春はしだれ桜が、秋は美しい紅葉が、武家屋敷の並ぶ通りをうめつくす角館(かくのだて)。歴史ある落ち着いた佇まいを見せる角館は、国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されており、みちのくの小京都とも呼ばれています。
「角館山荘 侘桜」は、その角館の中心から車で北へ10分ほど入った西木町門屋というエリアに佇む宿。
門をくぐるとすぐ目に入るのが、堂々たる存在感を放つ茅葺の古民家。この宿が建つ場所と深い関わりを持つ岩手県雫石町から移築された古民家で、なんと築200年。この宿では吹き抜けのレセプションや囲炉裏を活かしたパブリック用リビングなどのある母屋として再生され、新たな命が吹き込まれました。
土間のロビー。行燈の灯り。ところどころに飾られた、角館を代表する武家屋敷「青柳家」ゆかりの調度品の数々。重厚な中にも、どこか懐かしさを併せ持つこの母屋は、この宿の顔。きりりとした気品に満ちた空間です。
里山を訪れたような、懐かしさ
さて、いよいよ客室へ。ゆるやかな起伏を描く敷地に、中庭を囲むようにゆったりレイアウトされた客室は、全10室。まるで奥深い山里を訪ねたような雰囲気です。
すべての客室に備えられているのが、フローリングのリビングと広いデッキテラス、そして源泉かけ流しの半露天風呂。源泉は敷地内にあり、稀少なpH9.6を誇るアルカリ性単純温泉。柔らかな、ややとろみのある美肌の湯です。
半露天ではありますが、ドアを全て開け放つと歓声をあげたくなるほどの開放感。目の前に広がる緑を眺めながらお湯に浸かっていると、心がすーっと解き放たれていくのを感じます。この温泉に入るためだけに訪れる価値、あり! 心なしか肌もしっとり。泉質の良さを感じます。なお宿には、野趣あふれる貸切の露天風呂も備えられています。どうぞ予約してお楽しみください。
料理は「分とく山」野崎洋光氏のプロデュース
湯を堪能したら、お待ちかねの夕食を。「角館山荘 侘桜」で味わえるのは、ミシュランで2つ星を獲得している日本料理店「分けとく山」の、野崎洋光氏のプロデュースによる月替りの和食です。