京都駅から車で向かうと40分ほど。ホテル「moksa」のある緑豊かな比叡山の麓・八瀬には、日本最古の窯風呂があることで知られています。古来より、心身を浄める場所として愛されてきたことから、この地に誕生したお宿もまた、疲れた身と心を清め“再生”がコンセプトに。いったいどんな生まれ変わり体験となったのか、今回の記事では、充実の滞在の様子をご紹介します。
目 次
マイナスイオンに包まれた癒しの立地

ホテルがある場所までは、地下鉄烏丸線・国際会館駅からホテルの送迎車が出ています。ですが、おすすめは出町柳駅から出ている、ローカルな叡山電車に乗って行くこと。単線の電車に揺られながら、終点の八瀬比叡山口駅に着くと、レトロな駅舎も可愛らしく、さらに旅気分が盛り上がります。
駅の裏手に回ると、高野川を渡るつり橋があるので、ここを通って行くと、わずか5分ほどでお宿に着きます。

実は「moksa」が2022年3月にオープンしたとき、感度の高い京都の友人の間でも話題になっていたので、とても気になっていたのです!

館内に入ってまず驚いたのが、チェックインカウンター越しに見える庭の緑。迫りくるような、まぶしい緑に圧倒されました。横にあるカウンター「帰去来(ききょらい)」では、この美しい景色を見ながら、カフェ感覚でお好みのドリンクがいただけます。
ホテル名の「moksa」とは、梵語で”解脱”や”解放”を意味する言葉。「生まれ変わるような体験をしてもらいたい」という思いは、館内の至る所で感じられるようになっており、「帰去来」で飲めるドリンクも、東洋医学の陰陽五行説を基にした、特別にブレンドされた「養生茶」が用意されていました。ちなみに「moksa」はドリンクインクルーシブのお宿なので、滞在中の追加費用も気にせず楽しめます。お茶のほかには、大原の紫蘇ジュースや、ペリエ、ビール、スパークリングワインまでありました!

今回、宿泊したお部屋は3階の「スーペリアリバーツイン」。その名の通り川沿いのお部屋で、窓を開ければ、すぐ目の前には新緑、川が豪快に流れる音まで聴こえ、思わず深呼吸したくなる気持ちの良い空間となっています。

嬉しいことに、浴室からもこの景色が堪能できるようになっています。

リビングルームに用意されていたウェルカムドリンクとおやつ。
京都の美山で活動している作家・芦田尚美氏の手掛けるオリジナル陶器(「MOKSA」のフォントデザインも可愛いですね)に、お茶のティーバッグ、お茶菓子には京都の老舗味噌店「御幸町 関東屋」の「白味噌おかき」が置いてありました。

冷蔵庫には甘酒やペリエ、京都の地ビール「黄桜 京都麦酒」2種など。

アメニティーが入っているのは、竹製のボックス。ブラシや歯ブラシなどが入っている袋も紙製で、こういう所に天然素材が採用されているのもまた、サステナブルで良いなと思えます。

キャンバス地の袋には、ドライヤーが入っています。可愛いデザインでお客様にも好評だとか。その奥にはカゴバッグがあり、ホテル内を散策する際に携帯などのちょっとした荷物を持ち運べて便利でした。

お部屋の一角には、簡単な調理に便利なミニキッチン。

お部屋の入り口には玄関スペースと下駄箱が設置され、自宅のように靴を脱いで過ごすこともできます。ホテルの中を歩き回れる専用のスリッパもありました。気軽に履ける、いわゆるサンダルなのですが、しゃれたデザインで特別感があります。

ルームウェアには、パジャマの用意が。くたっとした生地で着心地も良く、館内着としてロビーやレストランなど、どこでも着用可能だそう。

お部屋でゆっくりしたあとは、ぜひ館内をいろいろ散策してみてください。ショップには「帰去来」でいただけるお茶の茶葉や、ダイニングでも使われている茶器(一部)などが販売されています。気に入ったアイテムを購入して、自宅でホテル気分を味わうのも良いですね。
棚の上に鎮座しているのは「moksa」の守り神「moksa jin(もくさじん)」。
館内の至る所に、姿形を変えた「moksa jin」が置かれているので、見つけるたびに「こんな所にもいた!」となるのが、小さな楽しみでした。

続いては、日本庭園をお散歩。池にいるコイに餌やりをすることもできるので、お子さん連れの方にも喜ばれそうです。
「moksa」のすぐ近くには、通常非公開ですが、春夏秋にだけ期間限定で公開される瑠璃光院があります。庭の美しさで名高い名所ですが、この「moksa」の日本庭園も、実はその瑠璃光院の庭を手掛けた庭師さんが造作したのではないかと伝えられているそう。本当に引けを取らない美しさで、感激しました。

池にもいました「moksa jin」。静寂に包まれた庭をゆっくり歩くだけで、鈍っていた五感を取り戻していくような心地良さがあります。
想像を超えるおいしさに出会える薪火料理

ディナーは、館内のレストラン「MALA」で薪火料理のコースをいただきます。レストランも日本庭園の緑が存分に楽しめるレイアウト。まるで瑠璃光院の書院を思わせるような設えです。

薪窯を囲む形で設置されたカウンター席では、シェフが間近で調理する様子を眺めながら、料理をいただけます。

直火で食材を焼く香りやパチパチと薪のはぜる音が、食欲をさらに刺激します。

グループや小さなお子さんを連れた家族連れに、個室の用意も。

コースで使われる食材は、近くの大原で採れたお野菜や、地鶏のお肉など。この薪火料理なるものを今回私は初めて体験したのですが、遠赤外線効果で食材はふっくら、そして一口食べた瞬間の、鼻に抜ける香ばしさがたまらなくおいしいのです!どのお皿にも想像を超えた驚きがあって、途中、写真を撮るのも忘れて夢中で食べてしまったほど。ディナー時も、もちろんアルコール類を含むドリンク(一部を除く)が無料です。

コースの締めくくりは、専属パティシエによるデザート。最後の最後までおいしい。

食後は、ライトアップされた庭を再び散策しました。昼間見た風景とはまるで異なる、ため息のでるような景色に出会えます。
今回訪れたのは、ちょうど蛍が飛び交う時期で、蛍がよく見えるスポットにも案内してもらいました。つり橋の近くが穴場だそう。一度にあんなにたくさんの蛍を見たのは初めてで、幻想的な光景に心洗われるようでした。

敷地内に戻ってきたら、カウンター「帰去来」はバーに早変わり。

ここでしか飲めないオリジナルの「煎り番茶ジントニック」をいただきました。食事の際にも提供してもらった江戸創業の日本茶専門店「一保堂茶舗」の「いり番茶」が使われており、独特のスモーキーな香りを堪能できます。
完全プライベートサウナで始まる至福の1日

ホテルの1階には、サウナの聖地「サウナしきじ」の娘、笹野美紀恵氏がプロデュースしたという、3種の完全予約制のプライベートサウナ「蒸庵」があります。
夕食後や翌朝など、好きなタイミングで入りたい場合は、チェックイン時もしくは事前に予約しておくことをおすすめします(別途料金)。

私が入ったのは“炭化した薪”をイメージしたという「炭蒸」。こんなに広い空間を貸し切れるなんて、それだけでもテンションが上がります!!
サウナ初心者も、手順を説明したミニ冊子を渡してもらえるので安心です。サウナで汗だくになったら水風呂に浸かり、窓を開け放して外気浴。畳スペースに、ごろ〜んと寝ころんでいると、意識がふわ~っと別世界に飛んでいくような……これぞ「整う」感覚。誰もいない自分だけの空間でしっかり90分。こんなにも気持ちの良い1日の始まりがあるでしょうか。

整ったあとは、レストラン「MALA」で朝食です。和食・洋食・養生朝食と3種類あるのですが、ここはやはり体に優しい「養生朝食」をセレクト。湯葉の餡がかかったお粥には、柚子も入っており風味豊か。あっさりした味わいを楽しみつつ、小鉢にあった薬味の梅醤油を加えて味変しながらいただきました。お粥はおかわり自由とのことで、しっかり2杯完食してしまったのでした。食後には台湾のスイーツ、つるりとした口当たりのオーギョーチを。サウナ後の体に染みわたるおいしさです。
「moksa」に着いた瞬間、隅々までセンスの良さが行き渡っているこのホテルに「何日でも泊まりたい!」と思いました。そして実際に1泊2日を過ごしてみて、庭の美しさ、新鮮な驚きのある料理、サウナでの天にも昇るような爽快感……と濃い時間を体験してみると、もうすでに何日も滞在したかのような感覚になっていました。
また、余計なものが削ぎ落とされて本来の自分を取り戻したような「『moksa』に来る前の私とは確実に違う」という実感も。旅を超えた、ここでしかできない体験をぜひ味わってほしいなと思います。
ほかにも、まだまだいろいろなサービスがあり、この記事だけではご紹介しきれませんでした!もうひとつの記事では、残り2種のサウナルームや、薬酒をセットにした晩酌サービス、お茶体験などについてご紹介します。
moksa
京都府/京都八瀬












