比叡山の麓に2022年3月にオープンした「moksa」は、日本古式の窯風呂発祥地にできたホテル。“生まれ変わりを体感する”という、これまでにない発想を持つ新コンセプトホテルです。
目 次
生まれ変わったような自分に出会える宿

高野川の流れ。緑の山々。「moksa」が開業したのは、京都市中心部から車で約40分とは思えないほど、豊かな自然に恵まれた洛北の八瀬。日本仏教の母山で、山域すべてが境内という霊験あらたかな比叡山延暦寺の麓にあって、八瀬は古くから天皇家との関わりが深い里でした。

実は八瀬は窯風呂の発祥地。壬申の乱で背中に傷を負った大海人皇子が、かまくらのような窯の中に入り、蒸気を浴びて傷を癒したという逸話も残るとか。

「moksa」は、そんな八瀬の地の力にちなみ“再生”をテーマに掲げた宿。プロデュースには小山薫堂氏が率いる企画集団「オレンジ・アンド・パートナーズ」も関わっています。
3種類のプライベートサウナ

梵語で解脱や解放を意味する「moksa」を宿名にしたことからもわかるように、宿泊客に心身ともに健やかになってもらうための手段や設定には、とことんこだわり抜きました。


まずは「サウナしきじ」の娘、笹野美紀恵氏がプロデュースしたサウナ「蒸庵」。炭をイメージした黒一色の空間と比叡山にも多く自生する神木・檜をテーマにした空間、体内のコラーゲンを活性化する特殊な光を用いた空間の3つの異なるサウナを設置。いずれも完全予約制のプライベートサウナで、自身の内なる思いや力と向き合える設えとなっています。

客室は高野川を眺める「リバースイート」と比叡山ビューの「ガーデンスイート」などがあり、全31室。いずれもアースカラーで統一された和の風情も感じられるインテリアで、アメニティには植物療法の第一人者である森田敦子氏が監修した「Waphyto」が採用されています。
土地の力をいただくお食事

食事はオールインクルーシブスタイル。レストランでの食事と3種の薬酒セット、深夜食、喫茶体験などが含まれており(レストランの一部のアルコールは有料)、お財布を気にせず楽しめます。

レストラン「MALA」では、頭に薪を載せ京へ行商に出ていた八瀬の女性たち「小原女(おはらめ)」に着想を得た、薪火料理を提供。近くの農家から仕入れた旬の食材を薪の火を自在に操るエグクティブシェフの宍倉宏生氏が素晴らしい1品に仕上げてくれます。

朝食は和食、洋食、養生食からのチョイス。おかゆにゆばとユズのあんをかけた養生朝食は、疲れた胃を優しくいたわってくれそうです。
リラックスのためのお茶


体の内側からゆっくり整えてくれるお茶や薬酒のサービスも。ルームサービスでは果実やハーブを漬け込んだ薬酒3種が提供されるほか、苔庭を眺めながら薬膳茶などがいただけるお茶カウンター「帰去来」があるので、滞在中あれこれ試してみるのもいいでしょう。


館内はあちこちにアートが飾られ、まるでギャラリーを訪ねたような趣。宿の守護神のような土偶「moksa jin」(彫刻家・沓澤佐知子氏作)をはじめ、茶布、金工、唐紙など、素材も作風も異なる作品が場と見事に調和して、唯一無二の民俗的モダン空間を作り上げています。「moksa」ならではのこの魅力もどうぞお楽しみに。
moksa
京都府/京都八瀬












