2021年12月に開業5周年を迎えた「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 仙石原」。“滞在するレストラン”として美食家や旅好き達を魅了し、一休.comのクチコミでも高い評価を獲得し続けているラグジュアリーリゾートホテルです。
今回は女将・岩﨑純子様へインタビュー。女将が考える「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 仙石原」の魅力から、多くのお客様に愛され続ける理由を紐解きます。
目 次
お客様に支えられ、想いが詰まったホテルを作り上げてきた5年間
-5周年を迎えられてのお気持ちを教えてください。

あっという間のような、長かったような、そんな5年間でした。
この5年を振り返ると、お客様に支えていただいた記憶が強く残っています。
例えば2019年は、春に大涌谷が噴火して観光に制限がかかり、10月には台風の影響で温泉の供給がストップしてしまったり、道が寸断されてしまったりと、お客様にお越しいただけない時期が度々ありました。年末頃に回復して間もなく、2020年にはコロナが始まり、と自然災害などに左右されることが多かったように思います。
でもそんな時に「元気にしている?」とお電話をくださるお客様や「ここはコロナ禍でも安全だと思ってきました」とお土産を持ってきてくださる方もいらっしゃいました。そのお陰もあって今まで乗り越えることができたので、感謝の気持ちでいっぱいです。
-オープンから様々な困難を乗り越えてこられたのですね。特に印象に残っているエピソードは何でしょうか?

カップルのお客様が、ホテルをすごく気に入ってくださり、ひらまつのレストランで結婚式をされて、親御様へのプレゼントにひらまつの宿泊券を選んでくださったことがありました。コロナ禍で一度は結婚式を諦められたそうですが、私たちと出会って「やっぱり結婚式やりたいね」と思われて、都内のひらまつのレストランで小さなパーティーをしたそうです。
お二人の幸せのきっかけになれたことが何よりも嬉しかったですし、ひらまつの中でリンクできるのがいいなと思いました。
また、ご高齢のお客様も多く、先日は、白寿のお祝いで99歳のおばあ様と息子さん達のご家族6名様のお客様がいらっしゃいました。団欒の様子を拝見して、世代を超えて一晩過ごせるのは、ホテルならではの魅力だと思いました。そのおばあ様はとてもお元気な方でしたが、少しお疲れになったとしても、すぐお部屋に戻って休める安心感もありますし、景色が良くリフレッシュできる環境なので、ご家族の皆様との思い出にもなったと思います。
あと、私はブライダル部門にいたのですが、当時結婚式の担当をしたお客様が来てくださったことも印象に残っています。最初お会いした時にはご夫婦お二人だったのが、お子様が生まれてご家族になってまたお会いできるというのは本当に嬉しいです。
歴代の人気メニューが揃う、5周年を記念したプレミアムディナーコース
-5周年を記念して、期間限定のプレミアムディナーコースをやられているそうですね。

きっかけは、大切な5周年という節目の年に、お客様への感謝の気持ちをかたちにしたいという想いでした。建物は変わりませんが、人は変わっていくので、スタッフにとっても思い出に残るものにしたいと思ったのです。やはりここはレストランが中心なので、シェフが創ってきた歴代メニューからお客様に特に人気だったお料理でコースを作り、それぞれのエピソードをお伝えするのが良いのではという案が生まれ、このプレミアムディナーコースに決まりました。
-メニューはどのように決められたのでしょうか?


先ずは5年間のメニューを全部書き出すところから始めました。そこから「前菜はこれがいい」「パスタはこれがいい」と投票し、上位のメニューを調理場のメンバーと私達で話し合って、お客様に喜んでいただける構成を考えて作りました。
この作業を通して5年間を振り返ることができましたし、当時在籍していなかったスタッフも「当時はこんな一皿もあったのか」と再認識ができました。今は別の店舗で働いているスタッフからもエピソードを集めて作ったので、皆の想いが詰まったメニューになっています。
-ひらまつファンにはたまらないコースですね!お客様からの反応はいかがでしょうか?
昔から来てくださっているお客様には、特に喜んでいただけています。ここ1、2年来ることができず久しぶりにいらっしゃったお客様は、今回のコースの料理全品をリアルタイムで召し上がられていて、MENU BOOKをご覧になった時には「懐かしい」と涙されていました。
初めてのお客様にも好評をいただいているので、4月15日まで延長することになりました。
-長く来てくださっているお客様は懐かしく、初めてのお客様もエピソードを通じて5年間の変遷を楽しめますね。メニューを拝見して気付いたのですが、魚料理は2018年と2020年の2度やっていらっしゃったのですね。

2018年と2020年では少し変えていますが、今までに2度登場しています。
プレゼンテーションにもこだわっていて、お客様の前で出汁をかけて仕上げます。その出汁は「THE HIRAMATSU 京都」にある「割烹 いずみ」の料理長 小泉に教わった技を取り入れているんです。
-イタリアンに和食のエッセンスを取り入れられているというだけでなく、ひらまつさん内でのコラボレーションを楽しめる一皿ですね。
そうですね。小泉がオープン時に何か月かレストランを手伝いに来てくれたときに、「ひらまつ仙石原」の統括料理長の吉越は、出汁の取り方やご飯の炊き方など、和食のことを一から教わったそうです。それが刺激になって、料理の幅が広がったと吉越は言っていました。
女将が考える「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 仙石原」の魅力とは
-ひらまつさんと言えば、やはり食事がキーワードになるかと思います。女将が考えるレストランの一番の魅力は何でしょうか?

料理が美味しいことは私たちにとって大前提で、更に心からリラックスできる空間であることだと思います。都内のレストランと比べると、自然豊かな環境で召し上がっていただけるので、感じ方が全く違うと思います。堅苦しさを持たずに、でも崩しすぎずに、という、程よくリラックスできる雰囲気も大きな魅力だと思います。
料理は、地元の食材を取り入れながらも、ひらまつのネットワークを利用して海外から取り寄せた食材や、国内から厳選した食材も使っていて、先程の話にもありましたが、イタリア料理をベースに、フランス料理や日本料理の技法を加えた吉越オリジナルの料理が特徴です。
-宿泊施設は「ひらまつ」のホテルで唯一、本館とレジデンスの2つの滞在スタイルを採用されていますね。

本館は“滞在するレストラン”として、新しく建物から造った、賢島、熱海に続くひらまつらしいホテルです。

2019年9月にオープンしたレジデンスは、食事に重きを置いていない方にも、ひらまつの空間を楽しんでいただけるようにという想いで造りました。そのため、レジデンスのお部屋だけは夕食無し朝食のみのプランもご用意していて、ひらまつらしさを知っていただくきっかけになればと思っています。
-「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 仙石原」でのおすすめの過ごし方を教えてください。

1泊でしたら、できるだけ長くご滞在をお楽しみいただけるよう、チェックイン開始の15時にお越しいただくのがおすすめです。先ずお風呂に入って、お部屋で寛いで、ダイニングで夕食を召し上がって、またお風呂に入って、ゆっくり過ごして、眠る前にまたお風呂に入る。翌日も朝風呂に入って、朝食を召し上がって、またお風呂に入ってとしていると、あっという間にチェックアウトの時間になってしまうと思います。
ありきたりですが、多くのお客様がこうして過ごされているので、当たり前のことが一番幸せなことなのかなと思いますね。
特に最近は連泊のお客様が増えていて、お部屋でゆっくりと過ごされて、お部屋清掃の時だけロビーに出てこられる方も多いです。


箱根には何度も来られていて、旅の目的地として私達のホテルを選んでくださっている方が多いので、皆様チェックインは早いです。特別何かをしに、というのではなく、自然に囲まれた上質な空間で癒され、温泉に入って体をリセットして、美味しい食事を召し上がって、次への活力を得て帰る、そんな場所でありたいですね。
「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 仙石原」の女将として大切にしていること
-岩﨑様はブライダルのご出身と伺いましたが、女将を務めることになったきっかけは何だったのでしょうか?

「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 賢島」客室
当時の上司から直接電話がかかってきて「女将をやってみないか」と言われました。
同年の7月にオープンした「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 賢島」に家族で宿泊しに行ったのですが、そこで感じたのは「レストランの会社に入ったのに、こんなホテルができたんだ」という衝撃と、今までレストランで働いていたメンバーがすっかりホテルマンになっていたことに成長を見た、という感慨深い思いでした。
実は、ホテル事業に参入することを初めて聞いた時は驚きましたが、賢島のホテルに宿泊してからは、ブライダル部門で働きながらも「自分もホテルをやってみたい」と、気持ちに変化が生まれました。その話が届いたのか、仙石原での女将の話をいただきました。
-女将業もホテルも初めてのことだったかと思いますが、どのようにしてこられたのでしょうか?

「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 熱海」ダイニング
先にオープンした「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 熱海」を手伝うことで、先ずはホテルのことを学びました。
熱海と仙石原はオープンの時期が近かったので、熱海の女将を務めている荒井とふたりで京都の有名老舗旅館に宿泊し、勉強もさせてもらいました。そこでの体験や感じたことを活かして、自分の店舗でどんなことができるのかを考えました。
荒井とは年に何度か一緒に旅行をして、宿泊したホテルでいいなと思った点をそれぞれ持ち帰り「こんなのやってみたよ」と報告し合ったり、成功談や失敗談を話し合ったりしています。同じお客様が仙石原と熱海の両方をご利用されることも多いので、情報を共有しながらやっています。
-女将同士の繋がりが、お客様へのより良いおもてなしにも繋がっているのですね。女将として、日々心掛けていることはありますでしょうか?

私が前に出て色々やることはあまりせずに、女将として、付かず離れずの立場で居たいなと思っています。
若手スタッフが多いので、お客様から「若いスタッフに良くしてもらった」と言っていただくことが私にとって一番嬉しいこと。特にレストランでは、若手スタッフたちが活躍できるように自由にやってもらっていて、万が一何か粗相があった場合には、私が全てフォローするという覚悟でやっています。
お客様にとっても、スタッフにとっても、そこに居ることで存在感や安心感を与えられるような女将でありたいと思っています。
-一休のお客様の中でもリピーターの方が多い印象がありますが、おもてなしの面で工夫されていることがありましたら教えてください。

一度の体験が素晴らしければまた来ていただけると思っているので、当たり前のことですが、どのお客様にも真剣に向き合っています。
特にレストランスタッフがやってくれているのは、会話を楽しんでもらったりお客様の内面を引き出したりすることで、それにより、その方に合ったサービスをして差し上げられます。接している時間が長いので「私に」というよりも、私以外のスタッフに会いに来てくださるお客様の方が多いかも知れません。
お客様のことをスタッフ間で共有することで、私も把握した上で接することができますし、次に来ていただいた時にはより良いサービスをご提供することができます。お子様の名前も覚えていると喜んでくださる方が多いので、こちらも嬉しくなります。
-女将一人だけでなく、スタッフ一人一人に会いにきてくださるお客様がいらっしゃることが、リピーターのお客様が多い理由のひとつなのですね。
10年、20年と長く続くホテルを目指して
-女将として、これからどのようなことに挑戦してみたいですか?

ホテルとして長く存在し続けたいというのと、もっと予約が取れないホテルにしたいという想いがあるので、それに向けて日々邁進していきたいと常に思っています。
そのためにも、この地域ならではの魅力を更に取り入れて、ひらまつらしい表現で打ち出していけたらと思っています。例えば料理では、地元の神奈川県や、隣の静岡県、山梨県にも足を運んで良い食材を探して、もっと料理に取り入れていけたらいいねと話しています。
-最後に、一休.comユーザーに一言メッセージをお願いいたします。
一休のお客様は旅慣れている方が多いので、皆様に満足していただけるようなサービスと料理と空間をご提供できるように、引き続き頑張って参ります!お客様から教えていただくことも多いので、自分達でも工夫をしながら、お客様のお力もお借りしながら、より良いホテルを作っていけたらと思います。
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岩﨑純子
大阪府出身
大学卒業後、専門商社勤務を経て、2003年㈱ひらまつ入社。
レストランウエディング業界を牽引する「リストランテ ASO」でブライダルコーディネーターとして活躍し、のちに「メゾン ポール・ボキューズ」との2店舗の代官山エリアマネージャーに就任。
2016年ホテルオープンを前に現職へ着任し、お客様一人一人に寄り添う優しさあふれる接客で、ホテルを支えている。
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THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 仙石原
神奈川県/箱根・仙石原
【編集後記】
インタビューを通じて感じたことは、ひらまつならではの幅広いチームワークがお客様を魅了している大きな理由になっているということ。その中でも女将である岩﨑様の存在はとても大きく、皆様を温かく包み込み、安心感を与えてくれる方なのだと感じました。
東京から約2時間という便利なロケーションだからこそ、ちょっとリフレッシュをしたいなと思ったときに足を運んで、美味しい食事や温かいおもてなし、上質な空間に癒され、また次の日を頑張る活力をチャージしに伺いたいと思いました。












