北海道を中心に、高級住宅・宿泊施設などのデザインを手掛けている建築家・中山眞琴氏。京都の建築、特に桂離宮に影響を受けたという中山氏の建築には、繊細かつ無駄をそぎ落とす日本人の精神性も表れています。今回は、そんな中山氏が生み出した世界観の中で過ごすことができる宿をご紹介いたします。
ニセコの雄大な自然の中で何もしない贅沢を
坐忘林(北海道/ニセコ)
「坐忘林」は、手つかずの自然が残る北海道・ニセコに佇む宿。静座をして雑念を取り除く“禅”がコンセプトの宿は、伝統的な旅館の趣とモダンなデザインが融合した空間です。
独立した15の客室は全室がスイートルーム仕様。和室と洋室の2タイプから選べ、敷地内から湧き出る温泉を掛け流しで愉しめる露天風呂と内湯が備わります。宿を囲む白樺の原生林や四季の移ろいを眺めていれば、自然と日常の煩わしさを忘れてしまいそうです。

坐忘林
北海道/ニセコ
ノスタルジックとモダンが融合するデザイナーズ空間
望楼NOGUCHI函館(北海道/函館)
函館・湯の川温泉に佇む「望楼 NOGUCHI 函館」。古くから港町として異国文化を受け入れてきた函館ならではの大正ロマンを感じさせつつも、新しい感性を取り入れた“函館知新”がコンセプトの宿です。
120平米の広さを誇る「SUITE洋室」は、メゾネットタイプのスタイリッシュな空間。湯の川温泉の湯が愉しめる展望風呂も備わります。まるで美術館のような館内施設も魅力のひとつ。庭園を眺めながらコーヒーやソフトドリンクがいただける「ウォーター・サイド・カフェYUGEN」や、最上階から函館の街並みを一望できるスカイラウンジ「SKY SALON BOUKYOU」は足を運んでみたいところです。

望楼NOGUCHI函館
北海道/函館
登別温泉の自然景観と調和する大人の空間
望楼NOGUCHI登別(北海道/登別温泉)
「望楼 NOGUCHI 登別」は、名湯の地・登別に佇む大人のプライベートな時間を愉しむ宿。“北海道の和”を表現した和モダンがコンセプトで、洗練された落ち着きのある空間が広がります。
全ての客室はゆったり寛げる50平米以上で、窓の外に広がる登別温泉の景色と調和する設え。客室には専用の展望風呂も備わり、温泉に浸かりながら心地よい自然に癒されることでしょう。バー「ZERO」は、湯上がりや就寝前のひと時に立ち寄りたいスポット。見た目にも美しいカクテルや地酒など、1日の締めくくりにお酒を嗜んでみては。

望楼NOGUCHI登別
北海道/登別温泉
石の庭園に囲まれる1日7組限定の隠れ宿
旅庭 群来(北海道/江差)
「江差追分」でも有名な北海道・江差町に位置する「旅庭 群来」。鴎島に続く江差港の程近くに見える石塀の向こう側が、日常から一線を画した空間になっています。お部屋は、海をモチーフにして敷き詰められた石の庭に配された7室のみです。
全てのお部屋には敷地内の源泉を掛け流しで愉しめるお風呂の他、外に出ることのできるデッキテラスも。海の近くならではの心地よい海風を感じられることでしょう。個室の食事処では、地元北海道の味覚を地産地消でいただくことができます。
旅庭 群来
北海道/江差
古き良き蔵をイメージした宿で寛ぎのひとときを
小樽旅亭 藏群(北海道/小樽)
「小樽旅亭 藏群」は、そばを流れる朝里川や里山を借景に、蔵に見立てた客室が並ぶ宿。19の客室は、和骨董をはじめ、李朝や明朝家具が置かれたひと部屋ひと部屋で趣が異なるインテリアになっています。
お部屋は川側タイプと坪庭タイプの2種類。全室で温泉の湯浴みを愉しむことができます。館内施設が全て無料で利用できるオールインクルーシブスタイルなのも嬉しいところ。冬には窓の外に積もった雪を望むカフェ&バー「クラルテ」で、お気に入りのドリンクを見つけてみてはいかがでしょうか。

小樽旅亭 藏群
北海道/小樽
北海道各地はもちろん、ぞれぞれの土地に合った個性豊かな建築作品を生み出す中山眞琴氏。空間のコンセプトはもちろん、込められた想いを意識しながら滞在すれば、いつもとは違った視点から旅の愉しみを見出せるかもしれません。
更新日時2021.02.22 11:30