隅々まで手入れが行き届いた空間に、季節の野の花がこちらに一輪、あちらに一輪…。多くの花とアートに囲まれた閑静な宿が有馬温泉にありました。
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美しく静謐な大人空間

日本三古湯のひとつ、有馬温泉。その温泉街を見下ろす高台にある「高山荘華野」は、乳幼児も含め、12歳以下の子供は利用できない、大人のためだけの宿。
車止めから20段の石段をゆっくり登って玄関へ。館内に足を踏み入れれば、その理由を誰もが納得するに違いありません。

あちらこちらに飾られた野の花。日本はもとより、インドネシア、フランス、韓国、アフリカ。世界中から集められた器や家具、絵画などが、実に絶妙なバランスで飾られています。

国もジャンルも時代も異なるのに、それらの一つ一つがずっと以前からそこにあるような、馴染んだ景色を作っている不思議。この「場の空気」は、大人だけが味わえる特権といっても過言ではありません。
全17室。ゆとりある和の空間で和む

客室は木造2階建ての和の「風景館」と、鉄筋5階建てで高台からの眺めも楽しめる「華野館」で計17室。館内同様、部屋もすっきりとゆとりを感じる空間で、床の間にはもちろん「なげ入れ」の野の花が。

こんなにも心が和むのは、一夜のゲストのためだけに花を生けた、館主のもてなしの心が感じられるからでしょう。

どの部屋もリラックスできる雰囲気ですが、もし窓の外の緑も楽しみたいなら、華野館の最上階にある角部屋がおすすめ。この宿一番の人気の部屋で、有馬の温泉街を見下ろす景色と山々の緑に囲まれるように過ごせます。ツインベッドを入れた和洋室なので、ベッド派の人にもぴったりです。
多くの美術品に囲まれて

有馬の湯を楽しむ前に、もう少しアートにあふれた館内を回ってみましょうか。玄関には黒田泰蔵氏の白磁の大鉢と、赤木明登氏の輪島塗の長椅子。現代の人気作家の作品と室町時代の常滑の大壺が見事な調和を見せています。

モダンアジアンの風が吹くラウンジにはインドネシアの足付石器と石のテーブル。世界的な美術家、リー・ウーファンのデッサン。もちろん、レストランも廊下も至る所がアートに彩られ、まるで美術館でも訪れたよう。一つ一つ、じっくり鑑賞していくうちに、心はいつしか穏やかに。アートには人の心を癒す力があるのかもしれません。
有馬の「金泉」を堪能

大浴場「星の湯」は2階。湧き出たばかりの時は無色無臭ですが、空気に触れると茶褐色に変わる、いわゆる「金泉」です。この色は鉄分を含んだ泉質に由来するものですが、有馬温泉の代名詞とも言える湯。よく温まり、湯冷めしにくい強塩泉を半露天の源泉掛け流しで味わいましょう。

湯上りには、冷えた自家製梅ゼリーも用意されています(15時~18時)。
四季を感じる創作会席と朝食の「引き上げ湯葉」が好評

食事はお部屋でいただきます。コンセプトは「幸せを感じる料理」。神戸牛に三田牛、丹波地鶏など、その土地ならではの逸品と季節の素材にこだわり、食べる瞬間に美味しさのピークを合わせた料理が、1品1品運ばれてきます。

季節を問わず好評なのが、朝食の「引き上げ湯葉」。毎朝届けられる新鮮な豆乳を使ったメニューで、この湯葉を食べたくて訪れる人も多いとか。

静謐なアート空間と伝統の金泉、四季折々の滋味あふれる料理。有馬の夜を静かに深く過ごしたいと願う大人にこそ、ぜひ訪れてもらいたい宿です。












