2022年3月、草津温泉の湯畑前に開業した「きむらや」は、和風の宿名からは想像できないような超モダンな宿。隈研吾氏の設計で、ひと目見たら忘れられない外観同様、内部もかなり個性的。草津を訪れる人たちの間で早くも話題となっています。
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草津温泉の象徴・湯畑を一望するロケーション

自然湧出量日本一を誇る草津温泉。誰もが知る日本を代表する温泉のひとつですが、その草津の象徴とも言える湯畑前に、2022年3月、新しい宿「きむらや」がオープンしました。
湯畑前とざっくりご紹介したものの、もっと正確に言うならば、湯畑の“そば”ではなく“まん前”。宿の2階から白い湯気が立ち上る巨大な源泉・湯畑の全貌を見下ろせる素晴らしいロケーションに恵まれています。
ちなみに「きむらや」という名は、オーナーのおばあさんがかつて草津で営んでいた旅館の名前とか。
浅間石や湯畑の瓦を用いた意表を突くデザイン

まず度肝を抜かれるのが変形の外観。黒一色。ごろごろと外壁に石が並べてあって、まるで前衛的なインスタレーションでも見ているようです。

設計を担当した隈研吾氏によると、デザインコンセプトは「湯畑の立体化」。壁の石は湯畑に転がっていた浅間石で、この浅間石は外壁にそのまま用いるだけでなく、砕いて内装などにも用いられています。

部屋は1室のみ。1階が天ぷら店で、宿は2階。基本は素泊まりですが、夕食付プランの用意もあり、1階の天ぷら店でこだわりの天ぷらコースを楽しむことも可能です。

さあ、外階段を上がっていよいよ中へ。ドアを開けると、そこには洞窟をイメージしたという斬新な空間が広がっていました。

広さは52平米。手前にベッドが2台、奥の窓際がソファを置いたリビングスペースです。さらに右手に浴室がつながる構成で、内壁も黒。よく見るとその壁に小さな石が塗り込められていて、これが先ほど紹介した砕いた浅間石でしょう。確かに洞窟のようですが、木の切妻天井が高いので閉塞感はありません。

窓から外を見ると、噂通りどんぴしゃりで湯畑!岡本太郎が設計した広場を俯瞰で独り占めできるとはなんてゴージャスなのでしょう。7本の木樋を流れる湯。その木樋に付く湯の花。ライトアップされる夜もいつまでも眺めていたい光景が広がります。
希少な白旗源泉を思いのままに楽しむ

壁を扇型に切り取った向こう側が浴室スペースとなります。ここにも注目のデザインポイントがいっぱい。たとえば壁を飾る無数の瓦、底が階段状になっている洗面台。そのひとつ一つに感嘆の声が上がりそうですが、何よりの驚きが、この宿の湯が目の前に広がる湯畑ではなく、少し離れた白旗源泉から引かれていること。草津温泉通なら、もしかすると湯が白濁していることにピンとくるかもしれません。

実は白旗源泉は草津の主要源泉のなかで唯一の白濁湯。しかもそこから引き湯している施設は、たくさんの宿がある草津でも数えるほどしかないのだとか。
泉質は「酸性・含硫黄ーアルミニウムー硫酸塩・塩化物温泉」で強酸性。湯に入るとよくわかりますが、肌が少しピリリとします。独特の匂いと相まって、温泉気分がぐぐっと盛り上がること、請け合いです。

源頼朝が発見し、かつては「御座乃湯」と呼ばれていた湯を源泉掛け流しで味わえる「きむらや」。
歴史の湯と超モダンな隈研吾氏デザインと。対極にあるような2つの要素が溶け合って、不思議な魅力を醸しています。

温泉好きでデザイン好き。そんな人にぴったりの宿「きむらや」は小学生以下の宿泊は不可。草津の魅力を見て、肌で感じたい。そんなカップルにおすすめしたい宿です。
きむらや
群馬県/草津温泉












