山形県赤湯温泉にある「山形座 瀧波」は創業100年を超えるの老舗宿。平成29年に全館をリノベーション。「里山十帖」の岩佐十良氏をクリエイティブディレクターに迎え、全く新しく生まれ変わりました。
目 次
山形を全身で感じられる宿

山形の風土や文化を全身で感じられる宿…。今回の全館リノベーション「いきかえりプロジェクト」のコンセプトは、まさにそこにあります。クリエイティブディレクションは「株式会社自遊人・里山十帖」の岩佐十良氏。

主な施設は、築350年の大庄屋の曲がり家を移築したラウンジ「1916」、コの字型の大カウンターが象徴的なダイニング「1/365」、男女別の湯処「073」などで、古さと新しさのさじ加減が絶妙。もちろん客室も例外ではありません。
客室はすべて露天風呂付き

客室は19室。すべて露天風呂付きで、部屋は蔵をリノベーションした「KURA」と、木造校舎を移築した「SAKURA」「YAMAGATA」の3タイプあります。

「KURA」は全部で7室。大きな座敷蔵に4室、板蔵に2室、離れとなる小さな土蔵に1室あって、板蔵と土蔵のタイプは1階がリビング、2階がベッドルームのメゾネットです。
どの部屋にも共通しているのがミニマルなデザイン。

歴史ある蔵座敷を支えてきた黒い大きな梁と、木目の美しい無垢材のフロア、シンプルな琉球畳。これらをベースにクリスチャンセン、小泉誠、ハンス・J・ウェグナーなどのデザイナーズ家具をうまくミックスしています。

ほかに何もないといえば何もありませんが、居心地の良さは不思議なほどに抜群。心をざわつかせるものが無いからなのかもしれません。
メイドイン山形に触れる

「SAKURA」と「YAMAGATA」は、大正時代に使われていた小学校の木造校舎を活用したもの。「SAKURA」のビューは庭園。春には美しい桜を愛でることができます。
一方の「YAMAGATA」はその名の通り、山形産の家具や山形で活躍する作家の作品などを置き、山形の文化を体感できるようにしています。

たとえば「YAMAGATA 02」に置かれたのは1985年に発表された剣持勇デザインの「Centro」。「YAMAGATA 05」には長大作デザインの低座椅子。どちらも山形の「天童木工」の名作家具で、地元の素晴らしいプロダクトデザインに触れられる場となっています。
1階は石風呂、2階は檜風呂で赤湯温泉を堪能

赤湯温泉はほのかに硫黄が香る硫黄泉。正式には含硫黄―ナトリウム・カルシウム―塩化物温泉で、口に含むとわずかに塩味を感じる泉質です。部屋の露天風呂は、1階が大きな蔵王石をくり抜いた石風呂で2階が香り高い檜風呂。ほかに男女別の湯処もあるので、好みに応じて源泉かけ流しの湯が楽しめます。

実は以前は源泉を一度タンクに貯め、そこからそれぞれの浴槽に送っていましたが、今回のリノベーションによって、源泉から湯船へ直接湯を送る方式に変更されました。その差は歴然。スタッフも驚くほど素晴らしい泉質に変わったとか。飲泉所では飲泉も可能なので、試してみてはいかがでしょう。
一期一会の食事を提供

ダイニング「1/365」で楽しめるのは一期一会の和食。その日その時の一番のおいしいものを提供したいとの思いから、月替りのような決まった献立はあえて設けていないとか。でもその方がかえって、訪れる楽しみが増すかもしれませんね。

赤湯温泉がある置賜(おきたま)地方は、米や野菜、果物の産地として知られる所。それら新鮮な食材と天然調味料にこだわった料理は心も体も喜ぶものばかり。瀧波名物として好評を博していた餅つきの流れをくみ、お餅は朝食で提供しています。以前からのファンを満足させるもてなしも健在です。












