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200年続く老舗旅館ならではの趣とおもてなし
クローズアップ

200年続く老舗旅館ならではの趣とおもてなし 柊家旅館(京都府/京都)

碁盤の目のように道が張り巡る京都の街で、中心部に位置する京都麩屋街。賑わう商店街から1本道を入るだけで、昔ながらの町屋や古民家が並ぶ落ち着いた雰囲気に様変わりします。

そんな場所に門を構える「柊家旅館」は、京都を代表する旅館の1つ。足を踏み入れた瞬間、ほっと一息つきたくなるような穏やかな空気に包まれます。

時代が移り変わっても、愛されるおもてなし

文政元年、運送業や海産物を営なむ傍ら、旅人に寝床を提供していたことが、このお宿の起源。先祖が帰依していた、下賀茂神社の境内にある“比良木神社”が名前の由来です。
200年も続く歴史で訪れた人の中には、幕末の志士たちや文人墨客など、錚々たる名が連なります。

玄関の格子戸をくぐると目に飛び込んでくるのは、石畳の広々とした空間。かつては人力車がそのまま乗り入れをしていたスペースです。

ロビーを上がると幕末に活躍した漢学者、重野成斎氏が書した「来者如帰」の額が掛けられています。“来る者、帰るが如し”とは、お宿が掲げるおもてなしの理念。
自分の家に帰ってきたかのようにくつろいでほしい、という願いが込められています。

伝統と使い勝手の良さが融合した設え

柊家は歴史ある旧館と、2006年に誕生した新館からなります。
旧館は、江戸末期に建てられた数寄屋造りの建物。宿内には様々な歴史をかさねた重みと、京都らしい細やかで気品溢れる意匠がそこかしこに見受けられます。中央が両端より高い、“船底天井”もその一つ。

自然豊かな庭園が目の前に広がる1階のお部屋は、緑を間近に感じることができます。
広縁では同じ風景を眺めながら、ノーベル賞作家の川端康成氏が執筆をしていたそう。

柊家の事を書いた原稿も残されており、
“宿屋で書きものをする慣はしだが、柊家ほど思ひ出の多い宿はない”
という記述からも、頻繁に利用していたことがうかがえます。

2階の角部屋「準特別室」は広々としたお部屋の中に、昔から受け継がれる暮らしの知恵が凝縮されたお部屋。
夏には涼しげな簾戸、冬には室内にいながらにして雪見を楽しめる雪見障子など、日本ならではの趣を垣間見ることができます。

このお部屋で特筆すべきは絢爛豪華な襖絵。江戸時代に描かれた襖絵に、貝殻などを砕いた染料“胡粉”を載せて描かれた立体的な襖絵は、修復を重ねながらその技術を今に伝えるとても貴重なもの。

書院の机には、筆と硯が入った筆箱が。背筋を伸ばしながら一本筆を執れば、心落ち着くひとときを過ごせそう。

柊家にはカーペットや座布団、玄関のくつ脱台など、至る所に“柊”のモチーフが描かれます。
館内をそぞろ歩きながら、探してみるのも楽しみの1つですね。

木材の温かみが溢れる旧館とは対照的に、明るい雰囲気が特徴的な新館。
お部屋や廊下の掛け軸・書などは芸術家の方々とお宿の縁で、ここにしかないものばかりです。

食事やお茶をいただく大広間は、広々とした窓から木洩れ日が差し込む、心地よい空間。
1月はお正月飾り、3月は雛人形など、季節ごとの飾り付けもされるそう。

ベッドタイプをはじめ、時代に合わせた設備と快適さを兼ね備えたお部屋が、全7室。
坪庭や水盤があるお部屋など、どれをとっても明るい雰囲気の中に、和の要素が盛り込まれています。

「新館デラックスタイプ」は、伝統的な意匠を散りばめたお部屋。
漆塗りの床の間は、淵廻りに玉虫の羽を施し、漆とのコントラストにも目が光ります。

敷地内からの湧き水で、お風呂を楽しめる檜風呂。温泉ではありませんが、芳醇な香りが疲れた身体をゆっくりと癒してくれることでしょう。

歴史を感じる建築や昔ながらの装飾を楽しめる旧館、使い勝手の良い新館。どちらのお部屋に宿泊しても、歴代の著名人に愛されたおもてなしは折り紙付きです。好みや滞在スタイルに合わせて選んでみて。

趣向を凝らした京風懐石で京都の旬を楽しむ

昔ながらの料亭が軒を連ねる京都。そんな中でも柊家の食事を楽しみに訪れる方は後を絶ちません。

全国各地の食材と、京都の新鮮な野菜を掛け合わせた柊家の京懐石。吟味した食材を用いた料理の数々は、滋味豊な味わいが評判です。
清水焼をはじめとする色鮮やかな陶器の中には、年季の入ったものも。骨董品のような器もあるそうですよ。

朝はお宿のこだわりでもある湯豆腐を召し上がれ。湯豆腐が入る桶は、人間国宝でもある桶職人、中川清司氏によるものです。

麩屋町に店を構え、初代の豆腐は北大路魯山人氏、2代目の豆腐は白洲次郎氏にも好まれたという“平野とうふ”。
歴代受け継がれてきた味わいは、上品な大豆の香と味が口に広がり、朝の身体に優しく染みわたることでしょう。

歴史あるものを今に伝える貴重な佇まいと、古いものから学び、未来へと繋げようとする想いが根付く「柊家旅館」。200年に渡り受け継がれているおもてなしの心が、“また帰ってきたい”と思わせる由縁なのではないでしょうか。

柊家旅館

柊家旅館

京都府/京都

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