東北自動車道を白石ICで降りて約15分。鎌先温泉は、草刈りの最中に鎌の先で温泉を掘り当てたことから、その名が付いたといわれる温泉。傷によく効く名湯として知られ、伊達のお殿様を始め、600年に渡って多くの人々を癒してきました。

その鎌先温泉のバス停からさらに細い坂道を登った先にあるのが、「時音の宿 湯主一條」。鎌先温泉の開湯と共に開いた宿で、なんと現在のご当主一條氏は20代目。つまり、この宿も600年の歴史を誇る老舗宿ということになります。

時を重ねてきた貫禄は、一部4階建の木造本館を見れば一目瞭然。大正末期から昭和にかけて建てられた歴史的建造物で、工事は一條家が持つ山から100年ものの杉の木を切り出し、製材することから始められたとか。宮城県でも最大級の規模を誇る木造建築で、その存在感たるや、まさに圧巻! 震災の地震でもガラス一枚割れなかったという堅牢な建物で、2016年、国の登録有形文化財の指定を受けています。
目 次
モダンにリニューアルされた部屋は8タイプ

木造本館は、現在、個室料亭「匠庵」として、宿泊者の食事処に。24室ある客室とエントランスは別館に設けられています。

別館は2008年、リニューアル。木造本館を正面に望む「和室」、グループなどにおすすめの広い「和室二間続き」、木造本館と薬湯に一番近い「和洋室」、窓際の畳に掘りごたつを設けた「モダン和洋室」、蔵と庭を眺められる「セミスイート洋室」と「セミスイート和洋室」、半露天風呂付きの「湯主スイート」、露天風呂付きの「一條スイート」8タイプが準備されています。

もちろん部屋によってインテリアは異なりますが、宮城県産の伊達冠石を使った露天風呂、同じく宮城県産の赤松の無垢材のフロア、白石和紙のヘッドボードなど、地元の優れた素材を使った内装がお洒落。 どの部屋にも落ち着いた雰囲気が漂います。これなら気負うことなく、リラックスできるでしょう。
個室料亭「匠庵」で「森の晩餐」を召し上がれ

さあ、多くの人がこの宿を訪れる最大の目当てにしているという木造本館、今は個室の食事処となっている「匠庵」で、待ちに待った夕食をいただきましょう。実はここ、食事の美味しさにも定評あり! そう、美しい建築文化を堪能できるだけではないのです。

料理のテーマは「森の晩餐」。美しい回廊が囲む木造本館にふさわしい料理とは何かを追求した結果、出した答えが美しい会席料理。定番料理の岩塩で味わう仙台牛のステーキは肉の旨みをたっぷり味わえるし、地元白石で生まれ育った宮城野ポーク霜降り滋養豚の豆乳しゃぶしゃぶは、豚肉の甘さと柔らかさに感動すら覚えます。味がしっかり染みたフォアグラ大根もぜひ試してみたい一皿。

ジャズが流れる文化財の空間でいただくと、美味しさがより一層際立つのかもしれません。
効能豊かな温泉を楽しんで

この宿には源泉が2つ。ひとつはもちろん古い歴史を誇る「薬湯」。傷や火傷によく効き、肌がキレイになると言われており、男女ひとつずつ内風呂で楽しめます。

そしてもうひとつが大浴場の目の前の洞窟から湧く湯。肌がツルツルするので「ツヤ肌の湯」とも呼ばれているそう。目の前に広がる森の緑に癒されながらお湯に浸かっていると、贅沢な時間を過ごしていることを実感するでしょう。

宮城蔵王の山懐にある、文化財の宿「時音の宿 湯主一條」。蔵王観光やこけし巡りの拠点の宿としてもオススメです。












