その昔、高僧・行基が湧水で傷口を癒すカラスを見つけ、その湧水を調べてみたら温泉であった、という言い伝えが残る山代温泉。開湯1300年を誇る北陸随一のいで湯の街であり、多くの文人文豪に愛されてきました。
そんな歴史ある温泉地に、日本有数の名旅館「べにや無何有」は佇みます。
“何もない”空間で無心のひとときを過ごす
宿名にもある「無何有」とは、“何も無いこと”“無為であること”を意味する言葉。
“何も無いことに価値を見出す”という宿のコンセプトは、日々忙しさに追われる現代人にとって、一番必要なものなのかもしれません。
設計は数々の建築賞を受賞している、竹山聖氏。無駄をそぎ落としたシンプルな空間に、心が浄化されるような感覚になります。
珪藻土を用いたロビーには本物の紅葉が埋め込まれているなど、遊び心も忘れません。
お部屋も同様に、心地よい雰囲気。中でも「【露天風呂付】特別室若紫」の客室は、100平米を誇る広々とした空間が人気のお部屋です。
窓際に配された竹敷の広縁は、まっさらな自然を堪能する特等席。四季折々に変わりゆく自然美を、間近で感じることができます。
テレビは仕切りで隠されているので、自然音のみの世界に身を投じてみて。
団らんに持ってこいの居間には、3メートルもの漆のテーブルが存在感を放ちます。
10帖の和室は、障子で仕切ることも可能。
ツインベッドが配された寝室には、小ぢんまりとしたデスクも備わります。
就寝時には10種類のアロマから、お好みの香りを選べます。心地よい香りは、質の良い睡眠へと誘ってくれることでしょう。
シャワーブースはコンクリート打ちっぱなしのセンスある空間。小窓からは外の空気も感じられます。
お部屋に備わる露天風呂は、山代温泉の源泉掛け流し。柔らかで滑らかな肌触りで「美肌の湯」とも謡われる名湯に、思う存分浸かりましょう。
宿オリジナルの「薬師山アメニティ」は、温泉の入浴効果をそのまま保時できると好評。お土産に買われる方も多いとか。