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富山の人気オーベルジュにインタビュー!地域の魅力を食事+αで満喫する3組限定のおもてなし
インタビュー

富山の人気オーベルジュにインタビュー!地域の魅力を食事+αで満喫する3組限定のおもてなし

「露天風呂付客室」や「プライベートプール」など、旅好きな一休.comユーザーからの人気が高いキーワードは色々ありますが、ここ最近特に人気が高まっているのが「オーベルジュ」。
今回は、一休.comユーザーからも人気が高い「里山のオーベルジュ 薪の音」のオーナー・山本誠一氏にZoomインタビューを実施。山本氏が考えるオーベルジュの魅力から、料理へのこだわり、これからに向けての目標など、多岐にわたってお話しいただきました。

「里山のオーベルジュ 薪の音」誕生のきっかけ

-先ずは、山本様がこの地でオーベルジュをやろうと思われたきっかけを教えてください。

すごく明快で、ここは私が生まれた場所なんです。私の家は地域で100年以上続く農家で、私自身は地元の役所に勤めながら、兼業で農業もやっていました。
自分の家の、さらに自分の部屋から眺める里山のこの景色が大好きだったので「これを独り占めしてはいけない」、都会の方にもこの景色や里山を満喫してもらいたいという想いから、自分の家の敷地でオーベルジュを始めました。

-「オーベルジュ」というスタイルにしたのは何故だったのでしょうか?

最初は、農家レストランというもので始めるか、宿泊施設も付けるかということで迷いました。ここを始める前に役所で働いていたときに全国各地に行って、色々な方とお知り合いになる機会があった中で、都会の方にこの良さを理解していただくには、食事だけではダメだと。宿泊機能を付けたオーベルジュが最適だと思い、オーベルジュになりました。

-時間をかけてこの場所を楽しんでもらいたいという想いがあったのですね。

そうですね。食事だけ食べて帰るとなると、コミュニケーションをする時間が短くなってしまいます。昼も夜も朝も全てを体験していただくことで、宿泊してこそ分かる地域の魅力が伝わるのではないかと思いました。

-山本様は宿泊業界のご経験が無いところから「里山のオーベルジュ 薪の音」を始められた訳ですが、空間やおもてなしの面で参考にされたものはあったのでしょうか?

ひとつは、役所の仕事のときに地元に第3セクターのホテルをゼロから担当させていただいたことがありました。建設やスタッフの確保、運営まで全部関わっていたので、ある意味、ホテルを立ち上げから全て経験させていただきました。

さらにその原点にあるのは「由布院 玉の湯」さんや「亀の井別荘」さん「山荘 無量塔」さんなど、九州の湯布院の皆さんです。まちづくりをきっかけに交流が始まって、今も仲良くさせていただいています。皆さん方がやっていることが本当に素晴らしいので、自分が宿を始めるならそれを盗もうと思ったんです。
なかでも「山荘 無量塔」の藤林さんは本当に素晴らしい先輩で、宿泊施設を運営するための数字のデータから、宿をやる上で大事にしなければいけないことまで、ゼロから惜しみなく教えてくださいました。

-藤林様から教わったことの中で、山本様の心に一番刺さった言葉がありましたら教えてください。

「規模の大小ではなくて、小さくてもいいからキラリと光って、全国、全世界に出しても通用するものを目指しなさい」ということです。小さいから、田舎にあるからといって「このくらいでいいや」という妥協は決してせずに、どこにあってでも小さくても、トップレベルを目指さないとダメだと。それは本当に、頭にガーンときましたね。
その言葉を聞いてから、絶対に一流のものを作らなければと思いましたし、先ず自分が一流にならなければ絶対にそれはできないと思いました。小さいからこそできることを極めようと色々なことを勉強して、今でもまだ実現できていませんけど、常にそういう想いはあります。

「里山のオーベルジュ 薪の音」が届けたいオーベルジュの魅力

-オーベルジュは一般的に「宿泊施設があるレストラン」と言われていますが、山本様が「オーベルジュ」を一言で説明するとしたら何でしょうか?

私の中のオーベルジュは、すごく規模が小さなものです。そこで働いている人間とお客様とが接点をしっかりと持って、食事だけでなく、地域の色々なことも、直接お客様に伝えることができる。そういうアットホームな関係ができる、つまり、食材や自然景観の魅力プラス、人の魅力も伝えられるのがオーベルジュだと思っています。

-「アットホームな関係」というのは素敵ですね。お客様からのクチコミでもオーナーや女将さん達のおもてなしが心地良いと絶賛されているのを拝見しました!

今はうちの娘がメインでお客様の対応をさせていただいていますが、素朴な感じで、それが里山の雰囲気に合っているんだと思います。私達は田舎の人なので、言葉がちょっと訛っているのも、お客様にはアットホームというか、和んでいただけているようです。

-「里山のオーベルジュ 薪の音」の特徴や、オーベルジュとして大切にしていることを教えてください。

私自身が昔から農家をしていたので、自家菜園が周りにあります。全部ではありませんが、自分が作ったお米や野菜を、直接お客様に提供できるのが一番の特徴だと思います。
それをどうしたらお客様に喜んでもらえるかというところで、夜はフレンチベースですが、薪を使ってかまどで炊いたご飯が一番美味しいので、朝食は和食をお出ししています。自分で作ったコシヒカリを、どう美味しくお客様に食べていただけるのかというのは、まさに手ぐすねを引いて待っているという感じですよね。(笑)
奥さんか娘が毎朝炊いているんですけど、ひとつの大きなセールスポイントとして、大事にしています。

-東京を始め、都心からのお客様も多いかと思いますが、何を求めて「里山のオーベルジュ 薪の音」にいらっしゃると思われますか?

ポイントはいくつかあると思いますが、第一番は、やっぱり食べることです。
お客様の滞在の目的の中で、絶対的に大きなものが“食べること”なので、私達は四季折々に違う食材や、違うものでおもてなしをしています。そうすることで「来てよかった」と思っていただけて、そこから「季節を変えてもう1回食べに行きたい」となる。その繰り返しでリピーターになってくださっているお客様が本当にたくさんいらっしゃいます。

もうひとつは、自然豊かな立地環境ですね。例えばちょうど今の季節は、食後に近くの小川へ散歩に行くと、自然の蛍を見ることができます。うちの集落では米作りを共同でやっていて、農薬をできるだけ使わない有機農業の取り組みを昔から進めてきているので、完全に蛍が復活しているんです。
そういった自然の光景を肉眼で見て、さらに実際に触れることで、通常の宿泊を超えた感動があると思います。実際に、いい大人の方でも「わー!」と声を出して喜ばれますからね。

「里山のオーベルジュ 薪の音」の料理の特徴とこだわり

-「里山のオーベルジュ 薪の音」の料理のキーワードとして「里山フレンチ」という表現をされていますが、どのような特徴があるのでしょうか?

必要以上にこねくり回さずに、シンプルに素材の良いところを引き出すことをメインの考え方にしています。
もちろん、フレンチの基本となる出汁などはしっかりベースにありますけども、せっかく里山という場所で、いい環境の中で育ったいい素材が入ってくるので、なるべくそのままの美味しさを提供する。魚介もいいものが入ってきますから、ソースとかに頼らず、シンプルに召し上がっていただくことを大事にしています。

-食材に関しては地産地消にこだわっていらっしゃるのですね。

そうですね。自家菜園では、トマト類や豆類、イモ類、ちょっと珍しいもので加賀野菜など、十数種類と、ハーブ類です。うちは全3室で、通常の料理に使う野菜はたくさんの量は要らないので、色々なものを少しずつ作っています。
それだけでは全部をまかなうことができないので、ファーマーズマーケットなどに提供される地元の方々が作った野菜も優先的に回してもらうなど、いいものを提供していただける環境ができています。

-あるインタビュー記事で「料理人探しには、かなりの時間と手間をかけた」とお話しされていたのを拝見しました。鵜野宏嘉シェフとは、どのように出会われたのでしょうか?

シェフとの出会いは、巡り合わせですね。オープン当初は、オーベルジュが成功するかどうかはいい料理人を探せるかどうかに尽きると思っていたので、色々なレストランに食べに行ったり、ネットワークを駆使したり、かなりの時間をかけました。
そんな中で、金沢市のフレンチレストラン「シェ・ヌゥ」を訪れたときに、コース料理の一皿目に出てきた、野菜と魚介を軽く燻製にした料理を食べて「これだ!」と思いました。燻製の香りから里山の雰囲気が感じられたんです。
そこから初代のシェフは「シェ・ヌゥ」のオーナーさんからご紹介いただきました。そのシェフが独立することになり、次のシェフを探していたときに「シェ・ヌゥ」で修業をしていた鵜野シェフが「薪の音で働きたい」と言ってくれたんです。
鵜野シェフは「薪の音」の近くにある農家の三男坊で地元のこともよく知っているので、それだったらと。当時の鵜野シェフは和食の経験が無かったので、先ずは金沢の老舗料亭で和食の勉強をしてきてもらい、そこからもう10年以上頑張ってくれています。

-料理のメニューはどのように考えていらっしゃるのでしょうか?

季節が変わる毎に食材を変えながらシェフがメニューを考えていますが、お客様の数がそんなに多くないので、臨機応変にやらせていただいています。リピーターのお客様も多くて、つい2週間ほど前に来られたお客様がまた来られるということもあるので、そのときに同じ料理を出す訳にいかないですからね。

-スペシャリテ「干し柿のアイスクリーム」はどのような経緯で誕生したのでしょうか?

実はここ城端は「富山干し柿」という、日本の中でも有数の干し柿の産地です。
鵜野シェフは、そのど真ん中の出身で、昔から干し柿に対する愛着とか強い想いがあったそうです。生産者の高齢化が進んでいて、干し柿の将来が危ないという危機感を持っていたことから、もっと色々な使い方ができないかと試行錯誤をしてきました。
料理やスイーツのレシピを色々試す中で、ラム酒に漬けた干し柿をキャラメルのアイスに混ぜたものを、宿泊のお客様の食後のデザートに提供してみたところ「食べたことが無い味で、すごく美味しい!」と言っていただけて、お土産に買って帰りたいという声も多かったので、今では一般販売もしています。
その後、全国の特産品のコンクール「国民地場もん大賞」に出品をしてみたところ、2011年には銅賞、2013年には審査員特別賞をいただくこともできて、干し柿をもっと活性化していきたいというシェフの熱い想いからここまでになりました。

これからの「里山のオーベルジュ 薪の音」が目指すところ

-2005年6月のオープンから間もなく17年目となりますが、今後挑戦してみたいことがありましたら教えてください。

3組限定の宿としてスタートをして、少し規模を広げるという構想もあったんですけれど、この度の新型コロナウイルスの流行で、今は少し迷っています。ただ、コロナが終息に近くなってくるにつれて、お客様そのものは以前よりも増えているので、ようやくこの里山にあるという立地と提供しているサービスが、今の時代のお客様のニーズに合ってきたのかなと感じています。そういった中で、料理のレベルを上げていくというのはひとつの目標なので、そこを極めていきたいです。
あとは、この環境の中で、連泊もしていただけるようなコンテンツを増やしていく必要があるのではないかと思っています。
一例ですが、昨年から、地元に新しくできた「ドメーヌ・ボー」というワイナリーと連携をして、レストランに来てワインの話をしていただいたり、お客様がワイナリーに行って工場見学をしたりといった取り組みをしていて。これは私達の宿だけで完結する話ではないので、地元の方々とうまくコラボレーションをして、エリア全体を楽しんでいただけるような仕掛け作りをきちんとやっていきたいと思っています。

そうすることで、食べて泊まることに加えて、地域そのものを楽しんでいただける。さらに、そこでお金を使っていただくことによって地域の経済も良くなります。
もともと私が今から6年前に金沢にもオーベルジュを作ったのは、まさにそういう想いがあったからです。お客様にとって富山と金沢は、北陸の旅行に行ったときに自然と周るコースなので、地元のお店などと手を組むことで、来てくれたお客様により楽しんでいただけるようにしたいというのが、今後のひとつの大きな、私に与えられた宿題だと思っています。

-私自身お酒が好きなので、新しいワイナリーさんがとても気になります!

「ドメーヌ・ボー」さんは、ブドウも自家栽培していて、ようやく自分のところの畑のブドウが少し収穫できるようになったくらいの新しいワイナリーなんです。「地元の食材に合ったワインを作りたい」という社長さんの想いが、すごくいいなと思いました。
実は富山県には他にも、氷見の方にある「セイズファーム」さんや、砺波の方には北陸の中でも古い「ホーライサンワイナリー」というのもあって、どれも結構美味しいんですよ。最近は、うちのレストランでも提供しています。
「薪の音」に来るお客様は、お酒が好きなお客様が多いので、そういったものをご提案すると喜んでいただけます。

-美味しい食事と美味しいお酒は切っても切れない関係ですよね。あとは、泊まれるというところで、少し飲み過ぎても平気かな、という開放感もありそうですよね。

食事が終わったら部屋に戻って寝るだけですからね。ディナーでたくさんお酒を飲まれたお客様も、皆さん朝はしっかりと目を覚まされて、朝ごはんをたくさん召し上がります。
「朝ごはんは食べないつもりで起きてきたけど、かまどでご飯を炊く湯気の香りを嗅いだら一気に食欲がわいたので、やっぱり食べます」という方もいらっしゃいます。ほぼ全員のお客様がお代わりされるので、本当に嬉しいですね。

-最後に、これから「里山のオーベルジュ 薪の音」にいらっしゃるお客様に向けてメッセージをお願いいたします。

先ずシンプルに、美味しいものを食べたいというお客様は、騙されたと思って一度泊まりに来ていただけたら期待は外しません。食事を楽しんでいただきながら、地元のお酒や文化についてもご紹介しますので、気に入ったところがあれば、そういったことも楽しんでいただきたいです。
もうひとつは、せっかく北陸に来たのであれば、金沢にある「東山のオーベルジュ 薪の音 金澤」にも足を運んでみてください。夜は日本料理ですが、たぶん、皆さんが食べたことがないような新しいスタイルの和食です。両方に来ていただくことで、北陸の旬の食材をフレンチと日本料理の2つのジャンルで味わっていただけます。
富山と金沢に連泊していただいたお客様には、送迎サービスも行っていますし、ランチのコーディネートもさせていただくので、北陸の食を120%満喫する最高の楽しみ方ができると思います!

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オーナー 山本 誠一

1954年 南砺市野口生まれ
1974年 城端町役場 入庁
企画、観光、産業振興、農業、まちづくりなど地域活性化に関わる
桜が池周辺開発、ホテル及びクアハウスを併設した「桜が池クアガーデン」の企画から建設、整備、運営に関わる
2002年 城端町役場 退職
2005年 自分が生まれた場所に 1日3組限定 里山のオーベルジュ薪の音 開業
2016年 金沢市の観光地「ひがし茶屋街」に1日4組限定 東山のオーベルジュ薪の音金澤 開業
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里山のオーベルジュ 薪の音

富山県/砺波

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