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新潟の人気オーベルジュにインタビュー!お客様の「また行きたい」を引き出すワイナリーステイの魅力とは
インタビュー

新潟の人気オーベルジュにインタビュー!お客様の「また行きたい」を引き出すワイナリーステイの魅力とは WineryStay トラヴィーニュ byカーブドッチ(新潟県/新潟市)

「露天風呂付客室」や「プライベートプール」など、旅好きな一休.comユーザーからの人気が高いキーワードは色々ありますが、ここ最近特に人気が高まっているのが「オーベルジュ」。

今回は、一休.comユーザーからも人気が高い「WineryStay トラヴィーニュ byカーブドッチ」を運営する株式会社カーブドッチの代表取締役社長・今井卓氏と、料理長の川上誠氏にZOOMインタビューを実施。お二人が考えるオーベルジュの魅力から、料理へのこだわり、今後の目標や挑戦したいことなど、多岐にわたってお話しいただきました。

WineryStay トラヴィーニュ byカーブドッチ」誕生のきっかけ

-「WineryStay トラヴィーニュ byカーブドッチ」は「カーブドッチワイナリー」の中に2019年11月にオープンされましたが、誕生のきっかけについて教えてください。

(今井氏)先ず「カーブドッチワイナリー」の成り立ちからお話しすると、今は「カーブドッチ」という会社名ですが、最初は「欧州ぶどう栽培研究所」という名前でした。先代の創業者である落希一郎が、欧州系の「ヴィニフェラ」というワイン専用品種だけに特化し、自家栽培・自家醸造するワイナリーを目指して、1993年に創業しました。
当時の日本のワインに関する状況は今と全然違って、一番大きいのはワイナリーの数が少なかったことと、当時日本のワインは、生食用のぶどうを加工したものが主流を占めていました。そんな中、ワイン専用品種だけでワインを作ることや事業化することは、業界的にも難しいと言われていましたが、創業者としては、自分が実際にナパ・バレーを訪れて見たものを実現したいという想いだったそうです。

当時はまだ、日本でワイン用のぶどうやワインの製造現場に接する機会が殆どありませんでした。特に新潟はワインを飲む人が少なかったので、ワインとはどういうもので、どんな場所で作られているのかを、お客様に知っていただくことが必要でした。商品を流通に卸さずに直接販売すれば、物と情報を直接お客様にお渡しできて、小規模ワイナリーでも利益を得られるので、お客様に現地に来てもらって、時間を過ごしてもらうというのが、創業当初からのコンセプトでした。
そこから、レストランやワインショップ、カフェ、ベーカリーを作って、間口を広げると同時に、来訪のきっかけや滞在時間を伸ばすための展開をしてきましたが、実は、オーバーナイトでワインと食を楽しむということも、夢としては創業当時から持っていました。

2009年に「WineryRetreat ヴィネスパ byカーブドッチ」という、宿泊もできる日帰り温泉施設を始めたのは、閑散としてしまう冬期の入込を増やすためです。それは狙い通りになりましたが、オープン前から「ワインリゾート」という言葉を使って訴求したことで、ファミリーのお客様よりは大人のお客様が多くなって、雰囲気も落ち着いていきました。それはやっぱり、ワインを核にした大人のリゾートというイメージが、お客様の中に浸透していったからなのだと思います。

前後して新潟市の中心部にレストランやカフェをオープンさせて地元での認知は高まって行きました。2015年頃東京への出店が決まったことで、ワイナリーにとして新たな展開を本格的に考えることになりました。「WineryRetreat ヴィネスパ byカーブドッチ」は、複合施設であれこれ楽しめるスタイルだったので、「WineryStay トラヴィーニュ byカーブドッチ」はワイナリーに滞在して純粋に“ワインと食”を愉しむオーベルジュスタイルの宿泊施設としました。

-「WineryStay トラヴィーニュ byカーブドッチ」を「オーベルジュ」というスタイルにしたのは、本業であるワインを主にするというのが一番の目的だったのですね。

(今井氏)そうですね。“新潟でワインをつくる”というのがカーブドッチのミッションなので、そのワインをここで楽しんでいただく為には「食」と「泊」が必要だということになります。

-宿名に「オーベルジュ」と謳っていないことには何か意味があるのでしょうか?

(今井氏)昔からカーブドッチは、何かひとつのイメージがつくことに抵抗があったので、「オーベルジュ」という言葉を付けたくなかったのです。もちろん口頭で説明する時は「オーベルジュ」と説明していますが、コンセプトや意味合いを自分達なりに膨らませて「WineryStay トラヴィーニュ byカーブドッチ」という造語を組み合わせた宿名にしました。

Winerystayはそのままワイナリーに滞在するということを表しています。Traは「~を抜けて、通って」、Vigneは「ワインぶどう」なので、ぶどうの畑を抜けた先にあるワイナリーの宿「トラヴィーニュ」です。

WineryStay トラヴィーニュ byカーブドッチ」が届けたいオーベルジュの魅力

-オーベルジュは一般的に「宿泊施設があるレストラン」と言われていますが、今井様が「オーベルジュ」を一言で説明するとしたら何でしょうか?

(今井氏)
基本的には「宿泊できるレストラン」だと思っています。
一般的な「オーベルジュ」は、オーナーシェフと言われる方が地の素材を活かした自慢の料理と、それにあうワインを世界中から取り揃えてお客様をお迎えします。でもここでは使えるワインがカーブドッチのみです。料理をワインから考えるという点が、一般的なオーベルジュとは逆になるのかと思います。

トラヴィーニュは食とワインを楽しむための宿泊施設という点では他のオーベルジュと変わらないですが、ワイナリーの中にあるというところが大きな違いです。いつでもぶどう畑を散歩できますし、ぶどうを摘まむこともできます。到着から帰るまで、ぶどうの葉や枝が揺れている音、畑を渡ってくる土の匂いとか、ここでしか体感できないことがたくさんあります。私たちにとって「オーベルジュ」はワイナリーの一部です。

WineryStay トラヴィーニュ byカーブドッチ」の料理の特徴とこだわり

-「WineryStay トラヴィーニュ byカーブドッチ」の料理は、具体的にどのような特徴があるのでしょうか?

(川上氏)提供しているワインは全て自社ワインなので、ワインから料理を考えることが多いです。地物の食材を使って自分達で作ったワインの本質を引き出せるような料理にしたいと思っています。

あと、街中にあるレストランとは違うのでワイナリーの中にあるということを常に意識します。例えばぶどうの葉や枝、ワインの搾りかすなど、仕入れることはできないけどワイナリーには普通にあるもの、そういったものを取り入れて、ここならではの一皿を作るようにしています。
お客様が召し上がった時に「ああ、ワイナリーに来たんだ」と、臨場感を味わえるような一皿にしたいですし、カーブドッチワインは、やはり同じ砂地で作った食材と相性が良いと感じているので、ディナーではぜひワインと楽しんでいただきたいです。

-実は7月末に宿泊させていただいたのですが、ぶどう畑を眺めながらアミューズをいただいたり、テーブルにぶどうの葉が飾られていたり、ディナー全体を通して「Winerystay」を満喫できました!

(今井氏)ありがとうございます。私達には毎日見慣れたものなので、つい、特別なことをしなければと考えがちなのですが、お客様からすれば、葉っぱや枝を使って燻した料理が出てくるだけで、シンプルに「ワイナリーに来た」ということを実感できる訳ですよね。私達の周りに転がっているものを見落とさずに拾い集め、お皿やテーブルの上でワイナリーを実感していただけるように努めたいです。

先程もお話ししたようにカーブドッチワインがあっての料理です。ワインは作った料理と合わせることで隠れていた香りや味わいが引き出され、より楽しむことができると私達自身が実感しています。ディナーではぜひワインペアリングを楽しんでいただきたいです。ここでしかできないことですので。

-食材は県内産のものを多く使用されているかと思いますが、食材選びで意識していることがありましたら教えてください。

(川上氏)基本的なことですが、なるべく地物を使いたいと思っています。周りの農家さん達は皆さん良い物を作られているので、料理を通じて紹介できるように、意識して地物を使うようにしています。

-生産者さんや漁師さん達との交流も多いのでしょうか?

(川上氏)ここから車で20分程の所に間瀬漁港という小さな港の競り権があるので、魚はそこから直接買い付けています。私も漁港に行って漁師さんと交流させてもらっていますが、見たことが無いような珍しい魚が揚がることもあるので「これはどうやって使うのが良いですか?」と質問したり、漁師さんから教えていただいたりすることも多いです。

-漁師さんや生産者さんとのコミュニケーションが、メニューのヒントになることもありそうですね。他に、料理のインスピレーションのきっかけや、ヒントにされているものはありますでしょうか?

(川上氏)そうですね、漁師さんから教えていただいたことをきっかけに生まれたメニューも中にはあります。
他にはやはり、近くの生産者さんの直売所に行くと、その時に一番美味しい旬の物が並んでいるので、そういったものを使うようにしていることと、あとは、今のぶどう畑の様子ですね。先程もお話ししたように、ぶどうの葉や枝などを料理に取り入れているので、夏には夏、冬には冬のぶどう畑の様子が見えるような一皿にできればと思っています。

WineryStay トラヴィーニュ byカーブドッチ」を満喫するためのおすすめの過ごし方

-滞在をより満喫するための、おすすめの過ごし方を教えてください。

(今井氏)まずはワイナリーを楽しむことですね。ワイナリーツアーやワインペアリングは多くの方に選んでいただいているオプションです。歩いてすぐのところに小さなワイナリーも数軒あり、そちらを訪ねるのも魅力です。ワイン以外ですと、特に女性にお勧めしたいのはAVEDAでのヘッドスパやボディートリートメント。
お客様を見ていると、またここに行きたいと思う理由が人によって様々あるように感じていて、それが私達の施設の大きな魅力なのだと思っています。
私達がやっているのはワインを核としたビジネスですけれど、お客様が「カーブドッチに行く」と言った時の目的が、ある人はお風呂に入りに行く、またある人はランチを食べに行く、ワインやパンを買いに行く、泊まりに行く、という感じで様々な利用の仕方があります。そういう意味で「カーブドッチ」自体が目的になっていると思うので、おすすめの過ごし方というのも人それぞれあって良いですし、思い思いに楽しんでいただけたら嬉しいです。

-私も実際に宿泊して、様々な楽しみ方があると改めて思いました。自然豊かな環境なので四季折々の魅力があるかと思いますが、その中でも今井様のおすすめの季節はいつになりますでしょうか?

(今井氏)夏は緑が茂って、ぶどうもたくさん実っているのでワイナリーらしい景色が魅力です。でも、静けさの中で過せる冬は、また違った魅力があります。
ぶどう畑の葉はきれいに落ちて、枝だけが残り、整然とぶどうの樹が並んだ畑は遠くまで見渡せて夏よりも広がりを感じます。景色のトーンは背景の山々も含めて全体的にモノクロに近い色合いで、靄のかかる早朝などはとても幻想的です。

静かなラウンジでは暖炉に火が入り、落ち着いた雰囲気の中で、ゆっくりとした時の流れを感じながら過ごしていただけると思います。
料理も、時間的に余裕のある冬だからこそできることや、ジビエなどこの時期にしか入らないものもありますので、冬こそ是非来ていただきたいです。カモやイノシシ、シカ、あとは魚沼のクマなど県内産のジビエをお出ししています。
天候の心配から冬の新潟は敬遠されがちですけれど、この辺りは、沖にある佐渡島の山脈と横にある角田山の地形の関係で、昔から積雪はとても少ないのでご安心ください。

これからの「WineryStay トラヴィーニュ byカーブドッチ」が目指すところ

-2022年3月には「WineryRetreat ヴィネスパ byカーブドッチ」がワイン&ブックラウンジとしてリニューアルオープンされましたが、どのような狙いがあったのでしょうか?

(今井氏)「WineryRetreat ヴィネスパ byカーブドッチ」のオープンから10数年経ち、新陳代謝をしていかなければならないことは明白でした。それは何?と考えていた中で、プライベートで「松本十帖」に泊まった役員がいて、そこでの体験から「本を取り入れてはどうか」という話になりました。
ワインや料理は食べたり飲んだりすることで、体の中から楽しく幸せになるもの。温泉やスパは、外からの刺激によって気持ち良くなるもの。そして次は、知覚とか知性に訴えて癒しや新しい発見を得ることができる場を提供することにしました。自分の行動履歴からしか情報を表示しないデジタルのウェブとは違って、書棚にはばったり新しい知と出会うチャンスが潜んでいます。アナログに戻って活字に触れ、自分の感性や知性を刺激できる空間は、今だからこそ魅力を感じてもらえるのではないでしょうか。

-ライブラリーの選書は、ブックディレクターの幅允孝さんがご担当されたそうですね。ワインのコーナーや、食のコーナーなど「カーブドッチ」らしいテーマですし、本のバリエーションも豊富で面白いなと思いました。

(今井氏)館内にある約4,000冊の本は、10のテーマに分かれています。その選書はすべて幅さんにお任せしました。気に入ったものは購入することも可能です。通常の本屋と違い「今、売れている本ではなく、長く売れている本」が選ばれていて、タイトルを見ているだけでもわくわくする本が多いですね。10月には幅さんが季節ごとに選ぶ「幅棚」も登場します。

今後は、ライターズインレジデンスという形で小説家の原田マハ氏に逗留していただいて、ここをテーマにした作品をカーブドッチとして出版する予定です。本をテーマにした小さなセミナーも始めていますし、作家さんとコラボレーションした企画もやっていきたいと考えています。

-今後の目標や、挑戦してみたいことがありましたら教えてください。

(今井氏)カーブドッチの敷地全体を「Winerystay」というコンセプトで充実させていきたいと思います。オーベルジュである「WineryStay トラヴィーニュ byカーブドッチ」はその名の通り、今後もワイナリーの旗艦として多くのお客様をお迎えしていくことになると思います。カーブドッチとして「滞在」を今後どう展開していくか、次の夢はまだはっきり申し上げられませんが、考えていることはあります。また、実はビールやソーセージなど以前から作り続けている自家製品もありますので、ワイン同様に力を入れていきたいです。
リゾートresortは、「再び」を意味する”re”、「出かける」を意味する”sort”が合わさった言葉と言われています。カーブドッチもワインリゾートとして、訪れた方が「また行きたい」「帰って来たい」と思っていただける場所にしていきたいですね。
多くの地元のお客様と同様、首都圏や県外からのお客様も多くなりました。働く人の笑顔はお客様にも伝播していきます。スタッフが自信を持ち楽しく働くことができ、お客様に楽しさのお裾分けをできるというのが目標です。
新潟の人が自慢できるような場所になれたらいいですし、まだ「伝統」という言葉には早いかも知れませんが「いつ来てもこの雰囲気や感覚は変わらないね」とお客様に言っていただきたいですね。

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WineryStay トラヴィーニュ byカーブドッチ

新潟県/新潟市

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今井 卓
新潟県上越市出身
1994年 カーブドッチ入社
2012年 代表取締役就任
2014年 新潟駅前にビストロ、レコルタカーブドッチをオープン
2019年 WineryStay トラヴィーニュ byカーブドッチオープン
2020年 カーブドッチ迎賓館(東京四谷)オープン

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川上 誠
新潟県新潟市出身
新潟市内のレストランで勤務し経験を積む
2013年 カーブドッチ入社
直営のレストラン複数店舗で勤務
2021年 レストラントラヴィーニュ料理長に就任

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