FOLLOW一休コンシェルジュをフォロー

FOLLOW一休コンシェルジュをフォロー

また行きたくなる天草の名宿「五足のくつ」の魅力に迫る
インタビュー

また行きたくなる天草の名宿「五足のくつ」の魅力に迫る 石山離宮 五足のくつ(熊本県/熊本・天草)

九州・熊本の西の果てに位置する天草。九州県内や熊本市内からもアクセスがあまり良くない場所として知られていますが、時間をかけてでもわざわざ訪れたいと、多くの人々が憧れを抱く名宿があります。

それが、2002年7月に誕生した「石山離宮 五足のくつ」。
今回は編集部のmikaが、宿のオーナーである山崎 博文氏にご案内いただきました!宿の誕生秘話と共に、「石山離宮 五足のくつ」の魅力をたっぷりとご紹介します。

オーナー・山崎氏に聞いた「五足のくつ」の生い立ち

-天草下田温泉で随一の老舗「旅館 伊賀屋」に生まれ育った山崎氏ですが、なぜこの場所で新たに宿を始めようと思われたのでしょうか?

この地は雲仙天草国立公園に指定されています。僕が小学生の頃、現在の「五足のくつ」の下のエリアに国民宿舎があって、その近くを毎日ランニングしていたんです。そのときに、多くの宿泊客が浴衣姿で散策しているのを見かけていて。それで、旅館を造るならこの辺りがいいと子供ながらに考えていました。

その後、「旅館 伊賀屋」の6代目になったのが23か24歳の頃。世界の宿泊産業の情勢を学ぶために、海外にも足を運びました。そんな中で、アクセスがあまり良くない大自然の中に“わざわざ行く”ことへの魅力に気付き、宿自体が旅の目的になるような、天草を表現した“ご当地旅館”を造りたいと思うようになりました。
“自然の中にある”という条件は、子供の頃から思っていたこの場所がぴったり。29歳の頃、この山ひとつを購入して、“天草らしさ”をコンセプトとした宿造りをスタートしました。

―子供の頃から思い描いていたことを実現されたのが、この「五足のくつ」なのですね!実際に宿を造るにあたり、特にこだわった部分はどのようなところでしょうか?

昔からある“海辺の温泉地”と呼ばれているところは、実は大体がその地域の山手の方にあるんです。それは、“森の中で温泉に浸かって再生する”という湯治文化が、日本人の心に根付いているから。日本は地形的に山があって海があるので、森の中で憩い、朝は海を眺めて自由さを感じるという演出が必要なのだと思い、もとあった自然の中に、新たに森を造る意識で取り組みました。

この辺りの木々は常緑樹なので季節感はありませんが、冬でも緑の温かさを感じられます。
“市中山居”という言葉があるように、旅館にとっても緑との関係性はとても大事です。僕の場合、国立公園内、実際の自然の中に宿を造ることができたのは利点でしたね。木はさらに2000本ほど植樹しましたし、石は熊本や福岡から運んできて、庭はもちろん、石造りの露天風呂も手造りです。
こうして最初に完成したのは、“OLD天草”を表現したVilla Aと“NEW天草”を表現したVilla B。次いで2005年にVilla Cが完成しました。

木々に囲まれた坂道が非日常へと誘う

A・B・C棟合わせて15の客室を有する「石山離宮 五足のくつ」。

宿の名は、5人の詩人たちが東京二六新聞に連載した、天草を旅行した紀行文「五足の靴」からいただいたもの。その時に歩いた道がこの場所です。また「石山離宮」は、地元の言葉で白磁の原料となる天草陶石が採れる山のことで、この山が「石山」であることに由来しています。

今回は、Villa A・Bのある場所から急な坂道を上ったところに位置するVilla Cを案内していただきました。実際に歩いてみると、道の両脇には木々が生い茂り、建物が一切見えないようになっていることに気付きます。これは宿のこだわりのひとつで、坂道を上るごとに現実から気持ちを切り離し、だんだんと非日常の時間が始まっていく役割があるのだそう。

“キリスト教が伝来した中世の天草”を表現したVilla C

お正月でもないのに玄関にしめ飾りが一年中掛けられているのはなぜでしょう?
これはキリスト教の弾圧が厳しかった時代に、自分はキリシタンではないことを示すため、また、キリシタンであることを隠すために飾っていた名残なのだそう。天草のキリシタンの歴史を今に伝える“しめ飾り”は、この地方ならではの風習なのです。

室内に入ると、そこはまるで海外のリゾート!
クイーンサイズのソファやキングサイズのベッドなどのインテリアがゆったりと設置され、窓の外には木々が太陽に照らされキラキラと輝いて見えます。

家具は全て特注で、建物を造るにあたって、間取りより先に家具の設計を考えたほどのこだわりよう。

そして窓の外の大きなデッキテラスには、お二人でもゆったり入れるほど大きな露天風呂が。

全客室が露天風呂付きですが、テラスがあるのはVilla C-3だけ。海に突き出したようなテラスの露天風呂での湯浴みは、森と海、太陽のパワーをたっぷりと感じられること間違いありません!

温泉はもちろん源泉掛け流し。天草陶石層から浸透した水が温められて湧出したとても珍しい温泉で、温まりやすく冷めにくいのが特徴です。

洗面台もまた、天草陶石を用い、地元の窯元に造ってもらった特注品。

室内には、小さな書斎もあります。一人旅での利用も多く、読書をしたり、何もしない時間を過ごしたりしているお客様も多いそう。

東洋と西洋の文化の融合を体現、Villa C専用施設「天正」

「天正」は、レセプション、レストラン、ライブラリーを備え、Villa C のお客様だけが利用できる専用施設。Villa Cのテーマである“キリスト教が伝来した中世の天草”を色濃く反映した造りになっています。

その佇まいは、木造平屋建てに鬼瓦が鎮座する瓦屋根や、白壁に花頭窓を備えた、お寺を思わせる純日本建築。玄関にはやはり、しめ飾りが掛けられています。

しかし、扉を開けて中に入ると外観の様相から一変、まるで西洋の教会のよう。壁に飾られているのは聖書を題材にした絵画。美しいアーチ型の天井には、ステンドグラスとシャンデリア。廊下にはグレゴリオ聖歌が響き渡り、神聖な雰囲気を感じられます。

廊下を抜けた先には、広がる海を望むカフェテラスが。“日本の夕陽百選”にも選ばれるこの地ならではの美しい夕陽を眺めて寛いだり、鳥の声を聞きながら朝食を愉しんだり、滞在中は自由に利用できる、宿で随一の絶景スポットです。

実は、建設作業の休憩中に、大工さん達がこの場所でお弁当を食べたり昼寝をしたりしていた様子を見て、「この場所は落ち着くね」という話になり、テラスを造ることになったのだそう。

開放感あふれるテラスの対比とも取れるのが、BAR&ライブラリー。明るさを抑えた暖色の照明が、妖艶な大人の雰囲気を醸します。

本棚に並ぶ本やCDは、お部屋に持ち帰って愉しむことも。

地元の食材をふんだんに使った懐石料理

その土地ならではの料理は、旅の楽しみのひとつ。四方を海に囲まれた天草は、天然魚介類の宝庫と言っても過言ではありません。また、海からのミネラルをたっぷりとあびた大地で採れる野菜や、温暖な気候と自然の中で育った畜産物にも恵まれています。

素材本来のうまみを引き出す“淡味”を追求し、その日に一番美味しいと思う食材をひと手間かけて調理しています。

この宿で嬉しいのは、新鮮な魚介はもちろん、お肉もしっかりいただけること。
日本最大級の地鶏“天草大王”を使った「天草大王石 焼き蒸し鍋」は、Villa Cのお客様限定の名物料理です。溶岩石で焼いた天草大王に、かつお出汁をかけて蒸し焼きに。その演出と味わいは、目でも鼻でも舌でも、五感で愉しませてくれます。

海を見渡す個室の食事処で、絶景と美食を思う存分堪能しましょう。
レストランの営業時間内であれば好きな時に利用できるというのも嬉しいところ。非日常の体験の中で時間に縛られずに過ごしてほしいという、宿の想いが感じられます。

「天草の風土・文化は、キリスト教が伝わった歴史も含めて、和と洋がミックスしたもの。その“融合”を施設にも取り入れて、東洋と西洋、光と影など、異なるもの同士の融合から、天草らしさを感じてもらえたら嬉しいですね。」
と、山崎氏が話してくださいました。

九州・熊本の西の果て、天草。遠くてもわざわざ訪れたいと思わせる「石山離宮 五足のくつ」の魅力は、天草という地ならではの自然・歴史・人の魅力そのものなのだと感じました。
多くの人々が憧れを抱く名宿に、是非一度足を運んでみてはいかがでしょうか?

最後に、山崎氏に伺った天草のオススメ観光スポットをこちらでご紹介しています!
長崎・天草の名宿でオーナーに聞いたオススメ観光情報

石山離宮 五足のくつ

石山離宮 五足のくつ

熊本県/熊本・天草

この記事が気に入ったらシェア!

あわせて読みたい

「露天風呂付客室」の人気記事