美しい夕日で有名な宍道湖。そのほとりに佇む「皆美館」は1888年に創業、皇族をはじめ、芥川龍之介、川端康成、島崎藤村などの名だたる文人や、河井寛次郎、棟方志功、岡本太郎らが訪れた、山陰随一の老舗旅館です。
創業以来、「客のこころになりて亭主せよ」との七代目松江藩主・松平不昧公の残した教えを引き継ぎ、ゲストへの心遣いと奉仕の精神を大切にしています。宍道湖を借景にした枯山水式の庭園、趣の異なる客室、秘伝のだしを注いでいただく名物「鯛めし」など、魅力たっぷりの「皆美館」を紹介します。
目 次
落ち着いた佇まいの和風建築と枯山水式の湖畔庭園

城下町松江のシンボルである松江城は、その形がまるで千鳥が羽を広げたように見えることから別名「千鳥城」と呼ばれ、2015年には国宝に指定されました。その松江城から歩くこと数分、城下町らしい町並みの中に「皆美館」はあります。

重厚な和風の門構えの向こうには、幾重にも重なる屋根瓦の和風建築。門をくぐり、手入れされた庭の草木を眺めながら屋根付きの石畳の通路を進むと、ここを訪れた文人墨客の作品が展示されたロビーにたどり着きます。

ロビーではチェックインの手続きを待つ間、芸術鑑賞も愉しめます。

「皆美館」の一番の見どころは枯山水式の湖畔庭園にあり、といっても過言ではありません。フロントの奥、お食事処を抜けて庭園に出た瞬間、その美しさに心を奪われます。

宍道湖を借景にした、奥行きを感じさせる枯山水式の庭園。樹齢300年を超す松の古木をはじめ十五本もの松が植樹され、特に夕暮れ時の美しさはひとしおです。多くの文人墨客を魅了してきた所以の一つといえるでしょう。
旅のスタイルに合わせて選べる個性豊かな客室

和風建築ながら、和モダンな雰囲気が漂う館内同様、ツインルームや和室など様々なタイプの客室があります。

1階には、宍道湖と白砂青松の庭園を臨む、京数寄屋造りの別邸「美文」が。展望温泉風呂が付いたメゾネットタイプのお部屋や和風のお部屋があります。

特にお薦めしたいのが、4階に位置する「レイクビュー スイート」。展望檜風呂付きの和洋室で、リビングの大きな窓から見渡す宍道湖や、宍道湖大橋はまさに圧巻。夕日に染まる宍道湖を眺めながら過ごす至福のひとときは、忘れられない思い出になること間違いなしです。

リビングのローテーブルに置かれた茶器セットや、地元松江が誇る和菓子の入った重箱、充実したアメニティは、創業当初から受け継がれた、ゲストへの心遣いと奉仕の精神を感じさせる「皆美館」ならではのおもてなしといえるでしょう。

館内には、大きな湯船で旅の疲れを癒せる温泉大浴場も完備しています。
宍道湖の恵みに溢れた夕食 家伝の味を愉しむ朝食

食事は、夕食・朝食とも、1階にある庭園茶寮「みな美」でいただきます。夕食は、地元島根産の厳選食材を使用した料理長自慢の会席料理。ライトアップされ、幻想的な雰囲気が漂う庭園を眺めながらいただく食事は格別です。

宍道湖は、大橋川や中海を介して日本海に接続している汽水湖。淡水と海水が混ざりあっているので、魚介類が豊富です。甘鯛、鰻、シジミといった宍道湖の恵みを心ゆくまで堪能できます。強肴や〆の食事が選択制なのも嬉しい限り。違う料理を選んでシェアすれば、楽しみも倍増です。

「皆美館」に宿泊したらぜひとも味わいたいのが、朝食で選ぶことができる名物「鯛めし」。松平不昧公が、汁かけごはんを好んだことから、初代料理長が考案したもので、奥出雲延命水で炊き上げた仁多米こしひかりの熱々ごはんの上に、鯛のそぼろ、卵の白身と黄身などの具、薬味などをのせて、秘伝の特製だしをたっぷり注げばできあがり。鯛の旨味と上品なだしの見事なまでのコラボレーションが、口いっぱいに広がります。

仁多米こしひかりの土鍋ごはんと和定食も選べます。

明治時代から続く、湖畔の老舗旅館「皆美館」。宍道湖を見渡す風光明媚な土地に建ち、多くの文人墨客たちに愛されてきました。今も昔も変わらないおもてなしの心、家伝の味、宍道湖を借景とした見事な庭園など、それぞれの魅力を紐解いていくと、愛されてきた理由がわかるような気がします。いにしえの文人たちに心を寄せながら過ごす休日を、「皆美館」で味わってみませんか。
皆美館
島根県/松江・しんじ湖温泉












