FOLLOW一休コンシェルジュをフォロー

FOLLOW一休コンシェルジュをフォロー

【滞在記】伊豆に佇む文化財の温泉宿がリニューアル!設えや美食に憩う贅沢ステイ
クローズアップ

【滞在記】伊豆に佇む文化財の温泉宿がリニューアル!設えや美食に憩う贅沢ステイ おちあいろう(静岡県/伊豆・天城湯ヶ島)

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大に伴い、宿泊施設の営業内容が急遽変更・休止となる場合があります。宿泊施設・店舗の最新情報につきましては、当該施設まで直接お問い合わせください。

伊豆・修善寺から車で20分の地に佇む「おちあいろう」。登録有形文化財に登録された歴史ある宿は、川端康成、島崎藤村など多くの文豪たちにも愛されてきました。創業から145年目の2019年、その老舗旅館は、これまでの「落合楼村上」から「おちあいろう」へとリニューアル。今回は、実際に滞在して触れた、古き良き時代の面影とデザインやサービスを一新したポイントをご紹介します。

夏には蛍も舞う2本の清流が重なる地

伊豆半島を流れる本谷川と猫越川が重なる地に建つ「おちあいろう」。江戸無血開城の立役者・山岡鉄舟により、“川が落ち合う”ということで名付けられたという歴史ある宿です。夏になると蛍が舞い、宿の前の橋では蛍祭りも開かれるそう。

「おちあいろう」へは、伊豆・修善寺駅から車で20分。東京からも2時間もかからず着くことができます。
杉の皮を5千枚使用した門の屋根の裏には見事な流木。鹿児島県の河川で見つかった楠の埋れ木の古木が使われ、くぐらないとわからない造りに、職人の遊び心を感じます。2019年にリニューアルした創業約145年の老舗旅館は、宿に入る前から非日常体験への期待値をあげてくれます。

145年以上もの間、姿を変えずに多くの宿泊客を迎えてきた「おちあいろう」。車寄せには枝垂れ桜や藤があり、春になれば美しく幻想的な表情を見せてくれそうです。

古き良き時代の面影はそのままに

一歩足を踏み入れると、凛とした空気に包まれます。145年という時間を感じさせない、まるで時が止まっているかのような空間。

「おちあいろう」での滞在で、私が一番楽しみにしていたのがこの廊下です。奥に見えるのは、リニューアルを機に新たに作られたアート。宿名の由来となった2つの川が重なり、2匹の美しい鮎がうれしそうに跳ねている。ぜひ、実際に滞在されるときご覧になってください。

廊下の左右には、組子細工を施した窓枠。ロビーに向かって右側には、一面に霜が振ったように美しい模様の「結霜(けっそう)ガラス」が。外の明るい日差しは窓を通して柔らかく、廊下を照らし、夜は照明の明かりが淡く反射し、幻想的な空間に。

古き良き時代の面影はそのままに、ラウンジには、これまでよりも大きい暖炉を中央に設置。北欧のデザインチェアに深く座り、お部屋に行く前にここでコーヒーなどをいただくのも楽しみ方の一つ。

「おちあいろう」は7つの箇所が登録有形文化財として登録されています。館内を散歩するだけでも、時は明治、大正、昭和へと戻り、角を曲がれば書生時代の川端康成にぶつかるのではないかという妄想が膨らみます。

職人たちのこだわりが詰まった部屋

滞在したお部屋は「浮舟 露天風呂付」。前室が10平米、本間10帖、ベッドルーム、パウダールーム、露天風呂付きで約74平米という広さのお部屋。1月に伺いましたが、畳の下が床暖房になっているそうで、一切寒さを感じず快適に過ごさせていただきました。

「おちあいろう」には本館と眠雲亭があり、こちらは眠雲亭の1階。美しいお庭が眺められ、自らミルで挽く、宿こだわりのコーヒーを飲みながらボーっとするのもいいかも。

三方にあるステンドグラスが目を引くベッドルーム。「おちあいろう」では、このベッドに大きなこだわりが。お宿特注のベッド、布団、枕で、私はあまりの寝心地の良さに、朝起きたとき自分の家と一瞬勘違いするほど、リラックスして深い眠りにつくことができました。実はこちら、販売もしているそうです。

檜が香る、足をのばせる大きめの露天風呂。自分のタイミングで天城湯ケ島温泉をかけ流しで堪能できるのは贅沢です。

全部で16室のお部屋は、一つとして同じものがありません。眠雲亭の欄間には、お部屋の名前にちなんだ細工が施されています。

組子細工もお部屋によってさまざま。この施設は5年の歳月、当時の総工費が約25万円、現在の価値に換算すると数十億円もの費用をかけて建てられたとか。一つひとつお部屋の設えが異なるのも、当時の大工さんが、自分が考える最高の設えをほかの大工と競いながら作ったからだとか。そのため、細かい部分で今では考えられない工夫が見えるそうです。

天城湯ケ島温泉をかけ流しで堪能する

お宿には内風呂と露天風呂を含めて、3つの大浴場が備わっています。1つは「天狗の湯」。天狗が好んで浸かりに来たという湯で、

湯煙に包まれた洞窟風呂も付いています。

「星の湯」は、渓流沿いにあるため、渓流の音に耳を傾けながらの湯浴みが叶います。

「月の湯」は内風呂ですが、サウナが新たに併設されました。このサウナ、実はサウナファンから熱い注目を浴びているのです。それは“ととのえ親方”こと松尾大氏が手掛けたサウナだから。茶室を思わせる風情ある外観。入浴法はロウリュとなっており、サウナストーンの中心に置かれている容器(SAUNATROIKKA)に水を入れると水が噴水のようにかわいく噴き出します。この演出が面白く、サウナ初心者も楽しく入浴ができると思います。男女入れ替え制ですので、時間をしっかりチェックするのを忘れずに。

地元で採れた旬の食材を使った極上の料理

夕食は、個室のお食事処で。温かいものは温かく、冷たいものは冷たく、仲居さんが絶妙なタイミングでお料理を提供してくれます。1月にお伺いしたので、ジビエ料理もいただけました。「伊豆猪の角煮」は、硬い猪肉はどこへやら、スプーンで切れてお肉にすっと歯が入るほど柔らかく凝縮された肉の旨味を感じます。卵は、わさび棚の水とお米を食べさせて育てた地元の鶏の卵が使われています。卵の味に角がなく、まろやかな味わいでした。

お造りでは、仲居さんが目の前で天城の天然わさびをすってくれます。最初は茎に近い甘い部分から先の方へ。フレッシュで後に引かない辛さに、そのままでもいただけるほど。

「伊豆鹿のロースと胡桃」。歯ざわり、舌触りが素晴らしい。鹿の臭み、硬さが一切ありません。ジビエの野性味が溢れすぎた味が好きな方には残念でしょうが、これが鹿本来の味なのではと思うほど、料理長の匠の技術が透かして見えます。

「唐墨うどん大根」。からすみの山の中に、黒米を混ぜもちっとした食感に仕上げた細いうどんが隠れています。からすみがこれでもかというほどかけられていて、余ったからすみに焼き大根をあえて、からすみ大根にしても美味しい。
地元で生まれ育った料理長は、使用する食材をしっかりと自分で目利きするこだわり派。メニューは四季やその日の仕入れによって変わるそうです。

朝食は、地元のお米と昨晩「伊豆猪の角煮」で使われた鶏の卵を使った白い卵焼き、岩海苔は成型せずに乾燥させたものを炭火で焼いていただきます。岩海苔は味が濃く、うまみを感じます。夕食朝食ともに美食の宿と言われる理由がわかるほどのお味。
朝食はご飯の上に鰹節とわさびを乗せ醤油を垂らした、“わさびご飯”がおすすめです。

登録有形文化財を知るツアーアクティビティ

朝10時と夕方5時には、登録有形文化財に登録されている「おちあいろう」の解説をしてくれるツアーが毎日行われています。まずは「紫檀」と呼ばれる結婚式などが行われる広間へ。部屋の周りは回廊になっていて、現在では製造するのが難しい微妙な歪みが特徴的な大正ガラスが使われています。

100帖ほどの広いこの空間を支えるのは希少な「本紫檀」。太さは直径約50センチほどで、この太さにまで成長するには約2000年という歳月が必要だそうです。屋根は「三十三間堂」と同じ吊り天井の造り。この広さで真ん中に柱もなく、ガラス窓の回廊に囲まれている建物は、建築法や素材などの関係で二度と造ることができません。「おちあいろう」でしか見て触れることができない歴史が詰まった品々に感動の連続のツアーでした。

晴れた日はぜひ、吊り橋へ向かってみてはいかがでしょう。揺れる吊り橋にドキドキしつつ、ラウンジで川を眺めながらコーヒーをいただくのもおすすめ。
共有スペースやお部屋だけではなく、古き良き時代を感じる設えを残しつつ、現代の私たちが寛いで滞在しやすいようにモダンにリニューアルされていた「おちあいろう」。
これからも、さまざまな部分で進化を続けるそうです。

いかがでしたでしょうか。滞在させていただいて感じたのは、登録有形文化財というお宿の設えの魅力もあるのですが、一番はスタッフさんの笑顔と優しい雰囲気。次はあの部屋に泊まりたい、またあの美味しい料理が食べたいとも思うのですが、一番に浮かぶのはスタッフさん。仲居さんはもちろん女将、主人、料理長もとても話しやすく朗らかな人ばかり。こんな素敵な人に出会えるのならと、また帰ってきたくなるはずです。

おちあいろう

おちあいろう

静岡県/伊豆・天城湯ヶ島

この記事が気に入ったらシェア!

更新日時2020.12.24 09:50

あわせて読みたい

「一度は泊まりたい宿」の人気記事

キーワードから探す

スペシャルコンテンツ

エリアから探す

人気のエリア

全国のエリア