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【滞在記】建築家・遠藤新設計、葉山を見渡す1日1組限定の宿で近代建築の美しさに触れる
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【滞在記】建築家・遠藤新設計、葉山を見渡す1日1組限定の宿で近代建築の美しさに触れる 国登録有形文化財 葉山加地邸(神奈川県/三浦郡)

美しい自然と文化が融合する葉山に佇む、1日1組限定の「国登録有形文化財 葉山加地邸」。「旧帝国ホテル 東京」などの建築を手がけた巨匠フランク・ロイド・ライトの弟子である、遠藤新氏が1928年に設計し、登録有形文化財に登録されています。
当時のデザインを継承しながら、宿泊用にリノベーションされた一棟貸しにて、近代建築の美しさを堪能できる滞在をご紹介します。

自然と建築が融合された邸宅

葉山の穏やかな雰囲気に包まれ、丘を登ると「国登録有形文化財 葉山加地邸」の看板が現れます。

建物の門を開けると広がる非日常空間。全てが平ではなく、斜面に這うような地形を活かした設計が特徴です。

広々とした庭からは葉山の絶景を望みます。桜や梅の木が植えられており、時期になると美しく咲き庭に彩りを加えるそう。

建物越しに柔らかく差し込む夕日にうっとりします。

宿で結婚式を挙げる際に、写真撮影で使われることもある大谷石で飾られたピロティは、まるで額に入った絵のよう。

至る所に建築の仕掛けが散りばめられた居間

建物内に入ると広がるのは、温かみのある木の色味が落ち着く空間。

遠藤氏の建築には仕掛けが多く、住んでいる人に暗示をかけるような設計になっています。天井の低い扉で一度視界が狭くなった後、続くのは広々とした吹き抜けの居間。狭い広い・低い高いなどの心理的効果の演出が様々な場所に施されています。

遠藤氏の師であるフランク・ロイド・ライト氏は暖炉の設計でも有名。建物内には暖炉が4つあり、エクストラチャージを支払うと全て利用できます。

隣の部屋との境目にある壁には、空気の流れを作るよう扉があるのも遠藤氏のこだわり。日本の屏風を意識したデザインで、片側は金箔、もう片側は銀箔になっています。

インテリアは建物のために統一されており、部屋の中にいくつかある釣り下げ型の照明も全てデザインが異なるそう。

大きな窓からは美しい庭を望み、開放感があります。長方形に見える柱は、近づくと台形になっており奥行きが感じられる工夫が。

建築好きなゲストが宿泊することが多いそうで、建築的な評価の高さが伺えます。

居間を見下ろす中2階は、かつてピアノが置かれていた場所。結婚式の際はこちらで生バンドが演奏を奏でます。

対になっているもう片側の中2階は、子供たちのライブラリースペースとして使われていたそう。空間の流動性が重視された建築で、仕切りのある空間でも繋がって広々と使えるように計算されています。

円を基調としたデザインが特徴の球突室

ビリヤードをするために作られた球突室は、遊び心を感じる空間。

ビリヤードの球をイメージし、照明と暖炉は円を基調としたデザイン。天井の中央部分が低くなっており、高さの差による換気口がセンス良く取り付けられています。

音楽を流しながら談笑するのも良いですね。

壁には東海道五十三次の画が。オリジナルでアーティストに描いてもらったそうで、オーナーの飼い犬や江の島、富士山も描かれている素敵な作品でした。

葉山の自然と陽の光を感じる開放的な食堂

食堂はテラスと一体として設計されています。

食堂にある暖炉は、建物内に4つある中で唯一の左右非対称。遠藤氏の師であるフランク・ロイド・ライト氏は何千もの暖炉をデザインしましたが、左右異なるデザインは珍しいそう。

大きな窓からは、葉山のロケーションと明るく差し込む陽の光を感じることができます。

屋根付きのテラスには、バイオエタノール暖炉があり、無料で利用可能です。

本格的なキッチンで調理を楽しむ

必要なものが一通り揃った本格的なキッチン。夕朝食付プランを予約すると、出張シェフがキッチンで作るディナーを体験できます。

200ボルトの機能的なIHコンロ。

調理機器も豊富に揃っており、みんなで調理を楽しむのも良いですね。

カプセル式コーヒーメーカーもあり、人気のドリンクを飲むこともできます。

遊び心あふれる巨大風呂で寝湯を堪能

キッチンの脇にある階段を降りると、想像を超える豪華なお風呂が待っています。

大人の秘密基地のような雰囲気の先に待ち構えるのは、寝湯も堪能できる大きなお風呂。思わず声を上げてしまうほど広々としたお風呂を、自分たちだけで楽しめるのは一棟貸しならではの贅沢ですね。

地下にあった倉庫がお風呂に生まれ変わり、建築や風景を守りながら長い間受け継がれてきた邸宅の新たな魅力としてゲストに愛されています。

一度お湯を溜めると8時間は温度が保たれます。Bluetoothで好きな音楽を流しながら、疲れを癒しましょう。

広く快適に利用できる洗面所。お風呂や洗面所には床暖房が設置されており、寒い時期も体を冷やすことなく過ごせます。

バスローブやタオルも用意されており、宿としてのサービスも整っています。タオルは肌触りの良い今治タオル。

大きなお風呂に入れる入浴剤はそれぞれ3袋ずつ置かれており、お好みで香りをチョイスできます。

湯道の家元である小山薫堂氏が厳選する「湯道100選」に選ばれたことも。遊び心あふれる巨大風呂をぜひ体験してみては。

大人数利用でも快適に過ごせる3つの寝室

続いて、2階に上がると展望室が。照明を真ん中に、まるで絵画のような絶景が広がります。景色を楽しむために作られた部屋からは、東から西へ山並みが続き、相模湾や大島などの絶景を一望。

主寝室は扉を挟んで書斎と寝室に分かれています。どちらも二面採光で安心感を与えてくれる温かみのある雰囲気。

「gelato pique」のナイトウェアは肌触り抜群で、ぐっすりと眠ることができました。

主寝室のみシャワールームがついています。タイルは一枚ずつ素焼きで可愛らしいデザイン。

1階にも寝室が2つ。かつて建て主だった加地利夫氏の子供たちが寝室として使用していた部屋で、それぞれツイン、ダブルルームとして利用できます。

「Loriga 三浦半島食蔵」のシェフが作る地元食材を使ったディナーコース

続いてはディナータイムへ。夜になると重厚感に包まれ、歴史を感じる雰囲気がより非日常感を高めます。

三浦半島で「Loriga 三浦半島食蔵」というレストランを営む、伊藤亮太郎シェフが地元食材を使ったコース料理。

希望に合わせてワインをチョイスしていただきました。酸味と甘味のバランスが良く、料理に合う味わい。

一品目は「菜花と赤イカのサラダ仕立て」。菜花の柔らかくほろ苦い風味と赤イカの甘みがマッチしていて、味付けも美味しくぺろりと食べてしまいました。

「厚木椎茸のフリッタータ」は、厚みのある椎茸の香りに食欲がそそられる一品。椎茸の風味を柔らかい卵が包み、食べ応え抜群です。

柔らかくとろっとした食感が特徴の「ポロネギのスープ」。ネギの一種ですが独特の香りや辛みは感じず、優しい甘みに心がほっとしました。

続いては驚くほど絶品だった、「芽キャベツと太刀魚の手打ちパスタ」。ローストされた芽キャベツは香ばしく、素材の味と食感を堪能できます。手打ちパスタとカラスミがよく絡まり、思わずおかわりしたくなるような美味しさ。

もっちりとした食感と、食材の旨みが詰まった「ゴボウのラビオリ」。全体的に上品な味付けと量がちょうど良く、コースの後半に差し掛かっても疲れることなく料理を堪能できました。

「ホウボウのアクアパッツァ風」は、ふっくらと厚みのあるホウボウをカリッと焼いて、魚の出汁と絡めていただきます。添えられた黄色のカリフラワーやザーサイの芽は地元で採れたもの。

ラストは「丹波産 猪の煮込み」。好みが分かれることの多い猪ですが、柔らかく煮込まれた肉からは臭みを感じず、濃厚なソースと絡めて美味しくいただきました。

デザートは「セミフレッドと三浦産柚子」です。甘みのあるセミフレッドの軽くふんわりとした口溶けと、さっぱりした柚子の食感がマッチ。見た目も美しく、最後まで充実したコースに大満足でした。

食後はバイオエタノール暖炉に火を付けて、コーヒーを飲みながらゆったりと。暖炉の火を眺めながら、1日の終わりに優しい時間が流れます。

「AVEC Café」のオーナーが作るイングリッシュブレックファースト

朝食は「AVEC Café」のオーナーで、料理家の馬庭仁美氏が作るイングリッシュブレックファースト。

食材は鎌倉・三浦野菜を使用しており、爽やかな朝にぴったりの彩り豊かな朝食。葉山の自然をバックに、気持ち良く1日をスタートできます。

近年、様々な開発が進む中で、良質な建築と景観を守り続けてきた「国登録有形文化財 葉山加地邸」。近代建築の美しさに触れ、受け継がれてきた歴史を感じながら、遊び心あふれるこの宿ならではの魅力を堪能してみてはいかがでしょうか。

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国登録有形文化財 葉山加地邸

神奈川県/三浦郡

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