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しっとりとした古都の風情に溶け込む正統和風旅館のもてなしが心に染みる
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しっとりとした古都の風情に溶け込む正統和風旅館のもてなしが心に染みる 四季亭(奈良県/奈良公園)

今なお深い歴史が息づく悠久の都・奈良を代表する、東大寺や春日大社などを擁する奈良公園。奈良と聞いて誰もが、すぐさま思い浮かべる場所を100年余もの歳月、傍で見守るようにして「四季亭」は建ち続けています。周囲の風情にしっくりと溶け込む寺社風の外観は、古都を訪ねた旅人の期待感を高揚させるのに十分な落ち着きと存在感を放っています。

 

広々として塵1つない玄関を上がると、名刹・興福寺の三代前の管主がしたためたという見事な書が迎えてくれます。館内は裸足のままのびのびと移動できるようにと、廊下などにも畳が敷きつめられ、歩くたびに開放感と天然素材の心地よさを感じることでしょう。

 

床の間や小上がりなど由緒正しい和室のしつらえも美しい客室は、襖絵や格子戸、御簾など、繊細な手仕事による伝統工芸品が随所に見られ、あたかも小さな日本美術の館のよう。

丹念に磨き上げられた柱の光沢やガラス窓の透明感からも、見えないところにも決して手を抜かない日本の魂、心意気を感じられます。窓辺から見える庭園の木々も、さりげないけれど手入れが行き届いていて、見るたびに清々しい気持ちになれるでしょう。

 

そんな清潔感と落ち着きを携えた客室に居るだけで、心がすっと静まってくるから不思議。純和風を守りながら現代的な機能もうまく取り入れ、快適さを保たれているのもこの宿が多くの人から長く愛される理由の1つかもしれません。

 

奈良の一等地にありながら、「不老湯」という名の大浴場があるのもなんとも魅力的。重厚な御影石をふんだんに使った洗い場と香り高い檜の浴槽は、派手さはありませんが品格が漂います。湯船から中庭の生垣や四季を感じさせる生け花を眺めれば、確かに寿命が延びるような気がしてくるかもしれませんね。

 

旅の疲れと日々の雑念をすっかり洗い流したら、宿自慢の「大和路料理」の美味しさに満たされましょう。奈良の伝統工芸、赤膚焼の器に、厳選された季節の食材を目にも鮮やかな一品へしたてた見目麗しい和食の数々は、食べてしまうのがもったいないほど。繊細な盛り付けに箸をのばし、ひとたび口に運んでしまったら…、今度は料理人が心を込めて作った優しくも奥行きのある美味しさの虜となることでしょう。日本に生まれ、四季を味わう口福をゆっくりと噛み締めたいものですね。

 

全部で10室と厳選されているため、至るシーンで行き届いたもてなしが受けられることこそ、実はこの宿の真髄。ただ何気なく館内をそぞろ歩く時でさえ、温かな眼差しは常にゲストを見守ってくれているのです。えも言われぬ安心感と居心地の良さに惹きつけられ、足繁く通う人も少なくないのだそうです。

 

観光の拠点としてはもちろん、日常の喧騒に疲れた時、ふと訪ねると心が休まる…。「四季亭」はそんな懐深い安らぎを与えてくれる場所なのです。

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