
北陸新幹線の開業で、東京からのアクセスが便利になった石川県の山代温泉。
約1,300年前、高僧・行基が霊峰白山へ修行に向かう途中で、水たまりで傷を癒すカラスを目にしたのが温泉の始まりとされ、北大路魯山人や与謝野晶子ら、多くの文化人にも愛されてきました。

「べにや無何有」は、その山代温泉の象徴とも言える「古総湯」にほど近い薬師山の中腹にあります。

設計は数々の建築賞などを受賞している竹山聖氏。宿は山庭を囲むようにレイアウトされ、無駄を削ぎ落としたシンプルな空間。とはいっても決して無味ではありません。

珪藻土の土間造りのロビーをはじめ、16室の部屋も施設も全てが山庭の緑と溶け合って、ひとつの景色を成しています。

宿の隅々に流れる空気のなんと静謐なこと! それは歳月を重ねるごとにじっくり醸成され、風情を増しているようです。
目 次
温泉と薬草で心と体を癒すスパ

この宿が他の宿と趣を異にしているものが2つ。ひとつは、スパの「円庭施術院」です。

「べにや無何有」はもともと、僧侶が温泉と薬草で人々を癒してきた「薬師院温泉寺」の本堂跡に建つ宿。そんな歴史を踏まえ、温泉と薬草を用いたさまざまなトリートメントで心身のケアを行っています。

薬草には、元気を補い(補)、余分なものを捨て(捨)、流れをさらさらにし(流)、バランスを調える(調)、などの力があり、ひとりひとりの体質や体調に合わせて調合して用いるとか。そのため、きちんとカウンセリングを行った上での施術を基本としています。

まさにオーダメイドのスパ。これ以上の贅沢を望んだら、バチが当たってしまいそうです。

温泉は、カルシウム、硫酸ナトリウムを多く含む柔らかな泉質で、ゆっくり入浴するのに最適。大浴場「こもれびの湯」か、お部屋の露天風呂でどうぞ。

朝食前に行われているヨガも好評。ゆっくりとした動きが、心まで目覚めさせてくれますよ。
加賀の美食を味わう和懐石

部屋は4タイプ。すべてに源泉露天風呂が付いています。
その中でもユニークなのは、珪藻土の土間をくるりと回した「丁子」の部屋。

藁スサ入りの土壁に囲まれた部屋はどこか懐かしい雰囲気で、アメニティもオリジナル。細かいところまで「べにや無何有」らしさを貫いています。

食事は、食の宝庫・加賀ならではの和懐石。「合鴨のつみれ鍋」や「あわびの柔らか煮」など、スペシャリテをはじめ、加賀の美味をたっぷり味わえます。

また、料理を引き立てる九谷焼や山中塗、輪島塗など、石川の文化が薫る器にも注目を。器あっての料理。その組み合わせの妙を楽しむのも、料理の味わいのひとつです。
ルレ・エ・シャトー・ウエルカムトロフィー受賞

さて、もうひとつの特徴は、「べにや無何有」は、優れたホテルやレストランだけが加盟できる「ルレ・エ・シャトー」の会員であること。

日本で加盟している旅館、ホテルは、わずかに11軒。しかも2013年には、その年の最も秀でた施設に贈られるルレ・エ・シャトー・ウエルカムトロフィーも受賞。日本の旅館の誇りといっても過言ではありません。

中国古代の思想家、荘子が理想としたのが「無何有」。何の作為もなく、自然のままでいることが叶う宿「べにや無何有」。ぜひ心を空っぽにして、滞在を愉しみたいものです。
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https://spa.ikyu.com/day_spas/660049/












