ホテルではお馴染みの「スイートルーム」。最近は旅館でも趣向を凝らしたスイートルームにこだわるラグジュアリーな宿が増え、人気を集めています。
そんな話題の、ホテルのような快適さを備えつつも、和のやわらかな情緒やおもてなしも提供してくれる和&モダンなスイートルームを厳選してご紹介します。
目 次
純和風の風情とリゾート的なモダンが絶妙にコラボする宿
ABBA RESORTS 坐漁荘(静岡県/浮山温泉)

歴史を感じさせる庭園を始め、世界からのゲストも悦ぶ純和風の美と格調を随所に残す「ABBA RESORTS 坐漁荘」。
一昨年リニューアルされたばかりの客室は、どれもが清潔感にあふれていますが、特にお勧めしたいのがヴィラ棟。
ハイセンスな別荘を訪れたかのような、すっきりとして清々しいデザインの客室の窓からは、ナツツバキやイロハモミジなどの木々や、刻一刻と移りゆく空の色が広がり、時を忘れて眺めていたくなるでしょう。

また、「沙羅」「芙蓉」の2つのヴィラには、海外の高級リゾート顔負けのプライベートプールも完備されています。
和食とフレンチ、2つの食事処があるのも「坐漁荘」の魅力。
新鮮な海の幸を板長の冴える腕でいただく喜びと、伊豆の誇る食材を1皿の芸術のようにしたてるフレンチ。どちらを口に運ぶべきか、嬉しい悩みは尽きません。
このほか、大浴場やエステルームもある「坐漁荘」は、あたかも和風旅館エンタテインメントのよう。日本の底力を感じさせてくれる宿です。
サミットで脚光の伊勢志摩の高台に佇む絶景スイート
汀渚 ばさら邸(三重県/伊勢志摩賢島温泉)

8年ぶりに日本で開催された先進国首脳会議(サミット)の会場として世界中から注目を集める伊勢志摩。
英虞湾に散りばめられた宝石のような美しい島々を望む高台に、「汀渚 ばさら邸」はあります。
4千坪の広大な敷地に、客室はわずか18室。全客室から海が見え、なおかつ露天風呂つきという贅沢な造りは、まさに“大人の隠れ家”と呼ぶにふさわしいでしょう。
特に、3棟のみの離れは、とびきりの「お籠り」を約束してくれるはずです。

樹をふんだんに用いた和風の温もり感を基調にした部屋は、手作り家具で人気の東京・青山のBC工房の家具がスタイリッシュさを与えています。
ふわりと寝心地の良さそうな和ベッドや座り心地抜群のソファーに身を委ねて、または、神経痛や筋肉痛に効能があるという「賢島温泉」に浸りながら、絶景を眺めて日々の疲れを吹き飛ばしましょう。
伊豆の隠れた名湯と自然に癒されて笑顔になれる宿
雲風々 - ufufu -(静岡県/伊豆・月ヶ瀬温泉)

木立を抜けるそよ風がそのまま宿名になったかのような「雲風々 -ufufu-」は、全部屋に掛け流しの温泉を引いた露天風呂を構えています。
名月を眺めるのにうってつけの「月響」をはじめ、風に揺れる笹の葉のささやきが心地よい「笹音」、敷地内にホタルが飛び交う小川が流れる「蛍火」など、趣向を凝らした部屋が滞在客を楽しませてくれるに違いありません。

温泉で温まった後は、広々としたウッドデッキやテラスで木々を抜ける涼やかな風を受けてみては。自然のパワーが体の隅々まで清めてくれる…そんな感覚を味わえるでしょう。
余分な力みを手放して“ほどける”スタイリッシュなスイート
ふふ 熱海 (静岡県/熱海)

伊豆の和モダンスイートの宿で外せないのが、全室スイートを謳う「ふふ 熱海」です。
源泉掛け流しの露天風呂を備える、全26室の客室は最もコンパクトでも60平米の広さ。

ナチュラルな色合いのファブリックを用いたシックな部屋から、琉球畳を使ったオリエンタルなムードに和む部屋まで、客室ごとの表情がとても豊かです。
部屋に合わせてハンモックやミストサウナ、檜風呂など、設備もそれぞれ違うこだわりに、思わず感服してしまうはず。
食事も和食のほか、ライブ感が楽しい鉄板焼き、人目を気にせずにくつろげる部屋食など様々な選択肢があるのも嬉しいポイント。
古くから文化人や著名人に愛され、美食の都でもある熱海の食を自分なりのスタイルで味わい尽くしましょう。
和と洋の良さを織り交ぜたハイブリッドな全室スイート宿
箱根 時の雫 (神奈川県/宮の下)

国内のリゾート発祥地の1つとも言われる箱根・宮之下。今も昔も多くの人の憧れを集める場所に、全室スイートの宿「箱根 時の雫」はあります。
全ての部屋に檜の薫る源泉掛け流しの露天風呂を設置したこだわりの客室は、わずか8室のみ。
宿のコンセプトである「和の心地よさと洋の華やかさの融合」を具現化し、ワインセラーやダブルシンクのパウダールームを常設するなど、使い心地も抜群です。

イタリアから取り寄せた赤いソファーが印象的な「スタイリッシュ」をはじめ、黒のレザーソファーがクールな「絶景」、
リビングと寝室がセパレートになっているラグジュアリーな「リラックス」など、どの部屋もスタイリッシュな個性が際立ちます。
丁寧なカウンセリングが評判のエステルームや、隣接する「四季の湯座敷 武蔵野別館」での湯浴みも楽しいもの。
「和のオーベルジュ」を標榜するダイニングでは、神奈川の新鮮な食材を使った新感覚の懐石料理で、目や舌を楽しませてくれます。
歴史が薫るレトロでモダンな海辺の宿
汀邸 遠音近音(広島県/鞆の浦温泉)

万葉の歌人・大伴旅人が歌に詠み、様々な歴史ロマンが繰り広げられてきた広島県鞆の浦。文豪の井伏鱒二がこの宿の前身「宿屋籠藤」に逗留するなど、いにしえより「汀邸 遠音近音」は名だたる著名人に愛されてきました。
その歴史を大切に受け継ぎながらも、客室は現代的な快適さを追求。全室に温泉露天風呂がつき、部屋からは海が眺められます。

特に、2タイプあるスイートの心地よさは格別です。クラシカルな格子戸を思わせる引き戸や一人では広すぎるほどのベッドなど、特製の家具やインテリアは、見目麗しいだけでなく使い心地もばっちり。
アメニティ1つとっても、スイートの宿泊客だけはハイブランド、フェラガモが用意されるなど特別感が漂います。
デッキで感じる潮風や遠くに望む島々、陽光に煌めく水面をぼんやりと眺める何気ない時間が、きっと旅の最良の思い出になるでしょう。
ミシュラン最上級の快適さに輝くアートなリトリート
リバーリトリート雅樂倶 (富山県/神通峡春日温泉)

自然豊かな富山県の山あい、紺碧の水が静かに流れる神通峡に「リバーリトリート雅樂倶」は佇んでいます。
その風格は、ホテルや旅館というよりはミュージアムとも呼ぶのがふさわしいほど。
多くの公共建築物をデザインし、国内外で高く評価されている建築家・内藤廣氏が手がけたと聞けば、アーティスティックな風情も納得。
温泉がこんこんと湧き出る当地で、あえて「リトリート」にこだわった「雅樂倶」。他の温泉旅館とは違ったひそやかな落ち着きを漂わせており、それがミシュランガイドで最上級の快適さとして評価された理由の1つかもしれません。

ホテルには本館と新館があり、5タイプのスイートルームがあります。
最もコンパクトな「本館モダンスイート」の「月の間」でも72平米と広々。高野槇の和風バスルームから神通川のゆるやかな流れを望めれば、疲れも解けていくでしょう。
モダン、和風、アジアン調などを織り交ぜ、どれ1つとして同じ仕様はありません。また、ジャグジーやサウナ、温泉など設備も多様で、選ぶ楽しみも味わえる宿です。
ひとくちにスイートルームと言っても、その魅力も個性も実に様々。
快適さや美食はもちろんのこと、さらなるサプライズや癒しをくれる進化系の和モダン・スイートは、和と洋の良さを最大限に引き出した宿と言えるかもしれません。日本にいるからこそ味わえるリラックスを、和モダンスイートで体感してみませんか。












