澄んだ青。エメラルドグリーンや深緑。さまざまな色をたたえる五色沼と、赤や黄色に染まる紅葉。そのコントラストは息を呑むような美しさで、訪れる誰もが感嘆の声を上げる裏磐梯の秋。
「ホテリ アアルト」は、その裏磐梯の森の中にひっそりと佇む宿。3人の建築家が築40年の山荘をリユースして建てたもので、木をたっぷり使った大屋根のある外観は、まさに山荘の趣。辺りの森の中にしっくりと溶け込んでいます。
木の温もりがあふれる 17の部屋
木や漆喰など、自然素材に囲まれた館内はナチュラルな北欧テイスト。アルテックの椅子。ウェグナーのイージーチェア。シンプルだけれど温かみのある空間に、それら北欧のデザイン家具がマッチして、癒しの雰囲気を醸し出しています。
1室だけあるスイートルームは、囲炉裏のある16畳の和室とバルコニー、そして専用の源泉掛け流しの温泉付き。スーペリアルームは4室、デラックスルームは8室用意されています。
客室ももちろん北欧デザイン。高い天井、無垢材のフロア、寝心地の良いシーリー社のベッド。そして北欧のソファや照明器具。赤いスワンチェアがあったり、琉球畳を敷いた和室があったり、部屋によってデザインは異なりますが、北欧デザインと和の雰囲気が違和感なくマッチしているから不思議です。どの部屋にも共通していえるのが、ゲストを優しく包み込んでくれる穏やかな空気。くつろぎの邪魔をするものが何一つありません。
温泉も散策も自由自在
さあ、旅装を解いたら近くへ散策にでも出かけましょうか? それとも温泉?実は2万平米を超える敷地内にはエメラルドグリーンに輝く2つの沼や磐梯山が噴火した際になだれ落ちた大小の岩がそのままになっていて、木立の中の散策が楽しめます。つい忘れそうになりますが、ホテルが立地するのは磐梯朝日国立公園の中。ホテルから一歩外に出ればすぐ自然の中に飛び込んでいけるのです。
温泉派なら「弁天の湯」へ。敷地内の地下545メートルから湧き出る源泉を引いていて、加水、加温は一切無し!地元では温泉のことを磐梯山の「お福分け」と呼ぶそうで、湯に浸かりながら窓の向こうに広がる森や沼を眺めていると、まさに大きな「福」をいただいている気分に。かすかに黄味を帯びた硫黄泉は温泉気分を十二分に盛り上げてくれるでしょう。
湯上りには、地元の牛乳、発泡水、サイダーなどが準備されていますので湯冷ましにどうぞ。
地産地消にこだわった食事
食事はダイニング「たごころ食堂」で。大きな薪ストーブの炎を見ながらゆっくり楽しみましょう。
裏磐梯を含めた会津エリアは日本有数の米どころ。そして寒暖の差が激しい気候を利用した高原野菜の産地でもあります。その地元の食材にこだわった地産地消料理がこのホテルの自慢。料理だけでなく、飲み物にも会津の地酒や地ビールを取り入れたり、器にも会津漆器や地元の本郷焼きを採用するなど、食に関わるさまざまなシーンで地産地消を貫いています。
食事の後はラウンジへ足を運ぶのをお忘れなく。22時まではフリーで提供されるドリンクを片手に、本のページをめくったり、ゲストと静かにおしゃべりを楽しんだり。だって裏磐梯の夜は長いのです。
更新日時2020.05.01 16:22