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文化財の隠れ家ホテルで美食に耽る大人旅 オーベルジュ豊岡1925(兵庫県/城崎)

文豪・志賀直哉が愛したことでも知られる城崎温泉や、しっとりとした情緒に溢れる出石城下町などの名所が点在する豊岡。大阪から特急で約2時間半と好アクセスでありながら、コウノトリが舞う里として自然を守り育んでいることでも有名です。“但馬国”として歴史を刻んできた文化の香る土地は、多くの人を惹きつけてやみません。

5室のみのクラシカルな洋館で歴史に触れる

自然と歴史、伝統が融合した魅力溢れる場所に静かに佇む「オーベルジュ豊岡1925」。豊岡市のメインストリートに、威風堂々と建つ姿からも歴史を感じます。かつて銀行として但馬の復興を支えた建物は、ルネサンスやアールデコ洋式を取り入れた贅沢な造り。

美術館や博物館を思わせる国登録有形文化財が醸し出す重厚感に包まれて、心静かな時を過ごす…。そんな上質な休日も、旅慣れた大人ならではの楽しみ方かもしれませんね。

わずか5組のゲストを迎えるために設えた客室は、ヨーロッパのクラシカルなホテルを彷彿とさせるシックな趣が魅力です。近年注目を集めるひとり旅にぴったりのセミダブルの1ベッドルームがあるのも嬉しいところ。

ツインルームは、高い天井から窓に垂れる木製ブラインドが柔らかな光を取り込む客室や、寄木細工の床が当時のまま残る部屋など多彩です。どの部屋からも、積み重ねてきた時間がそっと語りかけてくるような優しさが感じられるでしょう。

それぞれの客室は、熟練の職人が手がける中田工芸社製のオリジナルハンガーや、高音質で名高いエムズシステムスピーカーなどが用意されています。目立たない装備品も上質を提供したいという施設のこだわりが伝わってきます。
クラシカル・ホテルのこだわりとして、客室に備わるのはシャワーブースのみ。ただ、施設の隣には昔ながらの銭湯「京極湯」があります。なにより、城崎温泉まで無料送迎のサービスもあるので、名湯巡りを楽しむのも一興ですね。

巨匠が手がける「但馬キュイジーヌ」に感動

近年は、カヌーやパラグライダーなど、豊かな自然を体感するアウトドアのアクティビティも人気。出石で歴史に触れたり、豊岡鞄でお気に入りの一品を見つけるなど、豊岡の楽しみ方は十人十色。どの世代の方も受け入れる懐深い土地なのです。

豊岡は「但馬牛」や「香住蟹」といったブランド食材も豊富。他にも、活きイカやノドグロなどの海の幸から、ヤマメやニジマス、鮎などの川の恵みも尽きません。蕎麦の名産地でもあり、美味しいもの好きにはたまらない場所といえるでしょう。

豊富な魅惑の素材を、美食の館であるオーベルジュの威信をかけて逸品へと仕立てるディナーへの期待は膨らむばかり。
レストランのポリシーもまた、但馬の大自然が育んだ極上の食材で叶える「本物の地産地消」。大胆な発想と確かな技術で、滋味深く目にも鮮やかな料理に替えるのは、関西フレンチ界の巨匠、石井之悠氏。スイスのグランメゾンで腕を磨いた後、神戸元町に店を構えるとたちまち評判に。ミシュランと並ぶ米国グルメガイド「ザガットサーベイ」で、神戸エリア料理部門で4年連続1位に輝いたことからも、手腕のほどが伺えます。

食材はシェフ自ら市場や畑を訪れ、旬を見極めて仕入れるというこだわり。飽くなき探究心が、多くの美食家を虜にしています。
海産物の鮮度の良さはもちろん、野菜の瑞々しくも濃厚な味わいは、噛み締めるごとに驚きと口福を与えてくれるに違いありません。
お肉も丹波地鶏やオーガニックの合鴨など食欲をそそられる食材が多く、迷うところ…。ですが、メインに選びたいのはやっぱり但馬牛でしょう。近江牛や神戸牛などの素牛として知られ、サシの入り方が絶品なのだとか。舌触りの良いきめの細やかな肉質を、じっくりと味わいたいですね。

豪奢な私邸に訪れたような寛ぎの中、ラウンジで食後の一杯を楽しむのもいいものです。ゆったりと過ごす何気ないひとときこそ、旅先ならではの贅沢なのですから。

優しい光で目覚めたら、オーベルジュ自慢の朝食で体の内に元気を取り込みましょう。自家製フレッシュジュースや鮮度抜群の野菜たち、滋養豊かな卵を使った朝食もまた、忘れがたい旅の思い出になるでしょう。

優しい静けさと美食に浸る休日は、心身ともに前向きなエナジーをくれるはず。歴史と自然に抱かれる豊岡で、知的好奇心と心が満ちる時間を過ごしてみませんか。

オーベルジュ豊岡1925

兵庫県/城崎

 

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