平安京の東に位置する京都・岡崎は京都屈指の屋敷や寺院が集まるところ。桜の名所も多く、京都らしい風情が肌で感じられるエリアです。
歴史を知り、桜に親しむ。そんな旅の拠点にぴったりなのが、この岡崎エリアにある「源鳳院」。ぐるりとまわされた築地塀。重厚感のある正門。歴史を感じさせる宿が多い京都のなかでも、この門構えをみれば源鳳院がほかとはひと味違った特徴を持つことは一目瞭然。
それもそのはず。この宿は大正時代の華族、山科伯爵の別邸だった建物。美しい数寄屋造りの雰囲気はそのままに、モダンな感性を加味し旅館として生まれ変わらせた宿で、凛と佇むその姿からは気品ある雰囲気が漂います。
宿の周りを見渡せば、東に東山の山々、西にはすぐそこに平安神宮。北に銀閣寺、南に南禅寺。宿から少し足を伸ばすだけで京都の人気スポットがそこここに。まさに京都らしさが実感できるロケーションです。
回遊式庭園と一体となった部屋でくつろぐ
もうひとつの特徴が宿を囲む回遊式庭園。梅や桜、紅葉、雪景色と、四季折々にさまざまな表情を見せてくれる500坪を超える名園で、特に春のしだれ桜はいつまでも眺めていたい美しさ。灯りが灯った夜の庭も風情があふれています。
部屋から、サロンから、この庭を眺めるもよし。回遊式庭園だからこそ実際に歩いて楽しむもよし。小鳥のさえずりがいい塩梅のBGMになるでしょう。
部屋は茶室を改装した静かな離れ「心月庵」、部屋の縁側から庭園に出られる「衣紋」、二間続きで広い「神楽山」、東山の山々と庭が見える「飛白」の全4室。
「心月庵」と「衣紋」は香りの良い高野槙のお風呂とトイレが備わっています。そのほかの部屋は室内にバス・トイレはありませんが、貸切風呂が利用できるのでご心配なく。
華族の屋敷だった頃の趣が漂う高貴な空間
館内のあちらこちらから華族の屋敷だった頃の趣が漂いますが、ぜひ注目してもらいたいのが、広さ40畳ほどの大書院「山科」。皇室ゆかりの菊の紋や公家紋の桐が彫られた欄間があり、やはりこの別邸がただものではないことを再認識させられます。ここからの庭の眺めも最高! この庭あっての屋敷であり、旅館であることが実感できるでしょう。
ぐっすり眠って朝食を頂く頃は、心が新しい空気で満たされている気持ちに。心ゆくまで京都の静かな朝の風情を堪能できるでしょう。
更新日時2020.07.17 08:25