石川県・加賀の山代温泉は、約1300年の歴史を誇る温泉。高僧・行基が霊峰白山へ修行に向かう途中、涌き出る温泉で傷を癒すカラスを発見したのが始まりと言い伝えられています。今回は、そんな山代温泉に佇む“からっぽ”であるからこその自由を愉しむ名旅館「べにや無何有」の魅力をご紹介いたします。
目 次
“なにもない”ことの贅沢さを実感する温泉宿

山庭を囲むように佇む「べにや無何有」は、数多くの受賞歴がある建築家・竹山聖氏による設計。極限までシンプルに洗練されたインテリアデザインの中で過ごしていれば、周りに広がる自然とも相まっていつの間にか心も落ち着いているはず。

宿名の「無何有」は、“何の作為もない”“ただ自然なこと”を意味する古代中国の思想家・荘子が好んだ言葉。からっぽだからこその自由さや無垢さに価値を見出すことで、日常の煩わしさを忘れて自分と向き合うことができるのではないでしょうか。

特に優れたホテルやレストランだけが加盟を許された「ルレ・エ・シャトー」の会員でもある宿は、その空間美はもちろん、おもてなしも折り紙つきです。
全室に露天風呂が備わる16室のみの客室

「べにや無何有」の客室は、好みや過ごし方によって選べる和室、洋室、和洋室など全16室。いずれのお部屋もゆったりと寛げる広縁またはテラスがあり、季節によって変わる木々の香りを間近に感じることができます。

山庭に面しているだけでなく、山庭を望む温泉露天風呂もすべてのお部屋に備わります。歴史ある山代温泉の湯を、プライベートな空間で好きなだけ堪能しましょう。


宿に1部屋ずつのみの特別室「白縁」と「若紫」は、広さが約100平米の贅を尽くしたお部屋。3人以上の滞在でも窮屈さを感じることはありません。

アメニティーは、宿オリジナルの「薬師山アメニティー」。合成化合物を使用せず、天然由来成分を多く含んだこだわりのアメニティーは多くのゲストに好評で、購入することも可能です。
さらなる癒しを享受する館内施設

白山信仰の聖地だった土地に佇む宿ならではの館内施設も充実。やさしく光が差し込む白が基調の空間と、静寂さに包まれた黒が基調の空間に分かれた図書室は、読書に没頭するのに最適な環境。泉鏡花をはじめとしたこの地にゆかりのある作家たちの本のほか、美術書や植物図鑑なども蔵書されています。

お部屋での湯浴みもさることながら、広々とした大浴場「こもれびの湯」での湯浴みもまた気持ちのよいもの。血液循環の促進や疲労回復、美肌の効果があるのだそう。サウナも利用できるので、全身をリフレッシュすることができるでしょう。

丸い池がある円庭には、原研哉氏によるアート作品「蹲方寸」が。水玉が一滴一滴と池に落ちていく様は、つい無心になって眺めてしまいます。

「スパ円庭施術院」のトリートメントも宿の魅力のひとつ。薬草マトリックス「補捨流調」に基づいた多彩なメニューから最適な心身のケアを受けることが可能です。

施術前の温泉入浴に加え、施術後には生薬を配合した温泉の足湯に浸かることで、施術との相乗効果が得られるそう。
北陸ならではの食材を引き算の料理でいただく

開放的なテラスも備わるダイニング「懐石方林」でいただく料理は、厳選した食材の滋味を活かした引き算の料理で“口福”時間を愉しめるものばかり。


能登牛をはじめとした北陸ならではの食材や、日本海で獲れた海の幸など、その時々の旬を感じられる料理は、他の季節にリピートしてでも味わいたいものです。

1日のスタートを切るのに欠かせない朝食もこだわりの品々が並びます。自家精米の加賀中津原産コシヒカリを使ったご飯や加賀の温野菜など、こちらも地元産の食材がふんだんに使われ、五感で北陸・加賀の魅力を体験することができるでしょう。
“なにもない”ことが今まで以上に大切に思えてくる……。そんな新しい価値観を与えてくれる空間はもちろん、温泉やスパ、美食で、贅沢な羽伸ばしに是非「べにや無何有」を訪れてみませんか。
べにや無何有
石川県/加賀












