民芸好きにとって松本は聖地。憧れの町といっても過言ではありません。その松本で長い間、多くの人々を魅了してきた「旅館すぎもと」。民藝デザインを体現した外観はもちろんですが、中の設えも、もてなしも、大人のワクワクを誘います。
目 次
松本民芸家具とジャズの調べ

重厚にして堅牢。そんな「用の美」を追求した民芸運動に縁の深い地、長野県松本市。歴史的建造物も多く残り、松本民芸家具に代表される民芸やクラフトが盛んな土地柄です。
「旅館すぎもと」も民芸好きにはたまらない宿。でもこの宿、単に「民芸の宿」とだけ紹介してはもったいない! その理由は中に入れば一目瞭然、いえ一耳瞭然?

白い土壁と黒い梁。アンティークのソファ。松本民芸家具にシャンデリア。キリムのクッション。迎えてくれるのはジャズの調べ。しかもい〜い音!すべての空間が館主の美意識で貫かれていて不思議なハーモニーを生んでいます。

この宿ではあちらこちらにアンプやスピーカーなど、マニア垂涎の名機が置かれていて、音を楽しむ仕掛けがいっぱい。そう、男心をくすぐる宿でもあるのです。
デザインが異なる全17室

部屋は趣向が異なる17室。北アルプスを擁する信州の宿だけに、デザインはもちろん、山の眺望を選べる部屋があるのも魅力。たとえば「女鳥羽」は乗鞍岳を一望できるスイートルーム。ベッドルームとロフトが付いた和洋室で見晴らしは最高。しかも、この部屋もこだわりの専用オーディオセット付きです。

御殿山を望めるのが、ヒノキの内風呂を設けた「霧」と「霞」。北アルプスを望むツインベッドルームが「アルプス」。ほかにも囲炉裏があったり、土蔵の中の部屋だったり、いろいろ。「女鳥羽」以外にも専用オーディオを置いた部屋があるので気になる人は事前に確認しておきましょう。
館内の至る所にオススメ空間

温泉に浸かる前にもう少し館内散策を。敷地内の雑木林にあるのがドームのような天井を持つツリーハウス。竹や土、木など、自然素材で作ったアート空間です。宿では「ビール片手に昼寝でも」なんて使い方を勧めていますが、なかなかユニーク。読書にもピッタリです。

食事場所へ向かうのはなんと竹垣の地下トンネル!少しずつ地中に潜るように作り込まれたアプローチで、これもかなり珍しいでしょう。途中にバーがありますが、紹介は後ほど。

食事処は掘りごたつ式の民家風料亭とテーブル式の土蔵風料亭。個室の食事処もあり、いずれも木造りの温かい空間です。

料理は館主自らが創作する「束間野会席」。「会席」という字が示す通り、酒肴料理が多く、呑んべいは相好崩れること、請け合い。キノコがおいしい今の季節は、なおさら杯が進むでしょう。

そして極め付けが館主自ら打つ手打ちそば!1日10食限定なので、早めに申し込んでおきましょう。
バーで大人時間に酔いしれる

食事後は、先ほどちらりと紹介したバーへ。お腹がいっぱいでも、お酒があまり得意ではなくても、ぜひこのバーは訪れて欲しいのです。それほど「バーひびき」はこの宿の真骨頂とも言える空間。

中央に樹齢500年の栃の木のテーブルを置き、松を形どったようなガラス窓の前にはたくさんの洋酒が並びます。そしてここでも最高の音質で奏でられるジャズやブルースが。こんなバーでグラスを傾けていると「大人でよかった」と実感しますよ。

温泉は敷地内から湧き出る美肌の湯。ヒノキ、アスナロなど、「木曽五木(ごぼく)」を使った内湯や青い石を敷き詰めた露天風呂、貸切の露天の寝湯もあるので、よりどりみどり。ややぬるめの湯なのでリラックスして楽しめるでしょう。

それでもまだ温泉気分が足りない人は足湯へ。「七福の庭」と名付けられた石庭を眺めながらのんびりできる場所で、ここで静かなひと時を過ごすのも素敵な「大人時間」に。多くのワクワクを味わうと、ホラ、またすぐにでも再訪したくなるでしょう。












