晴らしさ、オーナーならではのアイデアでお部屋を設えたり、アートや配置してある小物にも意味があり楽しませてくれます。本日の撮影場所の「ドミニク・ブシェトーキョー」ではパリのアパルトマンのコンセプトで、ドミニクシェフの写真が飾ってある所も私は大好きです。オーナーの想いがどこかに感じられることが個性になり、家に招かれたような気分になります。
私共が加盟メンバーへ行うスタッフトレーニングでも、「どうしてこの旅館ができたのか」「どうして長い歴史があるのか」というストーリーをお客様へ説明すると、滞在も全然違いますよ、と伝えています。お客様と地域と「SHARING(共有)」もルレ・エ・シャトーでは大切にしているバリューのひとつです。

– 「体験型消費」に対するトレンドを感じる昨今ですが、昔からそういったことをされていたのですね。

今では世界中で「エクスペリエンス」と言われますが、トレンドやファッションではなく、ルレ・エ・シャトー加盟メンバーは昔から当たり前のように行ってきたものです。流行ではなく、地域との共存の理念があり、地域の歴史、文化、環境を「語り継いでいく」ことに重きを置いています。そして地元に根差してきた加盟メンバー達の日々の努力があるからこそ、地元の方々のご協力の下、お客様へもご案内できるエクスペリエンスであったり、館内のものもあります。

‐国内各地に施設がありますが、改めて気づいた日本の魅力はありますか?

扉温泉 明神館

やっぱり、「日本は美しい」ですね。寒いところから暖かいところまで地域によって異なり、四季も鮮やかにある国というのは、他にはなかなかないでしょう。加えて、「空気が美味しい」、「水が綺麗」、「安心・安全」。扉を開けていても誰かが入ってこない、仲居さんが勝手にお部屋に入ってきても何の心配もない。日本では「当たり前」なことが素晴らしいです。
「おもてなし」でいうと、オーナー同士の仲の良さから生まれる心配りも。私共も「ラ・ルート・デュ・ボヌール(幸福の道)」を作ってWEBサイトの中で展開しています。関東圏では坂本龍一さんにアンバサダーになっていただきました。東京から「別邸 仙寿庵」⇒「扉温泉 明神館」に行って、富士山まで下りてきて「強羅花壇」⇒「あさば」に行って戻る、という。

‐なんとも贅沢な旅ですね!
先日開催された、札幌のフレンチの名店「レストラン モリエール」と「別邸 仙寿庵」のコラボイベントが話題でしたが、前々から計画されていたのですか?

別邸 仙寿庵

このイベントは昨年に続き2度目で、最初は遊びで言っていたお話が実現したんです。昨年は、モリエールの中道シェフと今シェフ率いるチームが札幌から群馬に夜中に着いて夜通し仕込みをされ、当日を迎えた弾丸企画でした。旅館とのコラボレーションは初めてで、お客様や別邸 仙寿庵との交流もあり、シェフ達自身も楽しめたイベントで、ルレ・エ・シャトーだからこそのものでした。別邸 仙寿庵さんも、地元の方々にルレ・エ・シャトーを紹介したいと言ってくださって。「今年もやろう!」とお話をいただきました。なかなかない機会ですよね。

イベント後の両メンバースタッフの集合写真

旅館・ホテル・レストランのシェフ同士が学ぶ機会を作り共有し、お客様にも楽しんでいただければと思っています。そのうち、シェフからも「このメンバーとイベントをしたい」とリクエストをいただくようになりました。
お客様側も、エキストラ(特別)経験や体験を求めているように感じます。スペシャルメニューや、その土地を知るきっかけとなる体験。シェフとの会話や写真を撮影、試作の試食という触れ合いが嬉しかったという声を聞きます。コアにある欲求は、「美味しかった」「楽しかった」「また行きたい」となる、エモーショナルな体験ではないでしょうか。

‐旅館・ホテル×レストランという、異業種とのコラボレーションはとても斬新ですね。

私たちはパートナーとして、シャンパンメーカーや自動車メーカーともコラボしています。ターゲット層やブランディングが近しいので、ブランドや商品紹介のコラボレーションも多いです。
日本では昨年から日本酒の「福光屋」にグローバルパートナーになっていただいています。やっぱり嬉しかったですね!私たちが和食でシャンパンを飲むように、海外でも普及していますので。世界中でお酒をいただくようになって、ワインリストに「Sake」と入ることも。
日本酒を入れたいと思っているレストランが、どうしたらいいかわからないと困っても、一人でできないことをみんなでやっていく。世界の方に日本の商品を知っていただくことも私共の役目だと思っています。

旅する上で求められる「おもてなし」とは

‐一休.comでは「こころに贅沢させよう」をキーワードとしています。ルレ・エ・シャトーならではの「こころの贅沢」とは何でしょうか。

あさば

心を解放してくれるというか、自由にさせてくれることでしょうか。特に旅館で、本当にすべてをリラックスさせてくれる瞬間ですね。
「あさば」は客室にいてもラウンジにいても、空気のような心地良さが自然と一体となり、一息をつかせてくれる間があります。「強羅花壇」では、ロビーから月見台へ続く柱廊があり、お客様が廊下先、あるいはカフェなどで自由に歩ける場を作られていて、「扉温泉 明神館」は寝湯や立ち湯など、素敵なお風呂のチョイス。そういったものも滞在をより楽しませてくれます。「こころをも解き放してくれる佇まいとスペース」に旅館の魅力がありますね。
オーベルジュの「神戸北野ホテル」は、家にいるような感じ。シェフのトークが面白いので、食事をしに行くと関西弁でギャグも言ってくださって、つい笑顔になって。
解放された瞬間を過ごすのが、自分をリセットしたり疲れを癒したりしてくれるのではないでしょうか。そして、日本のお客様には是非2泊していただきたいです。どうしても1泊滞在が主流ですが、2泊されるともっと余裕のある「こころの贅沢」にもなると思います。

‐ルレ・エ・シャトーの今後のミッションについてお教えください。

今、特に大事にしているのが「4つの価値」です。
まず「地域との共存」。地域の歴史・環境・文化理解し、共存する。地元食材の使用や、伝統芸能・工芸の紹介などを通じ国内外の皆様にお伝えしています。
次に「人間性」。その地域の文化やライフスタイル、そしてその土地に住む人々を尊重する。
続いて「共有」。オーナーの情熱を、スタッフやお客様と共有する。
そして、「コミットメント」。ルレ・エ・シャトーメンバーは食とホスピタリティの将来に更に貢献する。
これら4つの価値は、2014年に発足60周年を迎えた際、パリのユネスコ本部で全世界のメンバーと共に世界へ宣言した「食とおもてなしによる、よりよい世界」に基づく20のコミットメントです。審査をクリアした有名シェフやホテルが集まるだけの組織ではなく、地域、次世代や、食とホスピタリティに携わる人の貢献を目指し、実施しています。

‐「食でより良い世界を」というのはとても深いテーマですね。

現在副会長を務めている「オリヴィエ・ロランジェ(世界で初めて3つ星を返上した事でも有名なシェフ)」が提唱したことです。経営者かつシェフとして知恵や技術を若い世代に教え、長く業界に携わるプロフェッショナルを育成しようと。
併せて、ルレ60周年を機に今まで象徴でもあった「グランシェフ」という言葉を撤廃しました。「シェフ一人が有名なスターシェフの施設」ではなく、スタッフや生産者、地域の「皆」がチームであることの表明です。そして地元の生産者を守ること。土地ごとに違う風土や食文化を、地元の生産者と共存し、お客様へ共有するレストラン・ホテル・旅館づくりを目指しています。

今ミッションとして感じるのは、世界基準の提示です。日本にはホテルのランキングがないので、「国際水準」のレベルが明確ではない点があります。特に旅館は、どの施設が世界基準なのか不明瞭という声があります。そういう点では旅館もオーベルジュも料亭も、国際基準として認定された証になります。ルレ・エ・シャトー内で切磋琢磨できますし、世界大会での意見交換で得た知識は彼らのパワーになり新たなチャレンジにつながります。
ルレ・エ・シャトーを通じて世界への門が広がる。世界中を旅されるお客様が来ることで人の流れも変わります。土地に対する貢献など、先を見据えた活動ができるツールになれたらと思っています。

「あの宿に行きたいから旅に出る」という目的型滞在が発展していく、という予兆に加え、「オリジナルな滞在」に挑戦されている宿が多いことも新たな発見でした。あなたも次のお休みには、自分らしい滞在ができる、特別なおもてなしを味わいに訪れてみませんか?

一休.comで予約可能なルレ・エ・シャトー加盟宿泊施設一覧
あさば(静岡県/伊豆修善寺)
強羅花壇(神奈川県/箱根)
扉温泉 明神館(長野県/松本)
別邸 仙寿庵(群馬県/谷川温泉)
べにや無何有(石川県/加賀)
西村屋本館(兵庫県/城崎温泉)
神戸北野ホテル(兵庫県/神戸)
ジ・ウザテラス ビーチクラブヴィラズ(沖縄県/読谷)

◆2018年より、ルレ・エ・シャトー加盟の宿の女将・総支配人にそれぞれの施設の魅力を取材する記事を配信する予定です。

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神谷由紀子さん
ルレ・エ・シャトー日本・韓国事務局ディレクター
ホスピタリティ業界にて約20年。国内外ホテルブランドにて経験を積み、日本初のイベントを幾つか企画・運営経験あり。ラグジュアリートラベルマーケットに携わり10年になる。2012年より、ルレ・エ・シャトー日本オフィス 日本・韓国地区 ディレクターとして着任、現在に至る。趣味は旅行。
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