アート作品のようなデザイン性の高さが魅力の、有名建築家が手掛けた宿。シンプルな設えやスタイリッシュな雰囲気など、宿によってさまざまな個性を持っています。今回は、設計やデザインの分野で多種多様な活躍を見せる、有名建築家ユニットが手掛けた宿をご紹介。センスの光るインテリアや非日常を感じる空間に身を置く、特別な体験をしてみてはいかがでしょうか。
目 次
1.ライフスタイルに合わせて過ごせる、京町家風の一棟貸しホテル
2254(京都府/祇園宮川町)

祇園四条駅徒歩約1分の場所にある「2254」は、暮らすように過ごせる一棟貸しの宿。設計を手掛けたのは「無印良品」の店舗デザインなどで知られる塚本由晴氏・貝島桃代氏らが主宰する「アトリエ・ワン」。京町家の要素を活かしつつ、現代のライフスタイルに合わせて一から新築し、温かみのある空間を造り上げました。


2~4階からなる部屋の総面積は、約131平米と広々。満月のような照明が見下ろすリビングダイニングは、天井高5メートルの吹き抜けと3階ラウンジにつながっています。カフェのようなラウンジのカウンターは、一息ついたり読書をしたりするのにもぴったり。

檜の浴槽がある浴室や和室など、和を感じられるスペースもあります。4階の和室は、部屋全体が京唐紙で包まれた雅な空間。天窓から差し込む柔らかな光が満ちる空間で、思い思いの時間を楽しむのも良いですね。
2254
京都府/祇園宮川町
2.360度で森の自然を感じられるアート作品のような貸別荘
輪の家(長野県/軽井沢)

軽井沢の森の中に立つ、全面ガラス張りのデザイナーズハウス「輪の家」。設計を手掛けたのは、建築家の武井誠氏・鍋島千恵氏が主宰する「TNA」。2006年に開業した「輪の家」は「平成19年 東京建築士会住宅建築賞」や「Wallpaper Design Awards 2008 最優秀賞」など、数多くの賞を受賞しています。


一棟貸切で利用できる建物は、地下1階、地上2階建ての3層構造。天井の高いリビングや2階のベッドルームなど、どこに居ても木々が目に入り、360度自然を感じられる清々しさも魅力です。森の風景と調和するようなシンプルな木の家具にもこだわりが。

ベッドルームに隣接する2階の浴室には、森を見下ろせる展望風呂も完備。夏は青々とした緑を、冬は白く雪化粧した森の景色と一つになるような、特別なひとときを過ごしてみては。
輪の家
長野県/軽井沢
3.歴史的な町家を再生させた分散型宿泊施設
BYAKU Narai(長野県/塩尻・奈良井宿)

約1キロメートルに渡って町並みが続く日本最長の宿場町、長野県・奈良井宿。「BYAKU Narai」は、この地で1793年に創業した酒蔵をはじめとする4棟の歴史的建造物を改修した、分散型宿泊施設です。建物の改修計画を担ったのは、山道拓人氏・千葉元生氏・西川日満里氏らが主宰する「ツバメアーキテクツ」。


町家ならではの構造を活かした空間に身を置けば、奈良井宿で紡がれてきた歴史を感じられる宿泊体験が叶うはず。全16室の中でも、宿一番の大きな庭を望むのが「【本館・歳吉屋】百五/お座敷の贅沢さ/半露天風呂付」。元々の襖や床の間などをほぼ残した本格和室です。さりげなく配された照明器具も、重厚な雰囲気に馴染んでいます。

夕食には、酒造りをする蔵をレストランとして再生した「嵓(くら)」へ。日本料理の名店「傳」の料理長・長谷川在佑氏が監修する、繊細な料理に舌鼓を打ってみては。
BYAKU Narai
長野県/塩尻・奈良井宿
4.隠岐ジオパークの雄大な景色と一体となるような“泊まれる拠点”
Ento(島根県/隠岐諸島)

島根半島からフェリーに揺られ、約3時間のところにある島根県・隠岐諸島。「Ento」は「ユネスコ世界ジオパーク」に認定されたこの地の“泊まれる拠点”として2021年に開業しました。建築と内装を担当したのは、建築家の原田真宏氏・原田麻魚氏が主宰する「MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO」。


施設全体のコンセプトに掲げたのは“Honest(正直さ、素直さ)とSeamless(隔たりや境目のないこと)”。6タイプの客室からなる宿泊棟「Entô Annex NEST」の部屋は、ワイドスクリーンのような窓開口が特徴で、隠岐ジオパークの雄大な風景の中で寛ぐ、という類まれな体験が叶います。

館内の階段には交差した杉の木の意匠が施されており、デザイン性がありながらも落ち着く木の香りと色合いが素敵。古生物の化石が展示されたスペースや、島の魅力を伝える展示室なども点在しているので、窓の外の景色と共に館内の散策も楽しめます。
Ento
島根県/隠岐諸島
5.尾道のベイエリアに佇む、海運倉庫をリノベーションしたホテル
HOTEL CYCLE(ONOMICHI U2)(広島県/尾道)

「HOTEL CYCLE(ONOMICHI U2)」は瀬戸内しまなみ海道を望む、海運倉庫をリノベーションしたホテルです。設計を手掛けたのは、建築家の谷尻誠氏・吉田愛氏らが率いる「SUPPOSE DESIGN OFFICE」。


1943年に建設された倉庫の躯体をそのまま残し、建物には造船の街にちなんだ木材やスチール、魚灯を連想させるような照明を使用しています。日本初の自転車に乗ったままチェックインできる宿でもあり、室内には愛車を掛けられるサイクルハンガーを完備(一部客室を除く)。

さらに、施設内にはプロスタッフが自転車をメンテナンスしてくれるショップもあり、サイクリストのロードライフを快適にサポートしてくれます(有料)。ホテルを中心に、ゲストのニーズに応える衣・食・住のサービスが揃っているのも、大きな特徴。尾道のベイエリアで、瀬戸内の魅力を存分に満喫しましょう。
HOTEL CYCLE(ONOMICHI U2)
広島県/尾道
さまざまな個性を持つ有名建築家ユニットがデザインした宿を5軒ご紹介しました。それぞれのコンセプトに合わせた空間デザインや、内装とも調和するインテリアなど、その宿にしかない魅力にあふれています。気になる宿があれば、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。












