2023年9月1日にオープンした、タイのラグジュアリーホテル「デュシタニ京都」。日本初上陸の場として選んだのが京都でした。ホテルがあるのは、京都駅烏丸口から徒歩15分ほど、西本願寺の門前町という閑静なエリア。設えには京都らしさを感じさせつつ、タイの文化も融合しています。今回は、そんなエキゾチックな魅力にあふれるホテルを取材してきました。
目 次
日本初のホテル「デュシタニ」が京都にオープン

場所は、西本願寺と東本願寺のちょうど中間、元は小学校だったという跡地にオープンした「デュシタニ京都」。外観は京都の街並みに配慮されており、一見するとタイ発のホテルとは思えません。

ですが、エントランスを抜けると、タイ文化を感じる内装がいたるところに。デザインはタイのアユタヤと日本の京都という、2つの古都の建築様式から発想を得ているそうで、施工には、現地タイのデザイン事務所も参画しているとのこと。

ギフトショップの入り口には、タイのパーン(脚付きのお盆)を組み合わせた形の柱が 並び、竹などの使われている素材からも日本にはない「タイらしさ」が感じられます。アロマの香りもふんわりと漂い、京都にいながらにして、さっそくリゾート地に来たかのような優雅な気分になりました。

ロビーラウンジ「ザ・ギャラリー」。一角にはモダンな茶室があり、ここで茶道の先生がお抹茶を振る舞ってくれることもあるそう。また、第2、4土曜14時半からは 、舞妓さんによる舞いも披露されるとのことで、タイミングが合えば、京の文化に触れられる、うれしい演出が用意されています。

「ザ ギャラリー」では、営業時間はいつでもアルコールがオーダーできるほか、ココナッツミルクが入ったタイ式コーヒー「オーリアン」や「酒かすチーズケーキ」など、タイと京都どちらの味も楽しめます。

また予約制でアフタヌーンティーをしているほか「海老トムヤムライス」「ガパオライス」といった本格タイ料理も提供。
紅茶には、京都・和束町にあるお茶畑「デュシットティーガーデン」で栽培されたオーガニックな茶葉を使用していたり、料理には、大原にある自家農園で採れたパクチーやじゃがいもを活用していたりするとのこと。経済、環境に対し「サステナブル(持続可能)」であることを大切にしている、その姿勢を窺い知ることもできました。
雅さの中に、タイらしさを融合させた客室

客室は全147室。お部屋の入り口には、着物の襟元をイメージしたという行灯照明が灯っています。

最初に「プリミエ ツイン」を案内してもらいました。インテリアは、タイと和の文化を折衷したというデザイン。広さは40平米あり、広々としています。

窓からの景色は、中庭を見下ろす「コートヤードビュー」と京の街並を望む「シティビュー」が選べます。このお部屋からちょうど見えたのは、知る人ぞ知る「本願寺伝道院」。赤レンガが特徴的なモダン建築で、アジア大陸の意匠が見られる一風変わった建物です。


お部屋のミニバーコーナー。「TWG」のティーバッグ3種に、ネスプレッソも、デカフェを含む3つのテイストを用意。

おつまみやスナックには、京都の羊羹に豆菓子が並んでいました。

ドリンクには、スパークリングウォーターとして日本酒の仕込みに使われる伏水、タイビールの定番「シンハー」に「Fever Tree」のプレミアムジンジャエールなど、うれしいラインナップ。

足を伸ばせる広いバスタブ付バスルーム。アメニティは、タイを代表するウェルネスブランド「HARNN(ハーン)」のもの。今後はオリジナルブランドに変更になる予定とのことです。

歯ブラシやコームは再生プラスティックを使用したものだそうで、ここでもサステナブルな取り組みが。ちなみにカードキーも木製でした。

室内着は、浴衣が用意されています 。

窓際のテーブルには茶器と、陶器に入った苔のグリーンも。さきほど紹介したロビーラウンジ「ザ・ギャラリー」のテーブルにも苔のグリーンあったのですが、瑞々しい緑の苔は、お花とはまた違う癒やしをもたらしてくれるようです。

こちらは「プリミエスイート 108平米」。 “小上がりの和室”という寛ぎスペースがあるのが、うれしいですね。ベッドは全室「シモンズ」。

庭園のある「プリミエガーデン」のお部屋。障子をモチーフにした内装、そして、隅々までよく見ると、角のない丸みのあるデザインで統一されているそうで、そのせいか、どのお部屋に足を踏み入れても、とても柔らかな印象に包まれていました。
中庭をぐるりと囲む4つのレストラン

ロビーラウンジからチラリと見えて気になっていたのが、地下1階にある大きな中庭です。
ホテルの建物はロの字形になっており、その中心に中庭を配置。地下1階から地上4階までの吹き抜けとなっているため、地下におりても明るい光が射し込み、開放感いっぱい。この中庭を囲むようにして4つのレストランがあります。

こちらが、朝食をいただくレストラン「Ayatana(アヤタナ)」。前菜やフルーツはビュッフェ形式、メインはオーダー制で、席に運ばれてくるスタイルです。メインには、オムレツやクロワッサンといった定番の「ウエスタンスペシャリテ」もありますが、ここで人気なのはやはり「タイスペシャリテ」のタイのお粥。
メイン料理は何度頼んでもいいですし、ハーフサイズで注文することも。こうした細やかなサービスからも「デュシタニ」のスピリット「Everything You deserve.(お客様にふさわしいすべて)」を感じることができます。

「Ayatana」には、オープンキッチンがあるエリアのほか、金継ぎからインスパイアされたという空間もありました。
朝食だけではなく、ディナーも至福。それは食事をするというより、舞台を楽しむといった感覚かもしれません。まずはレセプションで扇子を選んでゆっくりと煽ぎ、香りを感じます。その後、中庭を散策したら、アトリエスペースに案内され、ウェルカムドリンクとスナックを味わう。その後、新たな扉が開いて、ディナーの始まりです。

ディナーに登場する「京野菜レリッシュ」は、茄子とニンニク、タイエシャロットをそれぞれグリルして、チリソースと合わせた逸品。スパイシーでスモーキー。酸味と甘みがあり、五感を刺激する料理に仕上がっています。
エンタテイメント性たっぷりの「参加型」で楽しめる演出がたくさん用意されているディナー。味わうだけではなく、見る、感じる、香るなどの五感をフルに刺激してくれる食事タイムとなるはずです。

鉄板焼「紅葉」は、どの席に座ってもシェフの手元が見える「シェフズテーブル」スタイル。“二十四節気という季節を味わって楽しんでもらえるように”と構成された、季節ごとのコースメニューが用意されています。

コースに登場する「国産黒毛和牛背肉のロースト」。二十四節気に合わせた地元の野菜に、そのとき一番状態が良い黒毛和牛を合わせて提供される一皿。

バー「DEN Kyoto」は、ワインの樽をイメージしたという空間となっていました。カウンター席の上部、はしごのような造作は清水寺の舞台の柱を表しているそう。京都に来たという旅心をますます刺激してくれます。すっぽりと収まるボックス席も居心地が良く、ホテルから出ずに、ここでのんびりしたい。そんな気持ちになりました。

シェイクモヒート(左)やマティーニ(右)といった定番のほか、日本酒を使ったオリジナルカクテルも気になります!
タイ式の上質なマッサージを体感するスパ

タイといえばぜひ体験したいのが、タイ式マッサージです。地下2階にあるスパ「DEVARANA(デバラナ)」では、タイで受け継がれてきた古式マッサージを始め、日本の伝統的な指圧なども組み合わせた癒やしを提供。

ウェルカムティーをいただきつつ、カウンセリング。その際に、その日の体調に合わせたオリジナルのオイルを自分で調合して作り上げます。
レモングラスやカモミール、ラベンダーなど、好みの香りをセレクト。自分でブレンドして作り上げる工程が、ちょっとした実験のようでワクワクします。


ロッカールームには、サウナやお風呂もあり、こちらがたいへん好評だそう。トリートメントの前後にしっかり体を温めておくことで、マッサージやオイルの効果もより深く感じられそうですね。

トリートメントのお部屋はシングルが4部屋。畳敷きツインルームもあり、こちらでは親子や友人同士で一緒にタイ古式マッサージを受けることができます。
施術の始まりは、シンギングボールの清らかな音から。それはまるで、深い瞑想に落ちていくような心地よさ。


スパには、プールやジムも併設してあります。旅の途中で、何度でもリフレッシュできますね。
ホテルを案内してもらっている間中、京都にいながらにして、異国に来たかのような雰囲気もあり、とても不思議な感覚になりました。国内旅行でありながら、海外旅行のような。そうした、いつもと違う感覚を楽しめるのが旅の醍醐味。「デュシタニ京都」に滞在するからこそ味わえる特別な時間だと感じました。県外からのゲストにはもちろん、地元・京都の人にもぜひともお薦めしたい魅惑的なホテルです。
デュシタニ京都
京都府/京都市












