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『日本一予約が取れない宿』箱根吟遊で過ごす、幸せな時間 (前編)
インタビュー

『日本一予約が取れない宿』箱根吟遊で過ごす、幸せな時間 (前編) 箱根吟遊(神奈川県/箱根町宮ノ下)

宿泊することを待ちわびる声が後を絶たない人気旅館「箱根吟遊」。箱根・宮ノ下温泉にある、2人で幸せな時間をはぐくめる宿として、リピーター率の高さを誇る宿。今回はオーナーの太田様に、人気の高さの理由を伺いました。

旅館にリゾートのエッセンスを取り入れた先駆けの宿

―エントランスから見る絶景が圧巻ですね。こちらに旅館を開業されたきっかけについてお教えください。

私の曾祖母が昭和26年にこの場所で旅館を開業したのが始まりです。非常に斬新な数寄屋造りのモダンな印象の建物でした。
当時は新婚旅行やご夫婦という2人客でお使いいただきたいと思っていたのですが、時代の流れで団体旅行が主流となり、結果的にうちもバランスが崩れた旅館になっていきました。ちょうど20数年前、28歳の頃に家業を手伝い始めたのですが、私のイメージは立地的に、お2人で来ていただく旅館だと考えていました。
もし海外の方が来た時にも勝負ができる旅館にしたいな、と。

―どのようにして今のようなスタイルを確立されたのでしょうか。

木造で改装しやすかったのもあり、新しいコンセプトとして「貸切露天風呂」というその当時あまり耳にしない言葉を作りました。
この景色を活かす、お2人のお客様向けの目玉が欲しかったからです。
徐々にお2人のお客様が増えていく中で、
「露天風呂が付いたお部屋ができたのですか?」という間違い電話を非常に多く受けました。さっそく、「次はそれだ!」と思って、木造建築の中にオープンテラスを設けたお部屋を3部屋作りました。
「そんなお部屋流行るわけがない」という反対意見に、半年以上かけて説得をして作ったお部屋が「悠和亭」。オープン1カ月前に一斉に販売したところ、瞬く間に半年以上予約が埋まりました。

―露天風呂付きのお部屋で不動の人気になったのですね。そんな中、「箱根吟遊」をオープンするきっかけは?

今からちょうど17年前の11月16日に火災が起き、建て替えることになりました。
いつか建て替えの時期が来た時はお客様に「こう感じてもらいたい」、という構想を言葉や画、図面としてたくさん書いていました。山の景色の見え方や、時間の変化をいかにお客様に伝えるか。ガラスの取り方、角度、大きさ、がすごく影響していて。

「ハード」面だけでなく、こう感じてもらいたい、という「ソフト」面の連続で設計しました。目の前の峰が突き出ている場所にロビーを持っていったのも、ちょうどVの字に川が流れているのが、何となくパワーをもらえるのではと思って。

―「箱根吟遊」はバリ風のテイストが有名でいらっしゃいますね。コンセプトはどのように作られたのでしょうか。

わかりやすく、うちなりの特色の出しやすいカラーの建物にしたかったんですね。実は、「箱根吟遊」を作ろうと思った時に旅館を殆ど見て回りませんでした。見てしまうと、素敵な施設のかっこいい部分を真似してしまうから。代わりにバリに2週間ほど滞在し、同規模のヴィラやホテルがどのように景色を見せているか、周りの環境との調和をどう図っているか、調度品をどう配置しているかなどを参考にしました。

加えて、施設のオーナーやマネージャーから「僕たちはヴィラを開業する時は必ず日本に見に行く。飛騨高山や神社仏閣等も含めて日本に見に行き、参考にすることが定説になっている」と会話の度に教えて頂きました。僕が見てかっこいいなと思うバリのエッセンスの中にも、ある意味逆輸入的な感覚として通じるところがあるのでは、と感じて。
このイメージを旅館に活かそうと思い立ち、リゾート感のエッセンスを取り入れました。

―「箱根」=「温泉地」のイメージが強い中、吟遊は「秘境にきた」ような錯覚がすごく面白いですね。

箱根だから、旅館だからこうじゃなきゃいけないというのはないんですよね。
旅館の守るべきものや旅館スタイルは大事にしなくてはいけない点もありますが、それにこだわって旅館が衰退していくより、多様性があってもいいのでは、と思っていて。1泊でも滞在型、滞在をしたかのようなイメージの旅館にしたかった。ある意味リゾートの感覚ですね。
また、旅館はもてなす「人」が最大の武器。この景色があって、このスタッフがいて、こういう想いがあるからバランスを取れていると思っています。スタッフ1人1人がそれぞれの想いを持ったサービスをしなければならない。
スタッフには「10人に1人、熱烈なファンのお客様を作ろう」と言っています。
お2人のお客様に特化したのも、私は男の気持ちしかわからないので、大事な人とお2人でいらした時にどう過ごすか、どう過ごしたいかということを第一に考えた為です。

2人で旅行に行っても、1人になりたいと思うことってありますよね。そこで客室露天風呂の他に男女別の大浴場を用意しました。同性のグループだと、1人になる時間帯ってないんではないかと。女性は3~4人で来たらずっとお話をされていたりとか。1年後には、箱根のどこの旅館に泊まったかを思い出せなくなった、となるわけです。
どうしたらこの景色と吟遊に来たという実感を持って、思い出に残して頂けるかということを考えると、お2人の時間と、たまに1人になる時間のメリハリが大事かなと思い。そういった時に使って頂きたいのが大浴場やスパです。自分がわかっている範囲で「良い旅館」を造ればいいと、シンプルに思っています。

2人客と言っても、初めてのお泊まりのカップルから、何十年も連れ添ったご夫婦もいらっしゃって、過ごし方も変わります。色々な想いや状況・関係性がお2人のカラーを作る。それを主体に考えていかないとすごく浅くなってしまうので、色々なパターンを考え、準備をさせて頂くのがうちのスタイルです。
自然な状態で、それぞれの過ごし方を提案し、インパクトを残していくバランスを考えていますね。
「お2人」をターゲットにすることは、ものすごく深いと改めて感じています。

―スパを始めたきっかけは何ですか?

25年くらい前から部屋を改装して、フェイシャルとリフレとネイルを始めました。完全にリゾートの感覚から出てきた発想です。リゾートだったら、温泉に入ってエステに行ってというセオリーがあるのに、温泉に入って、その先って何だろう?と。やっぱりちゃんとしたエステが必要だなと考えました。うちに来られるお客様は皆様本物志向のお客様が多いので。

―スパの1番のこだわりは何ですか?

オイルもそうですが、一番は空間とスタッフです。最初は館内でやっていたんですが、その時に地に足がついていないとだめだなと。
リラックスする状態というのは、地に足がついている状態だと思うので、離れのあの場所になりました。
【後編:『日本一予約が取れない宿』が目指す究極のおもてなし(後編)へ】

箱根吟遊

箱根吟遊

神奈川県/箱根町宮ノ下

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