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2023年6月にリニューアルした沼津の名建築宿で、和の美意識とモダンチャイニーズを堪能
クローズアップ

2023年6月にリニューアルした沼津の名建築宿で、和の美意識とモダンチャイニーズを堪能 沼津倶楽部(静岡県/沼津市)

「日本百景」の一つにも数えられる景勝地、静岡県沼津市にある千本松原。その一角にある「沼津倶楽部(ぬまづくらぶ)」は、築110年の登録有形文化財に登録される数寄屋造りのレストランと、建築家の故・渡辺明が設計したモダンな宿泊棟、その新と旧の趣きが見事に調和した宿。幾たびかの改修を重ね、2023年6月にリニューアルオープンしました。

スイートルームとレストランを一新してリニューアルオープン

この宿はもともと、粋人として知られたミツワ石鹸2代目当主・三輪善兵衛が、1913年(大正2年)に建てた別邸「松岩亭」でした。「松岩亭」は「風光明媚な千本松原で千人茶会を開きたい」という彼の思いを叶えるべく、すべての部屋が茶室として設計された“集合茶亭”で、贅を尽くして建てられた数寄屋造りの建物です。

戦時中は幸いなことに戦火を逃れ、戦後は政治活動の場や割烹として活用されてきましたが、老朽化が進み、長らく空き家に。そこで、修繕を施し、宿泊棟を増築。2006年(平成18年)、宿泊施設「千本松・沼津倶楽部」として再出発を果たしたのです。

さらにこの度、レストランとスイートルームを一新。2023年6月、宿名もシンプルに「沼津倶楽部」のみとし、リニューアルオープンしました。
※2023年8月24日 「沼津倶楽部(ぬまづくらぶ)」と名称変更。

登録有形文化財の「茶亭」で楽しむモダンチャイニーズ

リニューアルによって、レストランは席数を増やし、モダンチャイニーズレストラン「茶亭」に。料理の監修は、鎌倉「イチリン ハナレ」の料理長で静岡県出身の齋藤宏文氏が手掛けています。

四川料理を専門とする齋藤氏が作る料理は、中華料理をベースとしつつ、そこに独自の感性をプラスしたモダンチャイニーズ。「茶亭」ではさらに、駿河湾を始め、近海の海で獲れた魚介や四季折々の食材を織り込んだ料理をコース仕立てで提供。中華の枠を超えた“沼津モダンチャイニーズ”に、きっと度肝を抜かれてしまいますよ。

味を決めるもう一つの決め手は、やはり数寄屋造りの空間が放つ風情でしょう。北と南、2つの棟が渡り廊下でつながる造りで、国の登録有形文化財。大小の茶室や京都から移築した三畳台目の茶席などがあり、客人をもてなす心があちこちに散りばめられています。

特に「昭和の間」と呼ばれる宿泊者専用ラウンジは、天井の中央がドーム状に持ち上がる和洋折衷の珍しいデザイン。窓や2種の網代天井など、目を引く意匠も多く、その粋なセンスについため息がこぼれてしまいそうです。

新登場の「沼津スイート」

宿泊棟の建築美にもぜひご注目を。設計は「二期倶楽部」や「W・HOUSE」などで知られる建築家の渡辺明。全8室が端正に並ぶことから“集合別邸”と呼ばれています。

富士川の砂と土を積層させた版築壁、屋根に使った吉野杉、富士山の湧水が注がれた水盤などの自然素材を用いた宿泊棟は、数寄屋造りの茶亭と並んでも全く違和感を感じさせない、和の美意識に貫かれた佇まいで、新旧の風情が見事に調和しています。

客室の間取りは、バルコニー付、和布団で就寝するタイプ、メゾネットなどいろいろですが、リニューアルで誕生した「沼津スイート」は、バルコニーを含めて広さ約90平米。リビングダイニングとは別に独立した寝室があり、かなりゆったりしています。西陣織の老舗「HOSOO」とコラボレーションしただけあって、オリジナルのテキスタイルを用いた家具やアートピースがあちらこちらに。窓の外に広がる千本松原の緑と相まって、くつろいで過ごすことができますよ。

“集合茶亭”と“集合別邸”。特徴的な2つの建築美に包まれる時間とモダンチャイニーズを楽しみに、ぜひこの宿へ出かけてみてはいかがでしょう。

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沼津倶楽部

静岡県/沼津市

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