近年じわじわと盛り上がりを見せる“宿泊施設×アート”。人気の大分県湯布院に、また1つアートを堪能できる一棟貸し宿泊施設が誕生しました。建築を手がけたのは、天然素材を活かし自然と共存する建築美で国内外から評価される隈研吾氏。自然をテーマにしたアーティスティックな空間は、訪れる人の五感を満たすと評判です。
目 次
温泉地・湯布院に佇むモダンな外観の心和む客室で特別な時を味わう

JR由布院駅から徒歩約10分とアクセスのよい「COMICO ART HOUSE YUFUIN」。建築を手がけた隈研吾氏は、昔ながらの里山の文化が残りながら、アートも違和感なく溶け込む湯布院を“日本の中でも特別な温泉地”と讃えています。
黒い焼き杉を用いた外観は遠目で見るととてもモダン。ですが、近づいていくと伝統的な技である焼杉独特のうろこ模様が現れ、木の温かみが伝わります。自然の素材を用い、有機的なデザインを得意とする隈氏らしさが随所に見てとれるのも、ここに滞在する喜びと言えるでしょう。

一棟建て・庭付きでプライベートな滞在が叶う客室は全2棟。それぞれ「土」と「竹」のテーマで設えられており、源泉掛け流しの湯が楽しめる内湯と露天風呂が備わります。

「土-TSUCHI-」は、太古から人類と共にある大地を体感できるお部屋。粘土質の土に藁スサを混ぜた土壁の柔らかな質感は、どこか懐かしく和みます。枯山水を思わせる「待月(たいげつ)の庭」や、2階寝室から望む由布岳など、その土地を訪れたから出逢える景色に心が震えるでしょう。

一方「竹-TAKE-」は、まっすぐに力強く伸びる竹を用い、凛とした佇まいが魅力。表面を炙った煤竹(すすだけ)が覆う壁面は静謐さが漂います。竹の葉鳴りや川のせせらぎ、水琴窟の音色を楽しめる「聴竹(ちょうちく)の庭」では、五感が研ぎ澄まされる感覚を味わって。
隣接する美術館で現代アートの巨匠たちの瑞々しい感性に触れる

この施設の敷地内には現代アートを堪能できる美術館「COMICO ART MUSEUM YUFUIN」が併設されています。米タイム誌の“世界で最も影響力のある100人”に選ばれた草間彌生氏の作品をはじめ、高級ブランドのルイ・ヴィトンとのコラボレーションで知られる村上隆氏。
LEDのデジタルカウンターを用いたインスタレーションで世界的に知られる宮島達男氏。どこか不機嫌そうで表情豊かな子どもの絵画で人気を博す奈良美智氏など、そうそうたるアーティストの作品が並びます。

宿泊すると、2回まで鑑賞することができる特典は、アート好きにはたまらない喜びではないでしょうか。ビルに囲まれた都会とは違い、雄大な由布岳や四季折々の草花とアートのコラボレーションを楽しめるのも、この美術館の大いなる魅力。
こちらの建築を手がけたのも隈氏。天然素材をふんだんに取り入れた宿泊棟とは異なり、ステンレススチールを使用した直線的なデザインで無駄のないミニマルな空間を演出。その対比を楽しむことができるのも、滞在した者だけに許された特権かもしれませんね。
自然の恵みを享受できる湯布院の魅力にどっぷりつかる朝時間

実は、客室に備わる天然温泉は隣接する「COMICO ART MUSEUM YUFUIN」の頭文字「CAMY」から「カミ(神・上)」の湯と名付けられているのだとか。豊かな自然の恵みは、まさに神からの贈り物。建物内の床暖房も、敷地内から湧き出る源泉の熱を利用。エコなシステムによる柔らかな暖かさは、心まで温めてくれそうですね。

土地の恵みもまた、自然からのギフトです。由布院産の新鮮な野菜を使った季節のサラダや、地元のパン屋さんが毎日焼き上げた身体に優しい素材のパンなどの朝食は、部屋まで届けてもらえます。朝湯を楽しんだ後、清らかな朝の空気のなか、鳥のさえずりや樹々のささやきをBGMに、時間をかけて朝食をいただくのもまた、豊かな旅時間ではないでしょうか。

温泉地として人気の湯布院は、JR由布院駅にアートホールが併設されるなど、アートを身近に感じられる街。楽しみ方の1つとして定着してきたアートを訪ねる旅が更に進化した形とも言える、宿泊してアートに浸る旅。世界に誇る日本の現代アートとカミの湯にどっぷりつかり、五感を磨く体験をしてみてはいかがですか。
COMICO ART HOUSE YUFUIN
大分県/湯布院












