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軽井沢と共に歩んできたクラシックホテル 万平ホテル(長野県/軽井沢)

軽井沢駅から旧軽井沢銀座に向かう途中で右へ。そこは濃い緑の間をさわやかな風が吹き抜ける「万平通り」。ホテルに至る小径がそのまま通りの名前になっています。「万平ホテル」は、軽井沢の代名詞とも言える、歴史あるホテルです。

ジョン・レノンが夏を過ごしたホテル

江戸時代から外国人ゲストをもてなしてきた旅籠「亀屋」を欧米風のホテルに改装し、オープンしたのが明治27年(1894) 。以来、124年に渡って、国内外を問わず多くの人々に愛されてきた「万平ホテル」。日本における西洋式ホテルの草分けの1つで、ここを舞台にさまざまな歴史の1ページが刻まれてきました。

ジョン・レノンが昭和51年(1976) から4夏連続で滞在したのはあまりにも有名な話。彼がオーダーしたのがきっかけとなってロイヤルミルクティーがカフェメニューに加えられたストーリーは、ファンならずとも一度は聞いたことがあるかもしれません。

建築当時そのままのアルプス館

三角の屋根がリズミカルに並ぶ山荘を思わせる外観。赤い丸ポストと「MAMPEI HOTEL」の看板に迎えられて、さあ中へ。ロビーのある本館アルプス館は、昭和11年に建てられたまま。経済産業省の「近代化産業遺産」にも登録されており、いわばこのホテルの心臓部。

ダイニングルームやカフェなどもここにあります。赤い絨毯、重厚な調度品、ガラスのペンダント照明、軽井沢彫が施されたレセプションカウンター。どこに目を向けてもシャッターを押したくなる空間で、ノスタルジックな魅力が全開です。

お部屋はこのアルプス館のほか、アルプス館を模しながらもより設備を充実させたウスイ館、スタンダードツインのアタゴ館、そして広い別館やコテージも。軽井沢という地域性ゆえ、ファミリーでの滞在が可能なさまざまなタイプのお部屋が揃います。

もっともリクエストが多いのはやはりアルプス館。すりガラスの格子戸や猫足のバスタブといい、洋室なのに床の間を設けた和洋折衷の雰囲気といい、現代のホテルではなかなか出せない風格がたっぷり。13室しかないので、早めの予約がオススメです。

古き良き社交場の雰囲気漂うメインダイニング

しかし、最も万平ホテルらしい空間といえば、やはりメインダイニングでしょう。高い格天井。大きなステンドグラス。クロスの上に整然と並べられたナプキンとカトラリー。ここで晩餐会も開かれていたと言いますから、さぞかし華やかだったに違いありません。

料理は創業当時から伝わるレシピを現代風にアレンジした正統派のフランス料理。それまで日本にはなかった卵料理やサラダを作り、外国人客をもてなしたその温かな心が、このホテルの原点。その心にそった食事が楽しめます。

ほかに中華、和食のレストラン、そしてもちろんカフェテラスもあります。
このカフェテラス、天気が良ければ戸が開け放たれ、清々しい空気の中でお茶が楽しめるので、まさに軽井沢を実感する時間に。ジョン・レノンにならってミルクティーをオーダーしたくなりますよ。

ホテル内にはギャラリーもあって、ホテルを愛した著名人の思い出の品などが展示されています。カフェだけの利用ももちろん可能ですが、できるなら泊まってホテル全体の魅力を味わいたい…。そんな思いにこのホテルはきっと応えてくれるでしょう。

万平ホテル

長野県/軽井沢

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