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紀伊半島の端で美意識に貫かれた宿に出会う
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紀伊半島の端で美意識に貫かれた宿に出会う あきば何求庵(和歌山県/すさみ)

目の前には海に浮かぶ島。素朴な港町の家並み。そして美味い食事と心のこもったおもてなし。「これ以上、何を求めることがあるだろう」と、杜甫が詠った「何求」の滞在を約束してくれる「あきば何求庵(なんぐうあん)」。何度でも訪ねたい。何日でも滞在したい。そう思わせてくれる宿へ、さあ向かいましょう。

建築賞を受賞した志のある建物

紀伊半島の最南端にある小さな港町、すさみ。「あきば何求庵」があるのは、そんな港町を見下ろす小高い丘の上。ゆるい坂道を登りながらふと見上げると、山に隠れるように佇む外観が見えてきます。

黒い板塀の向こうはまさに別世界。無垢の木々、和紙や石。黒、茶、生成り。できるだけナチュラルな素材と色でまとめられた空間は和モダンの極みです。

設計は建築家の大江一夫氏。2010年のオープンですが、2017年、和歌山県内の魅力ある建物を表彰する「きのくに建築賞」を受賞。志をもって建て、育ててきた宿の建築美が認められています。

趣の異なる全2室

この和モダンの雰囲気に浸れるのは、1日にわずか2組だけ。特別室「鉉(つる)」は高い梁天井が開放感をもたらす部屋。特徴はなんといっても白竹の意表をつく使い方でしょう。

壁はもちろん、フロアの一部、洗面台にも使われていて、独特の風情を醸しています。しかも鑿でこつこつ削ったような床の風合いと相まって非日常感たっぷりです。

一方の特別室「繭」は、本和紙に包まれて柔らかな雰囲気。こちらの部屋の特徴は、ベッドルームから湾の景色を一望できること。こんもり浮かぶ稲積島の愛らしさ。甍の波。

窓辺に長いカウンターが設けられているので、海を眺めたり、冷蔵庫のフリードリンクを楽しんだり。この窓辺の特等席はさまざまにゲストを楽しませてくれますよ。

伊勢海老をメインにした紀州料理

この宿は食事も評判で、一休のクチコミもかなりの高評価。リピーターの多くにとって、この食事もここを訪れる目的のひとつになっているようです。味、ボリューム、きめ細やかなサービスと、すべての点でポイントが高いので、満足度が高くなるのは必然かもしれません。

提供されるのは和食ベースのコース料理。メイン素材は伊勢海老を中心とした紀州の山海の幸。立派な伊勢海老は造りで、あぶり焼きで、ブイヤベースで、クロケットで、土鍋ご飯で。さまざまな調理法で提供してもらえるので、再訪が待ち遠しくなります。

隅々まで冴え渡る空間作りのセンス

もうひとつの注目ポイントは素敵なテーブルコーディネート。同じ料理でも器を変えるだけで味わいが異なるものですが、その手間暇を厭わずに提供し続けるのは並大抵のことではありません。

そういえば、あちこちに活けられている花といい、散策用の下駄の選び方といい、お香を炊いた玄関ホールといい、設えのセンスは垂涎もの。インテリアの参考にもなりますよ。

新大阪から電車で約2時間40分。車だと2時間〜2時間半。決してアクセスに恵まれているわけではありませんが、「和歌山ならココ!」と多くの人たちから熱烈に支持されている小さな隠れ宿。小さいゆえに、ガヤガヤとした喧騒とは無縁。静かで、心からのリラックスを求める大人にぜひ訪れてもらいたい宿です。

あきば何求庵

あきば何求庵

和歌山県/すさみ

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