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知ればもっと旅が楽しくなる!建築としつらえの用語集
コラム

知ればもっと旅が楽しくなる!建築としつらえの用語集

歴史ある旅館や文化財に登録された宿や、最近増加している町家などの古民家をリノベーションした宿、建築そのものに魅力がある宿はたくさんあります。
ですが、「この建物のこの部分が素敵!」と思っても、「『この部分』って何という名称だろう?」と思ったことはありませんか?
私自身も取材に伺ったり実際に記事を執筆したりする中で、この状況に陥ったことが度々…
そこで今回は、「建築」と「しつらえ」の用語についていくつかご紹介いたします。
用語を知って知識が増えれば、宿を旅を、もっと楽しめるはずです!

【あ行】

〇行灯・行燈(あんどん)

木や竹のわくに紙を貼り、中に火や明かりをともす小型の照明器具。もともとは携帯できるものを指したが、様々な種類に分化し、現代では置行灯などの室内型が主流となった。

〇入母屋屋根(いりもややね)

屋根形式のひとつ。上部を切妻形式とし、その下部の周りにひさしをつけたもの。和風外観の建物に利用される。

〇縁(えん)

居室の内側と外側をつなぐ部分。座敷等の外回りに通路として設け、庭と室内とを結ぶ「縁側」、特に広い縁側を「広縁」ともいう。

【か行】

〇火灯窓・花頭窓(かとうまど)

寺社・城郭建築などに見られる、曲線的につくった特殊な窓。装飾的な役割が強い。窓枠の上部の曲線が炎のようにも見えることから「火灯窓」と書く説や、木造で火事を連想させるのはよろしくないということから「花頭窓」と書く説もある。

〇几帳(きちょう)

平安時代の住宅に使用された障屏具の一種。台の上に2本の柱を立て、その上に横木を設けてT字形にした木に布をかけたもの。

〇切妻屋根(きりつまやね)

屋根形式のひとつ。本を開いて伏せたような形で、最も一般的な住居建築に用いられている。

〇沓脱石(くつぬぎいし)

建物に出入りするときに、脱いだ履き物をそろえて置いておくための石。

〇腰紙(こしがみ)

衣服と土壁の両方を保護するために壁に貼る紙。意匠上の効果もある。「腰貼り」ともいう。

【さ行】

〇敷石(しきいし)

通路・庭先・玄関などに石を敷き並べ舗装したもの。歩行の際に衣服や履き物が汚れるのを防ぐ。間隔をあけてひとつひとつを並べたものは敷石とは区別され“飛石”と呼ばれる。

〇書院造(しょいんづくり)

寝殿造りを原型として、室町時代を経て桃山時代に感性した建築様式の一種。柱は角柱、畳は室内に敷き詰め、障子、杉戸、襖、舞良戸を設け、主室には床、違い棚、付け書院、帳台構えを配している。

〇書院(しょいん)

格調高い書院造りの和室の重要な構成要素のひとつ。「出書院」(付け書院)と、略式の「平書院」とがある。

〇寝殿造(しんでんづくり)

平安時代の貴族の住居様式。屋敷の中心に寝殿(主人の住まい)があり、その左右には対屋が配され、互いに渡り廊下によって結ばれた。柱は丸柱、柱間に蔀戸、間仕切りはなく、几帳や屏風で区切る。置畳、円座などで座をつくり、厨子棚などに手回り品を納めて生活した。

〇数寄屋造(すきやづくり)

数寄屋は草庵茶室や別棟になった茶室をさす同義語。数寄屋風の造りは面皮柱や土壁を用い、長押を付けずに無装飾、正式の書院に比べて意匠上自由な造りである。通常は草庵茶室の意匠を取り入れた住宅の意匠をさす。

〇簾虫籠(すむしこ)

透過性の高い、竹の細木で造ったすだれ。プライバシーの保護に役立つ他、意匠上の効果もある。

〇草庵茶室(そうあんちゃしつ)

簡素な草葺き屋根の形式を茶室に取り入れたもの。千利休は草庵の小座敷で侘茶を大成したことから、茶室といえば草庵を意味するまでに流布された。

【た行】

〇衝立(ついたて)

寝殿造りの室内で使用された、目隠しや風除けのための建具の一種。枠と台脚からなり、枠内には絵画・書などが書かれ、今日でも同様のものが玄関・座敷などで使用されている。

〇蹲・蹲踞(つくばい)

茶室の前に設ける手水鉢の一形式。客は蹲の手水鉢で手を洗い、口をすすいで席に入る。

〇土間(どま)

建物の内部で床を張らずに土のままにしてある部分の総称。

〇灯篭(とうろう)

行火(あんか)具の一種。石・木・金属などの枠に紙や紗を張り、中に行火を入れる。現代では、鑑賞用として庭園に設置されることが多い。

〇床の間(とこのま)

鎌倉時代、僧侶が経巻を読経するとき、壁に仏画を掛け、前に足付きの板を置き、三具足を据えて掛字の礼拝を行ったことから発生したといわれる。中世以降は絵画や工芸品を飾ったり、武家では刀剣などの武器を安置したりするなど、尊厳高き場としての格式が形成された。

〇床脇(とこわき)

床と床脇の組み合わせで「床の間」と呼ばれる。床脇の構成には、最も基本的な天袋・地袋・違い棚形式の他、組み合わせにより様々な意匠例がある。

〇緞子張り(どんすばり)

壁装仕上げのひとつ。高級な織物そのままを活用して張るもの。

【な行】

〇濡縁(ぬれえん)

住居の外側にあり、雨ざらしになっている縁側。

【ま行】

〇御簾(みす)

人目や風を防ぎ、部屋を区切る障屏具の一種。竹を編み、萌黄色の絹に瓜に切り口に似た文様を黒く染めつけ、四方を縁取りしたもの。

【や行】

〇雪見障子(ゆきみしょうじ)

明かり障子のひとつで、上げ下げできる小障子を下方に設けて外側に透明なガラス面を取り付けたもの。

【ら行】

〇欄干(らんかん)

橋や建物の縁側などに取り付ける、腰の高さほどの手すり。人が落ちるのを防ぐ他、装飾としての役割もある。

〇欄間(らんま)

採光や通風および意匠的な目的から、鴨居の上に設ける開口部のこと。

〇連子(れんじ)

建物の窓、扉、欄間などに設けられた格子のこと。細い材を縦または横に等間隔に並べたもの。

「建築」や「しつらえ」の名称や用途・役割を知れば、いままでとは違った視点で宿や旅の楽しみ方を見付けられるはず。
建物や室内の細部にちょっと注目してみるだけで、より記憶に残る豊かな旅となることでしょう。

【参考文献】

尾上孝一,大廣保行,加藤力(編)『図解 インテリアコーディネーター用語辞典 改訂版』,井上書院,2004年(ISBN 978-4-7530-0096-8)

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