富士山のほど近くに佇む「強羅花壇富士」。日本を代表する箱根の名旅館「強羅花壇」の2施設目となる温泉旅館です。宿から眺める絶景に、充実の館内施設。美食を楽しめるダイニング、贅を尽くした客室まで……。この宿の魅力をご紹介します。
目 次
1.富士山麓からの絶景を見渡す、ラグジュアリー旅館
静岡県・須走の富士山麓に佇む「強羅花壇富士」。計画から約10年の時を経て、2025年7月に開業しました。敷地は約1万5,000坪もの広さを誇ります。中に入ると広がるのは、上品な香りが漂う広々としたロビー。動線の先にある大きなガラス窓からは、条件が揃えば富士山を望めます。間近から眺める富士は迫力満点です。
ロビーはL字型になっていて、奥までソファやチェアが備わります。夜には暖炉に火がともり、日中とは一味違う雰囲気を楽しめるそう。館内の空間には“地・水・火・風・空”の自然の要素が取り入れられていて、暖炉では“火”、外のテラス席では“風”や“空”を感じられるでしょう。
さらに奥へ進むと、長さ約24メートルにもわたる回廊が現れます。箱根にある「強羅花壇」の象徴のひとつでもある柱廊を連想させる造りです。天井の高さや建築の規模の大きさに圧倒されました。この回廊には写真家の杉本博司氏による作品が飾られています。こうした貴重なアート作品を随所で楽しめることもこの宿の魅力のひとつです。
回廊の先にあるのが「富士見テラス」。天候が許せば風を感じながら正面に富士山を望む、まさに絶景の特等席です。朝は朝日に照らされ幻想的な富士が、夜は登山客が照らすライトまで見えるといい、さまざまな表情の富士を楽しみたいですね。
2.2つの浴槽やサウナも備わる、優雅な離れ客室
「強羅花壇富士」の客室は全42室オールスイートタイプで、このうちの3室は離れの貴賓室。完全に独立した、プライベートなラグジュアリー空間です。3室ともタイプが異なる離れのうち、今回は2つの浴槽やサウナが特徴的な「離れ貴賓室『雨』」を取材しました。
広々とした玄関にある沓脱石(くつぬぎいし)は、強羅花壇のこだわりのひとつ。客室での時間を、より内省的に感じてほしいとの思いから、「強羅花壇」「強羅花壇富士」ともに全室に設けられているそうです。和室ならではの“内に籠もる滞在”をより一層感じられそうですね。
この離れの定員は5名。客室内にはベッドルームをはじめとする4室があり、約167平米の開放的な空間です。2つのテラスや庭なども合わせると約260平米もの広さになります。
1階の中央にある洗面台はモダンなデザイン。ダブルシンクで機能性も抜群です。階段を上って2階へ行くと「青森ヒバ」を使った浴槽があります。窓を開ければ展望風呂に。外の自然を感じながら湯浴みを堪能してみては。ドライヤーは、大浴場含め全室「ReFa」製のものを使用できます。
驚くことに、浴槽は1か所だけではありません。1階のテラスの先にあるのは巨石庭園露天風呂。豊かな岳麓の自然に囲まれて、くつろぎのひとときを過ごしましょう。その奥には茶室のような佇まいのドライサウナや水風呂も備わります。中は和の落ち着いた雰囲気を残しながらも洗練されたデザインです。
大きなクローゼットには、浴衣や帯、羽織などが備わります。書を楽しむための筆やすずりは、箱根の「強羅花壇」も含めすべての客室に用意されているそうです。使用するゲストも多いのだとか。
3.上質で心地よい滞在が叶う、スイート客室
本館には1階から7階までにさまざまなタイプの客室があります。案内していただいたのは「檜風呂付スタンダードスイート / キングベッド/Aタイプ」。江戸からかみのふすまをはじめ、和の趣が息づいた上質な空間です。
お茶やコーヒーはもちろん、全客室で冷蔵庫の中にあるドリンクはすべて無料でいただけます。牛乳やビールなど地元のものも用意されていました。室内で使える湯のみは、陶芸家の吉田直嗣氏が手がけたものです。
続いてバスルームへ。ゆったりサイズの浴槽は、「青森ヒバ」を使用しています。窓を開ければ半露天として楽しむことも可能。あたりの自然を感じながら、くつろぎのひとときを過ごせますよ。シャンプーなどのバスアメニティは、フレグランスなどを手がける「ÉDIT(h)」のものを使用。宿のオリジナルボトルがおしゃれです。
浴室にはシャワーも完備されています。洗面台はこちらの客室もダブルシンク。木の温もりを感じるスタイリッシュなデザインです。
4.開放的な大浴場で、富士見温泉やサウナを満喫
大浴場は2か所。客室などがある本館とは異なる建物へ渡り廊下を通って向かいましょう。それぞれにデザインの異なる大きな露天風呂と内風呂があり、富士の地下約1,500メートルから湧き出る富士見温泉を楽しめます。泉質は、弱アルカリ性単純温泉。“美肌の湯”とも呼ばれるこの温泉を心ゆくまで満喫してみては。
大浴場には片方にドライサウナ、もう片方にはミストサウナも完備されています。男女入れ替え制のためどちらも楽しめるのは嬉しいですね。サウナ内にある窓からは富士の自然を望み、心地よいサウナ時間を過ごせそう。サウナの後の外気浴では、高原の風を思い切り感じましょう。大浴場にはアメニティやタオル、ドリンクなども揃っているので手ぶらで行くことができますよ。
大浴場の外には広々とした湯上がりスペースの「salon」があり24時間開放されています。無料のマッサージチェアにドリンクの提供(14:30~19:00)、富士や芸術にまつわる書籍も用意されていて、くつろぎのひと時を過ごせそうです。
5.プールにスパ、ゴルフコースまで……充実のウェルネス施設
館内には、宿泊者が利用できるプールもあります。全長18メートルのメインプールのほか、低温ミストサウナや屋外のプールなどもあり、子どもは4歳から利用可能です( 4 歳から小学 6 年生のお客様は保護者の方の付き添いが必要)。ほかにも最先端の機器が揃ったフィットネスルームや、さらにはゴルフコースまで。充実のウェルネス体験が叶うでしょう。
スパ施設「KADAN SPA」では、富士の地下水や、かんきつ類の一種である「橘」のオリジナルオイルを使用しています。数種類のメニューのうち、注目したいのが「頭浸浴」。打たせ湯のように頭へ炭酸入りのお湯をかけながら、全体を浸すことで疲れからくる不眠などの改善効果があるといわれています。
6.ワンフロアに揃った4つのダイニングで、美食を堪能
続いてレセプション棟の7階にあるダイニングフロアへ。工事の際に発掘されたという富士の岩が印象的なカウンターの先には、懐石、割烹のほか、すし、鉄板焼きと4つのダイニングが広がります。多彩なジャンルから夕食を選択できるのもこの宿の魅力のひとつです。
なかでも最も席数が多いのが、こだわりの食材を使った懐石料理を味わえる「懐石料理 花壇」。窓は富士山側を向いていて、夕暮れには幻想的な富士を見ることができるかもしれません。料理には超軟水という富士山の伏流水でとった出汁が使われます。箱根の「強羅花壇」で約10年研鑽を積んだ中田勇希氏が手がける、旬を余すことなく表現した見た目も鮮やかな品々を堪能してみてはいかがでしょうか。
7.心も体も富士の自然で満たされる、唯一無二の滞在
併設されているギャラリーショップでは、工芸作家による一点ものから古美術の品々まで多様な作品が購入可能です。なかには箱根「強羅花壇」にちなんだ寄木細工も。まるで美術館のように陳列された商品は、見ているだけでも楽しめます。
建築美やおもてなしをはじめとした、箱根「強羅花壇」のエスプリを受け継ぎつつも、富士の自然や食など新たな魅力も存分に楽しめる「強羅花壇富士」。ラグジュアリーな客室を満喫したり、温泉や美食を堪能したりと1泊では足りないと感じるかもしれません。この地ならではの魅力で心も体も満たされる、唯一無二の滞在をしに訪れてみてはいかがでしょうか。
強羅花壇 富士(GORA KADAN FUJI)
静岡県/駿東郡
