日本屈指の観光地 箱根。その魅力は、都心から最も近い温泉地でありながら、大自然に囲まれた景色を満喫できること。季節によって表情を変える芦ノ湖や外輪山を、部屋の露天風呂に浸かりながら独り占めできる「全室露天風呂付きの宿」6軒をご紹介します。
1.親密感も開放感も楽しめる 木の香り漂う深い森の隠れ家
強羅花扇 円かの杜(強羅)
強羅の深い森の中に古民家風の佇まいを見せる 円かの杜。そこは、館内の至るところで木の温もりを感じることができる癒しの場所です。ロビーのフロントデスクやラウンジのカウンターに使用されている一枚板の神代欅は、まるで木の息遣いが聞こえてくるかのような迫力でありながら、深い森の中にいるような心地よさを感じさせてくれます。
回廊に沿って配された20室の客室は、親密感に満ちた部屋から開放感あふれる部屋まで、間取りや眺望がすべて異なります。すべての部屋に源泉かけ流しの露天風呂が用意されており、白木の湯船からは季節や時刻によって表情を変える箱根山の山肌や、手を伸ばせば触れることができそうな森の木々を眺めることができます。
部屋か個室の食事処で頂く食事は、相模湾で水揚げされる魚介類、足柄の地で採れる野菜のほか、現地から直送される飛騨牛をメインとした会席料理。箱根に居ながらにして極上の飛騨牛を味わえるのも、この宿ならではの魅力です。
2.一日8組限定。和と洋が融合した全室スイートの隠れ宿
箱根 時の雫(宮ノ下)
かすかに川のせせらぎが聞こえる木立の中に、一日8組限定の隠れ宿 時の雫 は佇んでいます。和の落ち着きと洋の華やかさを融合させた空間。白を基調とした部屋は、8室すべてがスイートルーム。
全室に源泉かけ流しの檜露天風呂が備えられ、かの秀吉も傷を癒したという効能豊かな温泉を心ゆくまで堪能することができます。開放感のある大きな窓に向かい置かれた二つのリクライニングチェアーでは、バスローブに身を包み、しばし日常を忘れて箱根の山々を眺めてみてはいかがでしょう。
夕食は独自に考案された”和のオーベルジュ”を、眺望の素晴らしいダイニングで。そこには旬の素材を一品一品、最高の形で提供するためのこだわりが感じられます。木漏れ日が差し込む中、遅めの朝食をいただき、正午のチェックアウトまでゆっくり過ごしたい、プライベート空間重視の宿です。
3.8か所の専用露天風呂を含む10の湯船が待つ 外輪山を望む憩いの宿
和の宿 華ごころ(強羅)
大文字連山を望む強羅の山腹に佇む2000余坪の大自然に抱かれた 和の宿 華ごころ。全8室の客室には、有名なデザイナーズブランドのインテリア家具や調度品があしらわれ、白と黒を基調にした和風モダニズム空間をつくりだしています。
プライベートバスはお部屋から少し離れた場所にあり、一部屋に一つ個室の露天風呂が用意されています。眺望もそれぞれ。大涌谷から引いた森の中のにごり湯で、誰にも邪魔されずにゆっくりくつろぐことができます。喉をうるおしたくなったら内線電話でオーダーしましょう。顔を合わせることなく受け渡しのできる小窓に希望のドリンクが届きます。
お食事は大文字連山を一望できる「茶寮心月」で。夕刻と朝で表情を変える外輪山を眺めながら、若き板長による創作料理を楽しむことができます。
4.きたの風のおもてなし。それは、箱根と北海道のコラボレーション
和乃オーベルジュ~きたの風茶寮(仙石原)
仙石原の静寂に包まれた きたの風茶寮 は、北海道が誇る野口観光が箱根で営む和のオーベルジュ。10室すべての部屋に露天風呂または展望風呂が備えられ、源泉である大涌谷から引いた白濁湯を楽しめます。酸性のお湯は、肌をすべすべにし、身体を芯からあたためてくれます。
館内は和モダンを基調とし、落ち着いた空間が広がります。中でも風の回廊には仙石原ではおなじみ「すすぎヶ原」の絵画が飾られ、まるで美術館を訪れたような感覚を味わえます。
五感のすべてを刺激する料理長自慢の料理は、地元箱根の食材と、北海道でとれる新鮮な食材を調和させた見た目にも美しい和懐石膳。北のお酒とともに楽しめます。朝食で供される焼き魚を地場の旬の魚と北海道の旬の魚から選べるのも嬉しい限りです。
5.神代欅に包まれた ぬくもりあふれる大人のおこもり宿
強羅花扇(強羅)
素足で過ごせる畳敷きの回廊、ロビーの木製シャンデリア、神代欅の囲炉裏・・・館内の至るところに天然木のぬくもりが感じられる強羅花扇。ロビーや客室の木製家具は飛騨高山から取り寄せるこだわりよう。箱根に居ながらにして飛騨の地で育んだおもてなしを味わうことができます。
全客室に備えられた源泉かけ流し露天風呂からは、四季折々の表情を見せる外輪山や緑豊かな森の木々を独り占め。身も心も溶け出すような贅沢な時間が流れていきます。泉質は箱根では珍しい重曹泉。とろとろとしたお湯が身体を包み、肌にみずみずしい潤いを与えてくれます。
食事は、個室に仕切られたお食事処で頂く京懐石料理。京都の料亭で修行した料理長による月替わりの献立は、地元箱根の野菜、小田原で獲れる鮮魚、そして最高ランクの飛騨牛を使った逸品が並びます。
6.満足度2倍! 伝統とモダンを融合させた「RYOKANスタイル」
箱根・翠松園(小涌谷)
小涌谷温泉にたたずむ 箱根・翠松園。日本旅館ならではのあたたかなおもてなしはそのままに、欧米ホテルの機能性、プライバシー重視のサービスを融合させた「RYOKANスタイル」は、満足度が高いとの定評があり多くのリピーターが訪れています。
趣のことなる全23室のスイートルームは、55平米以上のゆったりとした空間に、モダンな家具がさりげなく設えられ、寝具やフレグランスにもこだわりが感じられます。もちろん、源泉かけ流し自家温泉の露天風呂を専用TVとともに完備。深い箱根の森に抱かれながら、季節の移ろいを肌で感じることができるでしょう。
食事はぜひ、かつて三井家の別荘として使用され、国登録有形文化財に指定されているメインダイニング「翠松園」で。千利休の「侘び・寂び」をテーマに、料理長自ら厳選した食材や器を使用した懐石料理を頂ける落ち着いた雰囲気の個室や、ライブ感たっぷりの鉄板を目の前にしたカウンター席など、思い思いに食事を楽しむことができます。
外輪山に囲まれ、深い森や芦ノ湖などの自然に包まれた箱根には、どこか”おこもり感”が漂います。そんな”おこもり感”に浸りながら自然と一体となった開放感をも独り占め。箱根に露天風呂付き客室を有するお宿が多い所以かもしれません。誰にも邪魔されず、何もしない贅沢を、ぜひ箱根で味わってみてください。
更新日時2019.06.21 14:51