美味しい食事は人々の心を豊かにしてくれます。それが旅先であれば、なおさら!いつもとは違う景色や設え、温泉で心と体をじっくりほぐした後の食事であれば、ひと際、記憶に残る食事となることは間違いありません。今回ご紹介するのも、そんな食事が期待できる美食宿ばかり。全国から5か所をピックアップしました。
目 次
1.一子相伝の味を守る“鰻の蒲焼”を山形の名宿で
天童荘(山形県/天童市)

将棋の町、山形県天童市にある「天童荘」は、数寄屋造りで総平屋建ての離れ「離塵境」と伝統と機能性が融合した「東亭」に11室を設けた宿。2024年10月、男女の大浴場を苔と竹をテーマにリニューアル。まるで禅の世界に入り込んだような、静かな空気に満ちた浴場へと姿を変えました。湯はナトリウム・カルシウム硫酸塩温泉。動脈硬化や切り傷に効果が期待できます。

この宿でぜひ味わってもらいたいのが鰻の蒲焼。前身が鰻屋だっただけあって、身は厚くてふっくら。タレはやや甘めで、ご飯も地酒もすすむこと、すすむこと!創業から一子相伝で守り抜いてきた秘伝の味は間違いのない美味しさです。

ほかにも日本三大和牛のひとつに数えられる「米沢牛」や山形の銘柄米「つや姫」「はえぬき」など、地元の美味を盛り込んだ「天童荘懐石」が自慢。山形の旬の美味も合わせて楽しみましょう。
天童荘
山形県/天童市
2.登録有形文化財の個室料亭でいただく絶品の「仙台牛」
時音の宿 湯主一條(宮城県/白石市・鎌先温泉)

開湯600年。傷によく効くと言われる鎌先温泉に立つ「時音の宿 湯主一條」。地元宮城では最大級と言われる木造建築で、一部4階建て。持ち山から切り出した木を使い、釘を1本も使わず建てられたそうで、国の登録有形文化財にも登録されています。この本館、現在は個室料亭「匠庵」として利用されており、宿を象徴するレトロ空間で美味しい料理が味わえます。

人気メニューのひとつは国産牛肉のA5ランクに認証されている「仙台牛」のステーキ。地元のブランド牛ですが、肉の旨みをしっかり味わえるよう、岩塩でいただくのが定番とか。

お腹に余裕がれば「フォアグラ大根」もぜひお試しを。コンソメでじっくり炊いた大根とカリッと焼いたフォアグラは意外なほど相性が良く、酸味のあるソースでいただくとするりと胃に収まります。「ミシュランガイド宮城」にて3レッドパビリオンを獲得。その実力を堪能しにぜひお出かけを。
時音の宿 湯主一條
宮城県/白石市・鎌先温泉
3.山田温泉の老舗旅館でいただく“ぽんぽん鍋”
緑霞山宿 藤井荘(長野県/山田温泉)

栗と北斎で知られる小布施の町から車で約25分。長野県高山村の「緑霞山宿 藤井荘」は、ため息をつくほど美しい松川渓谷の絶景に癒される宿。2022年10月にリニューアルした「藤 露天風呂付き客室【和洋室158平米】」の月見縁台から見る渓谷も記憶に残るほど美しく、まさに眼福と言っていいでしょう。

名物料理はオイルフォンデュの“ぽんぽん鍋”。可愛らしい名前ですが、その昔、タヌキの肉を食していたからとも、揚げる時にぽんぽんと音がするからとも言われ、なんともユニーク。実は先代のご主人が「山田温泉にはタヌキしかいない」と言われたことを逆手にとって考案したメニューとか。目の前で揚げる山海の幸の串揚げはからりとして熱々!何本でも延々と食べられそうですよ。

湯は戦国時代の武将、福島正則が発見したと言われる名湯で、ナトリウム・カルシウム-塩化物泉。入浴後には体が軽くなると言われる湯もたっぷり楽しんで。
緑霞山宿 藤井荘
長野県/山田温泉
4.風格漂う天橋立の老舗宿で、甘い松葉ガニを味わう
文珠荘松露亭(京都府/天橋立)

美しい松林と内海らしく穏やかな阿蘇海。「文珠荘松露亭」は、日本三景天橋立の景色を朝に夕に愛でて過ごせる宿。6室のみの小さな宿ですが、2024年3月には全室の新設・リニューアルを終え、使い勝手がより一層向上しました。

「特別室『雲井』(2023年3月新装 半露天風呂付)」は広さ約117平米。宿の最奥にあり、静かな余韻にあふれたお部屋。お部屋の半露天風呂は温泉ではありませんが、マイクロバブルバス仕様。日本庭園と木々の間に映る天橋立が心を癒す“庭園客室”です。

自慢の食事はとびっきり新鮮な海の幸。丹後に春を告げるイサザに始まって、初夏なら、トリ貝や岩ガキ、丹後グジ。夏はハモ、秋は松茸、冬なら松葉ガニ。四季折々の旬の味が楽しめるので、季節を変えて訪ねたくなります。特にオリジナルの「松葉蟹のかに味噌フォンデュー」は宿一押しの一品です。ぜひお試しを。
文珠荘松露亭
京都府/天橋立
5.食材への強いこだわりを持つ、山陰有数のラグジュアリー宿
やど紫苑亭(鳥取県/米子市)

テラスを含め広さ約100平米のプレミアムスートと約150平米の貴賓室、その全室に半露天風呂または露天風呂を設けた鳥取県・皆生温泉の高級旅館「やど紫苑亭」。湯船を満たすのは、ナトリウム・カルシウム塩化物泉。湯冷めしにくく、美肌効果もあるため「デトックス温泉」と呼ばれ、湯量も豊富。贅沢にも源泉掛け流しで提供しています。

「もてなし」「施設」「お風呂」など、どの分野の口コミも高評価。「食事」も同様で、料理長自ら生産者のもとへ足を運び、食材を吟味する姿勢が高評価につながっているよう。特に専用の生簀を持つほど松葉ガニには強いこだわりがあり、近くの境港に揚がるカニの中でもこの宿の基準を満たすのは3,000匹に1杯程度とか。

食事は個室ダイニングで。カウンター席を選べば、総料理長との会話が極上のスパイスとなって、きっと思い出深い食事になるでしょう。
やど紫苑亭
鳥取県/米子市
日本全国には、まだまだ知られていない“美味しい宿”がたくさん!お腹が満たされると、心も満たされます。大切な人を誘って、全国のそんな美食宿へぜひお出かけください。












