2020年12月、群馬県前橋市にアート好き垂涎の個性派ホテル「SHIROIYA HOTEL」が誕生しました。もとは創業300年を数える老舗旅館「白井屋」。絹産業で近代日本の活力になった前橋の賑わいを取り戻したいという願いを出発点に、アートホテルとして生まれ変わり、すでに話題を集めています。
国内外著名アーティストの作品を肌で感じる悦び

2016年、「めぶく。」をコンセプトに新しい街づくりに着手した前橋市。当地で300年もの間、ランドマークとしての役割を果たしてきた「白井屋」は、21世紀になって都市再生のシンボルに。大規模なリニューアルを手がけたのは、国内外で高く評価される建築家の藤本壮介氏です。

在りし日の旅館の面影を残す「ヘリテージタワー」は、むき出しのコンクリート構造が異彩を放つ個性的な棟。正面を飾るファサードは、米出身でコンセプチュアル・アートを代表するローレンス・ウィナー氏の作品。制作にあたり、ウィナー氏自身が前橋の歴史を学んだという渾身の作です。

ホテルエントランスでは、仏芸術文化勲章受章者の杉本博司氏の人気シリーズ「海景」の1作が出迎えてくれます。棟を象徴する開放感溢れる吹き抜けには、金沢21世紀美術館の「スイミング・プール」などで知られる、レアンドロ・エルリッヒ氏の手がけた「ライティングパイプ」を望むことができます。


「ヘリテージタワー」の全17室のゲストルームには、それぞれ違うアートを展示。特筆すべきは【SPECIAL】客室で、英ロンドンのプロダクトデザイナー、ジャスパー・モリソン氏の世界を満喫できる客室や、イタリアの著名建築家であるミケーレ・デ・ルッキ氏をフィーチャーした客室、前述のエルリッヒ氏の世界に浸れる部屋もあり、どの部屋に滞在しようか……と迷うのもまた楽しいもの。

一方、旧河川の地形を活かし、土手をイメージしたという「グリーンタワー」は、まるで緑に覆われた小高い丘に見え、それはあたかま街中に現れたオアシス。

丘を登るかのように設計されており、探索気分を盛り上げます。階段を上がっててっぺんまでたどり着くと、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞した宮島達男氏の作品に出逢えます。LEDデジタル・カウンターを用いた表現で知られる宮島氏の、象徴的な作品を独り占めするような贅沢感をたっぷり味わいたいですね。

ちなみに、丘を登る中腹にはサウナが備わります。今、“心身を整う”と話題のサウナで、リフレッシュするのもいいですね。
「グリーンタワー」には全8室のゲストルームがあり、清潔感溢れる白を基調とした明るい部屋で、バルコニー越しに街を望めます。こちらの棟も、現代アートの旗手、鬼頭健吾氏をはじめとした、客室ごとに異なるアート作品を愛でることができます。
ミシュラン2つ星に輝くシェフ監修の食もまたアート

「SHIROIYA HOTEL」の見どころは、まだまだ尽きません。その1つは、何といっても深い歴史。江戸時代から歴史を重ねてきた旧「白井屋」から移築した茶室に、その面影をとどめています。その茶室の待合であり、プライベートな時間をゆるりと過ごせる「真茶亭」では、随所に丹精込めた職人技を見ることができるでしょう。

旧宮内庁御用達として、多くの賓客をもてなしてきた「白井屋」は、洗練されたもてなしと真心を今に伝えています。とくにそれを感じられるのは、「食」のシーンかもしれません。ホテルにとって「食」は、「アート」「歴史」に並ぶ3大テーマの1つとして注力しているところ。

「ヘリテージタワー」1階にあるメインダイニング「the RESTAURANT」は、東京・青山でミシュラン2つ星に輝くレストラン「フロリレージュ」のオーナーシェフ、川手寛康氏が監修していることも話題。腕を振るうのは、地元群馬県出身の、帝国ホテルなどで研鑽を積んだ片山ひろ氏。

繊細さと華やぎを併せ持つ、美しくエレガントな料理は、もはやアート。刹那な芸術品のようなコースを、味覚や嗅覚、視覚、聴覚、触覚などを通じてじっくり堪能するとき……。日頃閉じてしまいがちな五感が、ゆっくりと開くのを感じるのではないでしょうか。

施設内のアートを鑑賞するだけで心躍る体験ですが、前橋周辺にはハイキングスポットや、カヌーを楽しめる湖など、自然派のアクティビティも豊富。豊かな自然に触れてストレスから開放され、軽くなった心をピュアなアートで満たす……。ほかでは味わえないような心満ちる新しいステイをぜひ、アートなホテル「SHIROIYA HOTEL」で体感してみてはいかがですか。
SHIROIYA HOTEL
群馬県/前橋市












