アクセスは少しかかるけれど、お湯良し、宿良し、景色良し。そんな三拍子揃った秘湯で、心と体の洗濯はいかがですか。今回は“人にはあまり知られていないけれど、ぜひ訪れてほしい名湯”のある一度は泊まってみたい宿を、東北エリアから厳選してご紹介します。
目 次
1.底板の間から湧く”源泉湧き流し”の十和田の宿
蔦温泉旅館 ‐足元から源泉湧出の自噴温泉-(青森県/八甲田)

最寄りの新幹線駅となる七戸十和田駅まで東京から約3時間。そこからさらに車を50分ほど走らせ、到着する「蔦温泉旅館 ‐足元から源泉湧出の自噴温泉-」。奥入瀬渓流入り口の、燃えるような紅葉の中に佇む木造の一軒宿で、始まりは分かっている限りでも平安時代とか。

湯は源泉の掛け流しどころか、湧き流し!大浴場「久安の湯」は源泉の上に湯船があり、その底板の間から、ぷくぷくぽこぽこ。配湯管を通らない、湧き立てのナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉の湯が楽しめます。

お部屋は鄙の風情が漂う本館客室でも、令和4年にオープンした松葉啓氏設計の離れでも、お好みで。文人・大町桂月が愛した名湯を、時間が許す限り満喫しましょう。
蔦温泉旅館 ‐足元から源泉湧出の自噴温泉‐
青森県/八甲田
2.白神山地入り口に立つ一軒宿の“三日一廻りの霊泉”
白神矢立 湯源郷の宿 日景温泉(秋田県/日景温泉)

秋田と青森の県境。天然秋田杉で知られる矢立峠近くにポツンと立つ「白神矢立 湯原郷の宿 日景温泉」。創業は明治26年。老朽化などにより一時廃業していましたが、名湯を絶やしてはいけないと、平成29年に復活開業。湯治場の風情を残しつつ、現代性を加味して改修されました。

自慢はもちろん、白濁の薬湯!総青森ヒバ造りの露天風呂付大浴場「ぬぐだまる湯っこ」は、やや塩気のある硫黄泉。滝を見ながら湯に浸かれる「滝見の湯っこ」を始め、貸切風呂も5カ所あり、チェックイン時に予約して入浴します。

東北自動車道碇ヶ関ICから車で約34分。東京から向かえば8時間以上のドライブとなりますが、それだけの時間をかけても後悔しない、この宿の湯力をぜひ体感してください。
白神矢立 湯源郷の宿 日景温泉
秋田県/日景温泉
3.蔵王連峰に上る月を愛でながら浸かる名湯
名月荘(山形県/上山市)

JRかみのやま温泉駅から無料タクシーで約5分。東北中央自動車道かみのやま温泉ICからも車で約10分と、アクセス良好。しかも、宿からの眺めは上山市街地とその向こうに広がる蔵王の山々と聞けば、温泉好きならいてもたってもいられなくなる名宿「名月荘」。昭和31年の創業ですが「蔵王の山々から上る月をぜひ見てもらいたい」と、平成8年、この地に越して来たとか。

時を経ても色褪せない魅力を放つのは、傷によく効くと言われるナトリウム・カルシウム塩化物硫黄温泉の質の良さと、落ち着いた佇まいの大浴場や蔵王岩をくり抜いた貸切風呂など、芯からリラックスできる湯処があるから。

令和5年の冬には、北欧を訪れたような温泉付の貸切サウナも誕生。またひとつ楽しみが増しました。
名月荘
山形県/上山市
4.広い露天岩風呂から眺める、眼下の御所湖と満天の星
絶景ヴィラリゾート 静寂の湯宿 別荘佳景(岩手県/つなぎ)

眼下に広がる御所湖。向こう岸には岩手山。凪いだ日には湖面の鏡に錦繍の山々が写り、その絶景たるや!そんな景色を独り占めできる、6室のみの離れの宿「絶景ヴィラリゾート 静寂の湯宿 別荘佳景」。

大浴場も気の利いたラウンジも無いこの宿が多くの人に愛されているのは、お部屋の2つのお風呂の特筆ものの素晴らしさ。内風呂は青森ヒバ&十和田石製、露天の岩風呂は一度に8人は入れそうなほど広く、お部屋の露天風呂としては「東北随一」と言われることも多いとか。湯は、アルカリ性単純硫黄温泉。約76度と約50度の2本の源泉があり、ほんのり硫黄臭が漂います。

盛岡から車で20分程度ですが、夜には漆黒の空に流れる星が見られることも。ビューと温泉、どちらも大きなご褒美となりそうです。
絶景ヴィラリゾート 静寂の湯宿 別荘佳景
岩手県/つなぎ
5.自然とひとつになる、渓流沿いの名物露天風呂「深碧」
土湯別邸 里の湯(福島県/土湯)

JR福島駅から車で25分程度とは思えない、手付かずの原生林に囲まれた宿「土湯別邸 里の湯」。この宿の名を知らしめているのが、渓流沿いにある貸切湯「深碧」の存在。瑞々しい木々の緑、紅葉、降り積もる雪。四季折々の風情に浸って入浴できる露天風呂で「『深碧』の湯に入るためだけにでも再訪したい」と、多くのゲストを感動させている名湯です。時にはリスやカモシカの姿を見かけることもあるとか。

湯は、無色透明で肌に優しいアルカリ性単純温泉。ラグジュアリータイプのお部屋「こぶし」「花村」でも、専用の露天風呂を備えています。

宿が立つのは磐梯朝日国立公園内。時間があれば2本の川に挟まれた敷地内の散策もおすすめです。
土湯別邸 里の湯
福島県/土湯
わざわざ出かけても損は無い、名湯&秘湯の宿を東北エリアからピックアップしてご紹介しました。ぜひ季節を変えて、何度でも通ってみてはいかがでしょう。












