2020年に創業から130年を迎えた「ウェスティン都ホテル京都」。今年の春には数年にわたる大改装を終え、グランドリニューアルを果たしました!そんな中、今回は昨年ひと足早くリニューアルオープンした数寄屋風別館「佳水園」へ。どんな風に生まれ変わったのか、詳しくレポートします。
目 次
生まれ変わった数寄屋造りの粋を堪能

「佳水園」とは、日本モダニズム建築の開拓者の一人に挙げられる村野藤吾氏の設計により1959(昭和34)年に建設されました。建物があるのは、ホテルの7階にあたる場所。市内でも少し小高い場所に位置する「ウェスティン都ホテル京都」ですが、「佳水園」はその中でもさらに高い場所に建てられています。つまり、お部屋によっては、京都市内を見渡せるような絶景が!盆地の京都ではなかなか出会うことのできない景色がここにはあります。

入口では、佳水園専属の女将・松元美抄さんが美しい着物姿で出迎えてくれました。まるで旅館に泊まりに来たかのような気分になります。
最初に松元さんが案内をしてくれたのが、一枚岩を活かして作った佳水園庭園。作庭は、平安神宮などの造園で知られる7代目小川治兵衛氏の長男・白楊氏。京都市文化財(名勝)にも登録されており、建物と山との距離が近いため、まるでこちらへ迫ってくるかのような迫力がありました。

続いて建物に入ると、ふんわりとお香の香り。世界中のウェスティンホテルのロビーでは「ホワイトティー」の優雅な香りが出迎えてくれますが、「佳水園」では京都の老舗「松栄堂」のお香が焚かれており、和の風情を感じます。

ウェルカムティーはお抹茶で。通常は、チェックイン後に立礼式でお点前を披露してもらえ、点てたてのお抹茶をいただけます。裏千家や表千家など、お茶の流派はいろいろありますが、お伺いした際には、織部流扶桑派でいただきました。
宿泊者専用ライブラリーで日本の文化や伝統にふれる

お部屋に行く前に通りがかったのが、宿泊者専用のライブラリー。今回のリニューアルで新設されたスペースです。和の設えが美しい空間で、座り心地のいいソファで気さくに寛げるようになっていました。
ライブラリーの窓からも、目の前に樹々の緑が楽しめ、そばに自然を感じられるのも「佳水園」の魅力だなぁと思います。

ライブラリーに置いてある本は、京都の暮らしやお寺、懐石、建築、庭園など、伝統文化に関するものから、お出かけ案内などさまざま。

一角にはドリンクコーナーも用意されており、カフェまで足を運ばずとも、館内で至福の読書タイムが過ごせそうです。
2部屋を1つに!のびのび過ごせるゆとりの客室
「佳水園」には全部で12室あります。平均客室が約40㎡だったのを、2部屋を1つにすることで、約70㎡へと拡大。元々の繊細な設えはそのままに、現代のスタイルに合うようリノベーション。ベッドルームが設けられ、リビングルームと分けることで、さらに広々と快適な客室へと生まれ変わっていました。

こちらは、「天然温泉風呂付ツイン100平米(月1)」のお部屋。12室それぞれ設えが異なるので、来るたびに違うお部屋に泊まるという楽しみも!

「天然温泉風呂付ツイン63~68平米(東山1)」のお部屋。リビングへ足を踏み入れると、窓から市内を見渡せる絶景が広がっていました。夜景も楽しめるほか、天気のいい日は、五山の送り火である「左大文字」「船形」「鳥居」も見えるそう。

「天然温泉風呂付ツイン100平米(月7)」の寝室。こちらは畳+ベッドですが、お部屋によってはフローリング+ベッドのタイプもあります。

お部屋ではゆったりと過ごしてほしいとの思いから、各部屋のドリンクコーナーも充実!

水は、日本酒の仕込みに使われる天然水の「伏水」が置いてありました。

ミニバーにはアルコールドリンク、ソフトドリンクも。特別なお部屋だけに、すでにいいワインが用意されていますが、緊急事態宣言下でレストランでのお酒の提供が難しい場合、もしくは部屋飲みを楽しみたいときに、レストランのワインセラーからお好きなワインを選んで、お部屋で飲めるというサービスもしている(レストラン営業時間内)とのこと。

さらにお部屋には、あえて急須で淹れるお茶もスタンバイ。茶葉は「福寿園」の茶葉を使った佳水園オリジナルブレンドの宇治茶で、こちらはぬるめのお湯で淹れるのがポイント(淹れ方の説明書もあり)。お湯が冷めるのを待ちながら、自分のために丁寧にお茶を淹れる……こういう時間を持てることが“本当の贅沢”なのかもしれません。

書斎コーナーには、こんなお手紙セットも用意されていました。便箋や絵はがきのほか、インクを使って書くガラスペン、切手まで!旅の思い出をしたためてすぐに投函できるというのは、ありがたいですね。
「佳水園」には、お部屋で過ごす楽しみが盛りだくさんです。
蛇口をひねれば天然温泉!

さらに魅力的だったのが、お部屋で楽しめる天然温泉。「佳水園」では、どのお部屋も蛇口をひねれば天然温泉が出てくるのです!いつでも気軽に、華頂山から湧き出した温泉が楽しめるという贅沢……
「月1」のお風呂は高野槇の丸いタイプですが、ファミリーでも入れそうな広さの長方形や楕円タイプなど、お部屋の設え同様にお風呂も多彩なバリエーションがありました。

お風呂の横には、温泉成分の表示があり、いかにも温泉!という雰囲気がうれしい。泉質は、筋肉や関節の痛み、疲労回復などに効果があると言われている単純温泉(低張性弱アルカリ性低温泉)。

アメニティも凝ったものが置いてありました。骨董品のように美しいシェーバー。

歯ブラシや櫛、フェイスタオルなどは木箱に入れられて。

元は20部屋あったというだけあって館内は広く、ちょっと移動する廊下からも庭が見えたり。館内にいながらにして、豊かな自然を感じられます。宿泊者限定で美術品や調度品、また、ホテルの歴史を説明してもらえる「館内見学ツアー」も実施されているそうですよ。

「佳水園」のすぐ横には、バードウォッチングや森林浴が楽しめる「野鳥の森・探鳥路」がありました。オリジナルの散策マップもあったので、地図を片手に朝の散歩にも気持ち良さそうです。
「佳水園」には、お部屋はもちろん、館内でのお楽しみが盛りだくさんで、外に出るヒマがないくらいの充実ぶり! コロナ禍であちこち出かけるには少し憚られることもありますが、ここに来れば「滞在する時間そのものが京都旅となる」……そんな気がしました。名所めぐりに追われない、あえて“何もしない贅沢”を味わうためだけにお宿選びをするというのも、これからのスタイルとして定着していくのかもしれないなぁと思います。
ウェスティン都ホテル京都
京都府/東山けあげ












