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【滞在記】マッキー牧元の“宿・食探訪記” 「箱根本箱」お部屋編
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【滞在記】マッキー牧元の“宿・食探訪記” 「箱根本箱」お部屋編 箱根本箱(神奈川県/箱根)

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多くのメディアに登場し、グルメ界では、言わずと知れたマッキー牧元さん。“美食”を求めてほぼ毎日、全国を飛び回る彼ですが、それと一緒に素敵な宿にも泊まられています。今回マッキー牧元さんは、箱根・強羅の宿、“本のある暮らし”を提案する「箱根本箱」に滞在。その模様を紹介してくれます。「本当に素敵な宿だ」と感想を漏らしたほどのポイントとは、必見です。

ひとり湯に浸かって、本を読む。つかれたら、青空に流れゆく雲を追う。そしてまた、本に戻る。

強羅温泉の宿「箱根本箱」にやって来た。今僕は、部屋にある露天風呂で本を読んでいる。湯けむりが文字にかかって、いつもより言葉が柔らかい。日がな一日、湯船に浸かって本を読む。

ここはそんな幸せを実現させてくれる宿である。本が一万二千冊。収められている本は、館内のどこにでも持ち出せ、すべて買うこともできるのだという。フロントや二階のサロン、地階それぞれに、ゆるやかにジャンル別で本が置かれている。自分の好きなジャンルを、徹底的に読み込むのもいいだろう。あるいは、普段手を出していないジャンルの本を何冊か手に取り、読んでみるのもいいだろう。

普段は本とは、本屋やネットなどで買われるか、図書館で借りて接している方が多いと思うが、この宿では、日常生活では気づかない、本との出会いが待っている。

本との出会いは、人生のように運命だと思う。たくさんの本のタイトル背表紙を眺めていると、なぜか「私を読んで」と語りかけている本がある。すると直感的に、「この本を読まなくちゃ。読みたい」という衝動が走る。
そしてここが一番大切なことなのだが、「読みたい」には旬があり、それは「読みたい」と思った瞬間であり、本を手にとって開くまで時間がかかればかかるほど、旬は失せていく。

その点この宿では、旬は逃げない。何冊か選んで部屋に持って行くことができる。欲張りな私は、20数冊を持ち込んでしまった。さらに各部屋には、著名人が選んだ本が置かれているではないか。僕の部屋は、川上未映子さんの選書だった。「読みたい」本に囲まれて、一人、ほくそ笑む。

さあそれからは夕食の時間まで、読書三昧である。ベッドに沈みながら、本を読む。テラスのハンモックに揺られながら、本を読む。畳にゴロンと横になりながら、本を読む。本棚に囲まれた二階のソファーで、淹れたてコーヒーを飲みながら、本を読む。遠く山々を臨みながら、レストランの外のテラスで本を読む。

夕食後に、ウィスキーのお湯割りをちびちびやりながら、本を読む。朝陽を浴びながら風呂に浸かり、本を読む。

辰巳芳子さんの料理書、中村好文さんの建築の本、日高敏隆さんの生物論、タツノオトシゴ図鑑、李禹煥さんの「余白の芸術」、池澤夏樹さんや村上春樹さんのエッセイ、様々な絵本、岸田秀さんの「ものぐさ精神分析」、クリコさんの「希望のごはん」、和辻哲郎さんの「古寺巡礼」、グレイス・ベイリーさんの短編、湯川秀樹さんの「詩と科学」、ターシャ・テューダーさんの人生観。片っ端からページをめくった。

疲れたら、空を漂う雲を見る。気分転換に温泉に入る。地階のミニシアターで、ぼうっと短編映画を見るのもいい。まぶたを閉じて、うたた寝をしてもいい。

「箱根本箱」には、ありあまる本と、ありあまる自由な時間があった。そのため、今まで泊まって来た宿より、たくさんの時間をもらった気がした。それがなにより、嬉しかった。

箱根本箱

箱根本箱

神奈川県/箱根

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更新日時2021.02.16 15:06

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