石川県・小松空港から車で約30分。「オーベルジュ オーフ」は、美しい里山の自然が広がる観音下(かながそ)に位置するオーベルジュです。特筆すべきは、かつて小学校だった建物を活かした空間と、新進気鋭のシェフ・糸井章太氏が手掛ける土地の魅力を詰め込んだ料理。今回は、一休コンシェルジュ編集部が現地を訪れ、宿の魅力を取材してきました。
目 次
名水と石の文化が根付く町、食材の宝庫でもある観音下


「オーベルジュ オーフ」がある観音下は、水質が良く、農作物や魚介類など様々な素材を育む“食材の宝庫”として知られています。また、宿の目の前にある「観音下石切り場」は、日本遺産「珠玉と歩む物語」を構成する文化遺産のひとつにも数えられ、かつてここでも切り出されていた「日華石」は、国会議事堂など全国の有名建築に利用されているのだそう。水と石のストーリーが交差する、貴重な場所であることがわかります。
小学校だった建物を活用、原風景の中に立つオーベルジュ


もうひとつ、宿のルーツとして忘れてはならないのが建物。廃校となった「旧西尾小学校」の校舎をコンバージョンし、オーベルジュとして蘇らせたのもこの宿ならではの特徴です。


建物の横はかつて校庭だった場所。校歌の歌詞が彫られた記念碑や遊具などが残されており、どこかノスタルジックな雰囲気がします。
全12室、アート作品を散りばめたスタイリッシュな空間

外観をひと通り見てからエントランスへ。
入口ドア前には、小学校時代の写真が飾られていました。


チェックインは、ロビーで行います。ここはビジターのカフェスペースとしても利用可能で、地元の方々からも人気なのだそう。ドリンクやスイーツ、軽食などを提供しています。

館内の至るところで目を惹くのが、現代芸術家・小川貴一郎氏が手掛けたアート作品たち。“破壊”と“調和”の精神から生まれた作品たちは、彼が実際に近隣にある滝や神社などで磁場のエネルギーを感じながら制作したものだそう。独自のオーラを感じる絵画は、気に入ったものがあれば購入も可能です。
2方向の景色を眺められる、最上位スイート

最初に見学した客室は、3階の角部屋となる最上位のスイート。
まるで本物の教室のように、遊び心あるオーナメントが迎えてくれます。


約77平米の室内は2方向に窓があり、異なる景色を楽しめるのが魅力。シンプルでスタイリッシュな家具が配された空間で、ビビットなアートがよく映えます。


ベッドとデスクは入口から入って奥側に。ガラス張りになったバスルームが見える造りです。人数に応じて、2台のベッドを追加可能(エキストラベッド)。

デスク側の窓からは校庭と「観音下石切り場」を、ソファスペース側の窓からは田園風景を眺めることができます。


壁際の棚は、ドアを開けるとクローゼットやミニバーがお目見え。ビールやウイスキーをはじめ、能登の塩サイダーや加賀棒茶、さらに話題の酒蔵「農口尚彦研究所」の日本酒などご当地系アイテムも。冷蔵庫内の飲みものはすべて無料です。

レトロなレコードプレーヤーは、実際に使用することも。レコードも何枚か置かれているので、試してみてはいかがでしょう。


続いてバスルームをチェック。洗面台はダブルシンクで機能性も十分、タオル類や基本的なアメニティは下段に用意されています。洗い場もゆとりがあり、使い勝手が良さそうです。


シャンプーやボディーソープ、スキンケア類は、京都発のオーガニックコスメブランド「NEMOHAMO(ネモハモ)」を採用。

こちらの客室には、人気ブランド「REPRONIZER(レプロナイザー)」シリーズの「7D Plus」が置かれていました。

バスローブのほか、ロゴ入りのナイトウェアはセパレートタイプで着心地も良さそうです。
ひとつの教室を丸ごと活かした、シグネチャールーム「Jr.スイート」

2つ目の客室となる「Jr.スイート」も同じ階に。向かう途中の廊下はまさに学校!子供時代を思い出し、懐かしい気分に浸れます。


宿のシグネチャールームとなる「Jr.スイート」は、白とウッドで統一された客室。ベッドの真上に飾られた、迫力あるアートがアクセントになっています。

存在感を放つのが、壁にかけられた大きな白い板。実はこれ、小学校時代に教室で使われていた黒板なのだそう。かつての趣を、こういったかたちで残しているところが何ともユニーク。


バスルームは、先ほどの客室と比べてバスタブのタイプが異なります。また、ドライヤーは「REPRONIZER」シリーズの「2D Plus」が置かれていました。
気鋭のシェフが手掛ける料理で、土地の恵みと季節感を堪能


客室を見せていただいたあとは、レストランへ向かいます。
途中に通る階段でも、廊下と同じく小学校ならではの趣を感じました。


ロビーと同じく1階に構えるレストランは、職員室を改装した空間。テーブル席のほかカウンター席もあり、お一人様でもゆっくり料理を楽しめます。


さらに奥を覗くと、個室のテーブル席も用意されていました。カフェと同様にレストランもビジター利用ができるため、様々なシチュエーションで重宝しそうです。

オーベルジュのメインでもある料理を手掛けるのは、日本最大級の料理人コンペティション「RED U-35」にて、史上最年少でグランプリを受賞した糸井章太シェフ。海外の様々な名店で積んだ経験を礎に「オーベルジュ オーフ」の開業に合わせて、観音下へ移住してきたのだそう。


「オーベルジュ オーフ」でいただける料理の特徴と言えば、観音下の清らかな水と豊かな大地に育まれた素材を用いていること。地元の農家さんをパートナーにしているほか、森や川などへシェフやスタッフが足を運び、食材を収穫してくることもあるのだそう。

宿の料理に使用する水は、国内有数の酒蔵「農口尚彦研究所」の仕込み水。出汁に使うと、とてもクリアに素材の味を引き出してくれます。


宿のそばに広がる田園で育てられた「蛍米(ほたるまい)」は、メニューにも登場。その名のとおり“蛍がいるほど、水がきれいな場所で育ったお米”というのが名前の由来とのこと。きれいな水で炊いた土地のお米、じっくり噛み締めて味わいたいところ。


糸井シェフの手掛ける料理は、まさに“作る”よりも“創る”という言葉がふさわしいほど、独創性に溢れたものばかり。料理が出てきた瞬間のインパクトはもちろん、最後に感じる香りの余韻を重視し、ハーブなどを駆使しています。



宿名の「オーフ」は、フランス語の「eau=水」「feu=火」を合わせて作られたもの。“水に恵まれた観音下の地に、この宿が新たな火を灯していきたい”という思いが込められています。
のどかな地に立つ、現代アートに彩られたスタイリッシュな空間と、そこで味わえる美食の数々。やりたいこと、作りたい料理が次から次へと溢れてくる……そんな糸井シェフとスタッフの皆さんの思いを体現しているのが「オーベルジュ オーフ」なのだと感じました。里山の可能性を新しい感性で切り拓くオーベルジュに、ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
オーベルジュ オーフ
石川県/小松市












