国内有数の避暑地として知られる、長野県・軽井沢。緑豊かな森の中に佇む「万平ホテル」は、創業から130年の歴史を紡ぐクラシックホテルです。2024年10月に大規模改修・改築工事が完了し、かつての趣を残しながら全館リニューアルオープン。今回は、一休コンシェルジュ編集部が現地取材を実施し、生まれ変わったホテルの魅力をお届けします。
目 次
創業130周年を記念し、全館リニューアルオープン


観光客で賑わう軽井沢のメインストリートから少し奥へ進み、木立をくぐり抜けた先に立つ「万平ホテル」。創業当時から数々の賓客をもてなしてきた「アルプス館」をはじめ、「愛宕館」「碓氷館」など4棟で構成されています。全館リニューアル後も、ホテルの大きな特徴であるハーフ・ティンバー風の外観は健在です。


明治から令和まで、長きにわたり引き継がれてきた“名物看板”を眺めつつ館内へ進むと、赤い絨毯が印象的なロビー&フロントが迎えてくれます。

階段の上で華やかに外光を取り込むのは、ホテルの象徴とも言えるステンドグラス。「万平ホテル」の前身である、旅籠「亀屋」の名残を伝える亀のデザインが施されています。


130年もの歴史がある「万平ホテル」は、長年通い続けるゲストも多いのだそう。柱や梁など建物の造りを活かしながら改装したため、ところどころに残されたかつての趣がクラシックホテルファンの心をくすぐります。

クラシカルな雰囲気を味わいつつ、早速客室の見学へ。今回のリニューアルにより、新たにエレベーターが設置され、より移動しやすくなったのは嬉しいところ。
1室限定、温泉風呂が付いた「愛宕館」の最上位スイートルーム


最初に見せていただいたのは、客室棟「愛宕館」に位置する約91平米の「愛宕館万平スイート(温泉付)」。1室限定、ホテル内最上位の客室です。モダンな雰囲気を醸しつつも、組子格子など「万平ホテル」ならではの装飾が残されており、至るところでホテルの歴史を感じられます。


大きめに取られた窓は開放感たっぷり。外には「アルプス館」のほか、季節によって表情を変える中庭を望みます。


ソファスペースの横、繊細な組子のガラス障子を開けるとベッドルームが。
ヘッドボードのデザインが特徴的です。


ウォークインクローゼットは、広々としていて機能性も抜群。大きな荷物でも問題なく置くことができます。客室内は“ロの字型”の導線になっているため、客室入り口ドア側からだけでなく、ベッドルームからも通り抜け可能。


バスルームには洗面台が2つあり、ゆとり十分。今回のリニューアルによって「愛宕館」の全室で温泉(運び湯)が楽しめるようになりました。バスルームの温泉は循環され、常にお湯が張られる仕様。いつでも好きなときに入れます。

シャンプーなどのアメニティ類は「MOLTON BROWN(モルトンブラウン)」の「リヴァイヴィングローズマリー」。「アルプス館」と「愛宕館」の客室で共通です。

落ち着きあるアイボリーのボックスには、歯ブラシなどの基本的なアイテムが。
ロビーのステンドグラスと同じ亀のデザインが施されています。

ドライヤーは人気ブランド「ReFa(リファ)」を採用。
巾着型のケースがベロア調の素材で、高級感があります。

リビングに戻り、冷蔵庫をチェックします。シンクの足元にある冷蔵庫内には、軽井沢の地ビールをはじめ、信州らしい桃やりんごのジュースが。こちらの客室に宿泊する場合、冷蔵庫内やミニバーのものはすべて無料でいただけます。

引き出しには、コーヒー・紅茶のティーバッグのほか、ワインのボトルまで!その他お菓子があったり、ホテルロゴ入りのミネラルウォーターがお洒落。
“万平ホテルらしさ”を継承した、メイン棟「アルプス館」の客室

「万平ホテル」と言えば、やはりメイン棟となる「アルプス館」は見逃せません。続いて「アルプス館クラシックプレミア」の客室も見学させていただきました。


戦前から数多くの著名人や政界人などに愛されてきた「アルプス館」。リニューアル後は家具などを刷新したものの、和洋折衷の室内意匠はあえて残すかたちに。ここにもガラス障子があしらわれています。

地域の伝統工芸品・軽井沢彫の家具やインテリアは、客室だけでなくホテル内の至るところに配されています。桜などの様々なモチーフと、美しいディテールが目を惹きます。

タイルの質感を活かしたバスルームは、先ほどの客室とは異なる雰囲気。リニューアル前からあった猫足バスタブは、修繕を加えて今も引き継がれていました。
館内の至るところに「万平ホテル」ならではの歴史と魅力が


客室だけでなく、館内の至るところにちりばめられた「万平ホテル」ならではの個性や魅力も見どころ。クラシックホテル好きの方であればなおのこと、この空気感はたまらないはず。
「碓氷館」のスイートルームにはテラス付の客室も


当日、ホテルのご厚意で「碓氷館」にある「碓氷館碓氷スイート(テラス付)」も見せていただけることに。「愛宕館万平スイート(温泉付)」に次ぐ90平米の客室です。

こちらの客室は、テラスが付いているのも大きな魅力。取材時はまだシーズン前だったものの、秋になると目の前の木々が色付くため、お部屋にいながら紅葉を楽しめるのだそう。椅子に腰掛けてのんびりと過ごす時間が、忙しない日常を忘れさせてくれることでしょう。
鮮やかな赤が映える、優雅なメインダイニングルーム


客室をひと通り見終わったあとは、館内施設を回ります。まずは正面玄関の向かいにあるメインダイニングルームへ。入り口横の大きなステンドグラスも、リニューアル前から引き継がれたもの。その大きさと美しさに目を奪われつつ、店内へ向かいます。

ソファやチェアの赤に、テーブルクロスの黄色が鮮やかなメインダイニングルーム。古くから格式の高い建物に用いられる格天井は、升目の色味が様々でデザイン性もあり。豪華絢爛という言葉がふさわしい、圧巻の様相です。


店内の壁側にもステンドグラスが飾られています。こちらも鮮やかな色味ですが、空間の赤や黄色と相まって見事な調和を生み出しています。


メインダイニングルームの外に面したエリア、通称「サンルーム」はその名のとおり大きな窓からたっぷり外光を取り込む造り。中庭に面しており、外の景色を楽しめるのが魅力です。

食事は夕朝食ともにメインダイニングルームでいただきます。ディナーで提供されるのは「万平ホテル」の伝統を表現した、地産地消のフランス料理。代々受け継がれてきたレシピに、歴代のシェフがアレンジを加えているのだそう。

朝食は、卵料理がメインのアメリカンブレックファストをどうぞ。天気が良い日は、清々しい朝の光が差し込む「サンルーム」でいただくのがおすすめです。数量限定で和定食の用意もあるため、気になる方は予約時にお問い合わせを。
夜は重厚感のあるバーでこだわりの一杯を


ディナータイムのあとは、非日常感漂うバーで名物のカクテルを傾けてみてはいかがでしょう。バーテンダーが丹精込めて作るこだわりの一杯が、夜のひとときを華やかに彩ります。1日の最後に、旅の思い出に浸ってみるのもよさそうです。
滞在の合間に訪れたい、ショップ&カフェテラス


1階のロビー奥には、ホテルオリジナルのアイテムが並ぶショップを併設。
建物のリニューアルに合わせて、パッケージデザインの刷新を行なったのだそう。新しいアイテムも登場し、幅広い年代に喜ばれそうな可愛らしい商品が並んでいます。

特に注目なのが、新しく生まれた「万平ホテルプレミアムクッキー缶」。メインダイニングルームのステンドグラスをモチーフにしたデザインが、お土産はもちろん特別感のあるギフトにもぴったり。ホテルでの思い出を持ち帰るような気分で、手に取ってみてはいかがでしょう。


ショップの奥にあるカフェテラスでは、ホテル伝統のアップルパイやミルクティーをはじめとするカフェメニューをいただけます。ビジター利用も可能で、テラス席はペット連れの方からも好評です。


かつてジョン・レノンが家族と訪れていたことで知られる「万平ホテル」。
アップルパイやミルクティーは、彼のお気に入りの品だったと言います。
訪れた際はぜひ味わいたいですね。
全館リニューアルで新たな時を刻み始めた「万平ホテル」。かつての趣と新しさが融合したモダンな空間はもちろん、伝統に培われたおもてなしの心がゲストに寛ぎのひとときをもたらしてくれます。軽井沢の歴史とともに歩み続けるクラシックホテルの魅力、実際に体験してみてはいかがでしょうか。
万平ホテル
長野県/軽井沢












